道議会詳細 決算特別委員会(令和2年11月11日)(道議会 2021-02-16付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼大越農子委員(自民党・道民会議)
【答弁者】
▼小玉俊宏教育長
▼志田篤俊教育部長
▼赤間幸人学校教育監
▼小松智子学校教育局長
▼山本純史学校教育局指導担当局長
▼新免寛啓教育政策課長
▼唐川智幸高校教育課長
▼塙浩伸高校教育課企画・支援担当課長
▼川端香代子義務教育課長
◆英語教育の充実について
Q大越委員 本道の将来を担う子どもたちにグローバル化社会の中で国際的に活躍するために必要な英語力を身に付けさせていくためにも英語教育の充実が求められており、道教委は前年度、道学力向上推進事業やグローバル人材の育成に向けた高校英語力向上推進事業などを通して、中学校や高校における教員の指導力や生徒の英語力の向上に向けた取組を進めている。
事業の中には、中学校を対象とした英語力の向上支援のための予算が単年度で処置されている。この背景や目的などについて、道教委に伺う。
A川端課長 事業の背景や目的について。平成30年度に国が実施した英語教育実施状況調査の結果において、英検3級相当以上を有する中学校3年生の割合が全国の43%に対し本道は30%であり、道教育推進計画に示した目標値50%との差も大きいことが明らかになり、新学習指導要領の全面実施に向け、聞く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく育成するための授業改善を一層進める必要があると考えた。
こうした状況を踏まえ、生徒の英語力や中学校英語教員の指導力の向上に向け、本事業を実施することとした。
Q大越委員 50%との差を少しでも縮めていただけるよう求める。
本年度から小学校で、来年度からは中学校で新学習指導要領が全面実施され、英語教育の充実が図られることになる。本道の中学校の英語の学力を全国レベルにまで引き上げることが喫緊の課題である。
そのためには、英語に関心をもたせ、好きにさせるための英語教育の指導力はもとより、魅力ある英語授業づくりのノウハウを養成する必要がある。
単年度事業としての制約はあるが、効果的な取組に向けてどのように取り組んできたのか伺う。
A川端課長 事業の実施状況について。本事業では、各管内の中学校1校を推進校として指定し、全国学力・学習状況調査結果の分析も踏まえ、生徒の英語への関心を高め、主体的に考え気持ちなどを伝え合うための授業の工夫、コミュニケーションの状況を客観的に把握するための評価の改善、管内の英語教員を対象とした推進校における公開授業などを通じ、授業改善に取り組んだ。
また、推進校の英語教員等によるプロジェクトチームを編成し、効果的な指導の在り方についての協議や、推進校の実践をもとにした授業改善のポイントを具体的に示したハンドブックの作成に取り組むなどしてきた。
Q大越委員 道教委は、取組の結果として、どのような成果や課題があったと認識しているのか。また、中学校の学力向上の取組を裾野の広いものとするためには、このような取組を繰り返し実施し、ノウハウの蓄積や充実を図ることも必要ではないかと考えるが、このことの見解も併せて伺う。
A川端課長 取組の成果等について。本事業の成果として、推進校においては、目的や場面に応じたコミュニケーション活動を計画的に位置付けるなどの授業改善が図られたこと、授業で学んだ語句や表現を用いて会話を続けようとする生徒の意欲が高まったこと、課題としては、まとまりのある文章を書くことや即興で話すことなど、学力調査の結果、明らかになった課題について、引き続き、指導方法を改善する必要があること、小学校や高校との学びの連続性を踏まえた指導については十分とは言えないことなどが明らかになった。
こうしたことから、生徒が4技能のバランスが取れた英語力を身に付け、主体的にコミュニケーションを図ることができるよう、引き続き、英語教育の一層の改善・充実に取り組んでいく。
