【解説】教職大学院修了者の教員就職９５％

（解説 2021-02-05付）

　文部科学省は、国立の教員養成大学・学部、国私立の教職大学院における令和２年３月卒業者・修了者の就職状況等を公表した。国私立教職大学院の教員就職率は、前年度に比べて４・１ポイント増の９５・４％と、過去最高値となった。

　毎年、小・中・高校等の教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部４４大学の教員養成課程卒業者と、国私立の教職大学院５４大学修了者が対象。調査は昨年９月末現在。

　国立の教員養成大学・学部の教員就職率は前年度より１・３ポイント減の６４・４％。卒業者数は２６１人増の１万１３５０人。教員就職者数は５７人増の６５３３人で、正規採用が４８１６人、臨時的任用が１７１７人だった。

　文科省は「正規採用者数および就職率は増加している一方、臨時的任用者数は減少傾向」と分析。公立学校教員の正規採用者数の増加が続く一方、民間企業等の採用状況等が好転していることなどが考えられることを要因として挙げた。

　国私立教職大学院修了者の教員就職率は、４・１ポイント増の９５・４％で過去最高となった。

　現職教員学生を除く修了者数は４０人増の６９４人。うち、教員就職者数は６５人増の６６２人で、正規採用が５０３人、臨時的任用が１５９人。

　文科省は、「教員就職率は９割を超える高い水準を維持している」とし、公立学校教員の正規採用者数の増加が続いていることや、修了者の教職志望が一貫して高い状況にあることなどを要因に挙げた。

　これらの分析から、より多くの学生が教師を志すことができるよう、教育委員会等との連携を通じて学校における働き方改革の取組状況や教職の魅力等を伝える教育普及活動に努め、継続的・確実に教員就職率を高めていく考えを示した。

(解説 2021-02-05付)