Q大越委員 国際的な視野を備え、チャレンジ精神あふれる人材の育成に向けて、高校英語力向上事業が29年度から令和元年度までの3年間実施された。元年度の取組の状況はどうなっているのか、3ヵ年にわたる事業の成果などを道教委はどのように認識しているのか伺う。
A唐川課長 高校英語力向上事業について。生徒の英語力の向上や授業改善を目的に、英語の活用場面を想定した授業プログラムの開発に取り組む高校英語力向上事業では、前年度、研究指定校11校において、英語の授業改善のほか、グローバルな事業展開をしている企業への訪問や、地域の魅力を英語で紹介するパンフレットを作成して外国人に配布するなどの交流等を行うとともに、それぞれの協力校計75校と年3回開催するプロジェクト会議において、指定校の授業改善や英語力向上の取組について協議し、指導方法の共有などを図ってきた。
また、事業を開始した29年度からの3年間の成果としては、生徒が実際に英語を活用する場面の体験を通して、積極的に英語でコミュニケーションする態度の育成が図られたほか、英検準2級以上に相当する英語力を有する生徒の割合が各指定校の1年生において、年度内の前期から後期にかけて、24・8%から32・2%に上昇するとともに、全道の3年生では、28年度の35・2%から元年度には41・2%に上昇するなど、生徒の英語力向上に資する取組であったと考えている。
Q大越委員 中学校や高校における元年度の取組、その課題などを踏まえ、喫緊の課題となっている英語力の向上に向けた取組を充実させ、実効性ある取組としていく必要がある。
英語力の向上は、本道の子どもたちの自信や表現力の向上にもつながる重要な取組と考える。本道における英語教育の向上に向けて、道教委はどのように取り組んでいくのか伺う。
A赤間学校教育監 今後の取組について。本道における英語教育の一層の充実を図るためには、中学校および高校それぞれの段階における取組はもとより、学校種間の連携を進めるとともに、小学校も含めた連続性のある英語教育を推進することが必要であると考えている。本年度から、小・中・高校10年間の系統的な指導体制を整備する小・中・高校英語教育支援事業を実施している。
今後は、各管内の推進校などにおいて、小中高合同研修会や公開授業を実施するほか、有識者等を交え英語教育の在り方等について協議するなどして、小中高10年間を見通した授業改善を推進し、各校における英語力向上の取組を支援していく。
O大越委員 連続性のある英語教育を推進するに当たり、具体的、意欲的な答弁をいただいた。しっかりと取り組んでいただくよう求める。
◆産業教育の充実について
Q大越委員 現在、新型コロナウイルス感染症の影響によって、本道を訪れる外国人観光客が激減するとともに、国内における人の移動も停滞しており、本道の観光に関連する産業は大きな痛手を受け、非常に深刻な状況にある。
こうしたときだからこそ、再び国内外からの観光客が本道を訪れるコロナ後の社会を見据え、観光に関する専門的な知識や技術を習得し、マーケティングや広告、販売促進に関する学習の充実を図る観光教育を推進するなど、観光の振興に資する人材の育成が求められている。
道教委は、本道の観光産業を担う人材の育成を図るため、どのような取組を行っているのか伺う。
A山本局長 観光産業を担う人材の育成について。本道にとって観光は主要な産業であり、それを担う人材の育成は極めて重要である。
このため、道教委では、平成30年度から実施している道ふるさと・みらい創生推進事業において、地域と観光を結び付け、その中で観光に関する体験的な学習活動を実施している。例えば余市紅志高校での地域の観光資源であるワインを活用したワインツーリズムの実践研究や、小樽未来創造高校での観光客のアンケート結果や市民の意識調査を分析し地域の活性化を目指す実践研究、標茶高校での地元の牛乳を使用したスイーツを開発し観光客の呼び込みを目指す実践研究など、地域の魅力発信や産業を担う実践的な人材育成に資する教育活動に取り組んできている。
また、令和4年度から年次進行で実施される高校の新学習指導要領では、教科「商業」に科目「観光ビジネス」が新設され、高校生が観光について専門的な知識や技術を学ぶことができる教育体制の整備を進めている。
O大越委員 観光産業の人材育成は非常に大切になってくると思う。魅力的な観光教育プログラムをつくっていただくよう強く求める。
Q大越委員 道教委は、本道の基幹産業を支える人材や、地域を守り支える人材の育成を目的として、30年度から高校OPENプロジェクトを展開し、本道におけるキャリア教育や産業教育の充実を図ってきたと承知する。
高校OPENプロジェクトの概要を伺う。
A唐川課長 高校OPENプロジェクトの概要について。生徒が社会的・職業的自立に向けて必要な資質・能力を身に付けることができるよう、地元自治体や企業等と連携し、地域社会の一員としての意識をもち、課題解決に向けた実践研究に取り組む高校OPENプロジェクトに、道立高校15校を指定校として、30年度から取り組んでいる。
この事業では、地域と学校のコーディネート機能を有する地域みらい連携会議として、学校が地元の自治体や企業等と連携・協働する体制を整備した上で、地域の観光振興に寄与する取組や、工業高校の生徒が農業の労働力不足という課題の解決に向けて、ICTを活用した情報管理と作業の効率化を図るためのスマート農業の実現・普及を目指した取組、高校生の地元への興味・関心が不足しているという課題の解決に向け、ウポポイを活用したアイヌ文化に関する体験学習などを通して地域の伝統文化を学び郷土への愛着を深めるなど、地域の資源を発信する取組を行っている。
Q大越委員 高校OPENプロジェクトは、本道が有する様々な課題を乗り越え、活力あふれる地域を創造するための人材を図る上で極めて有効な取組と考える。
プロジェクトの成果について伺う。
A唐川課長 取組の成果について。15校の研究指定校や4校の奨励校において、地域とのかかわりの中で、地域みらい連携会議を通して地域の大人と協働し課題解決に向けた実践研究に取り組んだことによって、生徒が地域社会の一員として主体的に行動しようとする意欲や、積極的に地域に貢献しようとする意識の醸成が図られたほか、地元への興味・関心の高まりや地域の産業への理解が深まるなどの成果がみられた。
また、最終年度となる本年度は、10月に指定校が一堂に会する全道ミーティングを開催し、道内の高校へインターネットで同時配信しながら、生徒による成果発表や地域向けプロモーションビデオを上映したほか、生徒同士のグループ協議において、互いの地域の課題解決の取組について情報交換を行った。
参加した生徒のアンケート結果では、「各学校の発表を聞いて、自分たちの活動にも取り入れたいと思った」「新しいアイデアを聞いて、たくさんの刺激をもらうことができた」などの評価を受けており、本事業の取組によって、地域の活性化に向けた意欲の一層の向上につながったものと考えている。
Q大越委員 高校OPENプロジェクトは、本年度をもって3年間の実施期間が終了する予定と承知している。道教委は今後、本事業の成果をどのように生かし、地域を守り支える人材の育成を図っていくのか、その方向性を伺う。
A小玉教育長 地域を支える人材の育成について。これまで実施してきた高校OPENプロジェクトでは、高校生が地域の大人と協働して主体的に地域の課題解決に取り組んだことで、地元への興味・関心が一段と高まったものと認識している。
事業終了後も、その成果発表や地域向けプロモーションによって広く紹介するなどして、事業成果の普及を図るとともに、各指定校が培ってきた地域との絆をより強め、これまでの取組を一層充実・発展させることとしている。
さらに、指定校以外の学校においても、学校と地域が一体となって取組を推進していくことができるよう、地域みらい連携会議を土台に、これまでの学校を基点とした学習プロジェクトの企画推進に加え、地域の行政機関やコミュニティ、地場産業などと持続可能な連携・協働体制を構築するなど、地域を主体的に支えようとする意欲と資質・能力を備えた若者たちの育成に努めていく。
O大越委員 持続可能な連携・協働体制を構築して、地域を支える人材の育成をしっかり取り組んでいくとのことなので、今後もしっかりと取り組んでいただけるよう強く求める。
◆ふるさと教育充実について
Q大越委員 これからの北海道を担う子どもたちに、自分たちの生まれ育った郷土を愛し、発展させていこうとする気持ちや態度を育むためには、本道の自然や文化、観光、産業などの教育資源を活用した学習や、北方領土やアイヌの歴史や文化などに関する学習など、ふるさと教育を充実させることが重要と考える。
道教委のこれまでの取組について伺う。
A川端課長 ふるさと教育について。子どもたちが本道の自然や歴史、産業などについて学ぶことは、ふるさと北海道への愛着や誇りを育むとともに、地域社会の将来を担う一員としての資質や能力を育成する上で重要であると考えている。
このため、道教委では、「アイヌの人たちの歴史と文化等」「北方領土」「観光」を学習テーマとして、実践校が地域の教育資源を活用した体験活動などに取り組む道ふるさと教育・観光教育等推進事業を実施し、実践校の取組をまとめた事例集のウェブサイトへの掲載や交流会の開催などを通して事業成果の普及を図るなど、ふるさと教育の充実に努めている。
Q大越委員 ふるさと教育を進めていく上で、事業の学習テーマの一つにもなっているアイヌの歴史や文化について正しく理解することは大変重要と考える。
7月に民族共生象徴空間ウポポイがオープンし、道内の学校においても、ウポポイを活用した学習を行うことが効果的であると考える。道教委の見解を伺う。
A小松局長 ウポポイの活用について。道教委では、アイヌの歴史や文化等に関する学習の充実を図る上で、アイヌ文化の復興などを目的として設立されたウポポイを活用することは大変意義あるものと考えており、これまでも、知事部局と連携して、パンフレットや学習プログラムを周知するとともに、本年度については、小・中学校の修学旅行に当たって、ウポポイを含め本道の歴史・文化について学びを深める機会とするよう、市町村教委に提案した。
今後は、ウポポイを活用した優れた実績事例を取りまとめてウェブサイトに掲載するなどして、道内の学校において、こうした博物館を活用して主体的・対話的で深い学びの実現が図られるよう取り組んでいく。
◆ふるさと納税活用について
Q大越委員 平成20年度の地方税法等の改正を受けて、本道でも、ふるさと納税を活用した取組を同年度からスタートしており、地域政策推進事業や北海道150周年事業などに活用されている。
道教委でも、元年9月から道立学校における取組を対象としたふるさと納税の募集をはじめ、2年度から事業を開始している。
道教委がふるさと納税による寄附を活用して事業を実施することに至った経緯や事業の仕組み、概要はどのようになってるのか伺う。
A新免課長 道立学校ふるさと応援事業について。本事業は、ふるさと納税制度活用の全国的な機運の高まり等を踏まえ、本道においても本制度を活用し、北海道の次代を担う人材を育成するため、各学校が企画する教育環境整備などの事業計画や、国際交流によるグローバル人材育成の充実を図る交換留学等を応援する仕組みとして、元年9月から展開しているものである。
本事業に賛同し寄附していただいた方のうち、寄附者が応援したい学校を指定する場合には、寄附額の2分の1をその学校の教育活動の充実に、2分の1は全道の道立高校生を対象とした留学機会の拡大に、また、寄附者が特定の学校を指定しない場合には、全額を留学機会の拡大に活用させていただくこととしている。
こうして、11月までに学校を指定していただいた寄附が、各学校が希望する事業計画の目標額に達成した場合に、翌年度の当初予算において必要な事業費を措置できる仕組みとしている。
Q大越委員 元年途中からの取組という制約はあるが、どれくらいの寄附が寄せられたのか。また、道立学校ふるさと応援事業では、応援したい学校の教育活動や教育環境の充実に充てられたとのことであるが、何校から計画が寄せられ、実際に何校で取組が始まっているのか、寄附の状況などに対する道教委の受け止めと併せて伺う。
A新免課長 寄附の状況などについて。元年度は、総額では元年9月の募集から2年3月までに363万8986円の寄附金をいただいた。この中で、寄附を活用した事業計画を公表した66校に対して寄附をいただいたものが294万8986円であった。
このうち、先進の工業技術に対応できるよう、レーザー加工機の整備等を行いたいという事業計画を出していた1校が目標額に達したことから、この学校を選定し、10月、この機械を活用し、100周年記念事業の記念品を製作した。
なお、ほかの学校については、いただいた寄附を3年を限度に繰り越せることとしていることから、今後、寄附金が目標額に達した時点で順次実施していく見込みである。
これからも数多くの学校でこの事業を活用し、特色ある取組を展開するためには、事業の一層のPRが必要であり、今後とも、引き続き事業の周知を図り、道内外の様々な方々による応援の輪を広げていく考えである。
O大越委員 非常に良い取組だと思うので、しっかりPRしていただけるよう求める。
Q大越委員 道立学校ふるさと応援事業では、学校は寄附者の学校に対する思いをしっかりと受け止め、計画した取組に生かしていく必要があるが、当初予算編成時のみの対応では、適時に取組に着手できないケースや、最大3年間とされている寄附の状況によっては、学校での取組が困難なことも懸念される。
学校への寄附金の状況と適切な取組時期をマッチングするためには、状況に応じて補正予算での対応も必要になるし、計画に必要な目標額と学校への寄附金に大きな隔たりがある場合には、計画の変更なども必要になると考える。
寄附者の思いや学校の意欲をしっかりと受け止め、道立学校ふるさと応援事業を推進するため、道教委は今後、どのように取り組んでいく考えなのか伺う。
A志田部長 今後の取組について。事業の推進に当たっては、1校でも多くの学校が実施計画を適切なタイミングで効果的に実施できるよう、目標額の達成時期に応じた柔軟な対応や、学校に対し寄附額に応じた実施計画変更を働きかけるとともに、各学校が希望する計画のPR動画や、寄附によって実現できた取組を様々な媒体で配信することなどを通じて、成果を広く周知していきたいと考えている。
道教委としては、これらの取組を通じて、卒業生をはじめとする多くの方々の学校に対する期待や、それに応えるべく学校の創意工夫によって生徒一人ひとりが感謝の気持ちをもちながら自己実現を果たし、ひいては北海道の未来を担う人材として成長できるよう、事業推進に全力で努めていく。
D大越委員 素晴らしい取組だと思う。高校の同窓会との広がりをもたせる効果的なツールだと思うので、それを土台にして、一人でも、1校でも多くの取り組みを広めていただきたいと強くお願いする。
Q大越委員 青少年国際交流加速化事業は、姉妹友好提携地域との高校生の交換留学などの機会を拡大し、国際交流の充実を図るものであるが、本年度からの実施に向けて、関係国・地域との協議を進めるための経費が元年度措置されている。
元年度は、どのような取組が行われ、2年度の事業にどう生かされてるのか伺う。
A塙課長 青少年国際交流加速化事業について。道教委では、これまで、カナダのアルバータ州、アメリカのハワイ州と高校生の交換留学などの交流を実施してきており、2年1月にはハワイ州との間で、道教委としては初めて、海外の行政機関と教育分野における協力に関する覚書を締結した。
また、交流地域を拡充するため、本道とつながりの深いニュージーランドやオーストラリアのタスマニア州、アメリカのマサチューセッツ州、ロシアのサンクトペテルブルグ市、中国の北京市といった5つの国や地域に幹部職員が訪問し、教育行政機関同士の覚書締結や生徒交流の内容などについて、関係機関の代表者と協議し、マサチューセッツ州を除く4つの国や地域との間で、交流実現に向けた具体的な準備を進めることに合意した。
これらの国々とは、本年度もオンラインなどによって協議を継続しており、11月16日には、ニュージーランドと覚書を締結することとしている。
Q大越委員 せっかく計画した国際交流事業が新型コナウイルス感染症の影響で海外との往来が制限され、高校生が海外を訪問することも受け入れることも困難な状況に置かれている。
これまで、どのように対応しているのか、今後の見通しと併せて伺う。
A塙課長 新型コロナウイルス感染症の影響などについて。道教委では、本年度から新たにニュージーランドやサンクトペテルブルグ市など4つの国や地域と交換留学などの交流を行うこととしていたが、現在、新型コロナウイルス感染症の影響によって、これらの国や地域との出入国等が制限されており、往来再開を見通すことは困難な状況にある。
そのため、道教委では、生徒同士がICTを活用して、それぞれの学校生活や地域の文化を紹介し合ったり、例えば、環境問題や食糧問題などのテーマについて、ディスカッションしたりするなどの取組を検討しており、2年7月および10月には、札幌国際情報高校とサンクトペテルブルクの583番学校との間で、生徒がオンラインで琴やバラライカなどの演奏などを通して交流を深めた。
なお、その他の国や地域とも、ICTを活用した交流を実施できるよう、先方と協議しており、年度内には、オーストラリアのタスマニア州との間で開催する予定である。
O大越委員 様々な国との交流をオンラインで開始しているとのことであるから、今後も、その取組を広げていただきたいと思う。
Q大越委員 本道の将来を担うグローバル人材の育成に向けて、高校生が海外の方々から刺激を受けて成長できる交流の機会を確保しながら、国際交流を一層推進していくことが、これからのグローバル社会では重要である。
支援を受けた生徒が多くの方々の応援を身近に感じて海外を訪問した経験や、来道した外国人生徒との交流の場面を発信することで、寄附者が事業を応援したことを実感するなど、誰もがふるさと納税制度を通して、この事業を応援し、国際交流の一端を担うことができることに意義があると考える。
趣旨や目的の周知はもとより、交流の様子をしっかりと伝えて制度の活用を図っていくことや、ウィズコロナの状況の中での高校生の国際交流機会の創出が求められる。道教委は、今後、どのように取組を進めていく考えなのか伺う。
A小玉教育長 今後の取組について。道教委では本年度、新たに国際交流に関するポータルサイトを立ち上げ、各種事業の内容や参加した生徒の感想などを掲載するほか、海外の生徒との交流場面の動画をSNSで発信するなど、周知方法の改善に努めており、今後も、ふるさと納税をはじめ応援の輪が一層広がるよう、より積極的に情報を発信していく。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で往来ができない状況にあっても、世界の潮流に目を向け、海外の人々と積極的にかかわり合いをもちたいという生徒の思いをしっかりと受け止め、交流を進めることとした国や地域と連携し、学校間のオンライン交流を推進するとともに、道内の大学に留学している学生と交流するなど、外国人とふれ合う機会を充実させることによって、コロナ禍においても、本道の高校生が海外への興味・関心を高め、将来、国際社会で活躍し、あるいは、グローバルな視点でふるさとの活性化を担う人材として成長することができるよう、国際交流施策をさらに推進していく。
O大越委員 教育長から、世界の潮流に目を向けていく生徒の思いをしっかりと受け止めるという旨の答弁をいただいた。
ウィズコロナ、アフターコロナの世界では、ビジネスの主戦場がネット空間へと移っていくことが考えられ、今後、加速度的にグローバリズムが進展していくことが考えられる。
グローバルな視点を本道の多くの子どもたちに身に付けてもらうためにも、英語教育の充実と同じく、この国際交流事業においても、しっかりと力を入れていただきたいと強く求める。
(道議会 2021-02-16付)
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