文科省　デジタル教科書在り方　児童生徒の健康に配慮　一部修正し中間まとめ

（国 2021-03-18付）

　文部科学省は、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議の中間まとめを公表した。２月にまとめた中間まとめ案から一部文言を追加・修正。デジタル教材等との連携、児童生徒の健康面への配慮など、本格導入に向け必要な事項を整理して示した。

　中間まとめは、ＧＩＧＡスクール構想によって１人１台端末の環境整備が進む中、デジタル教科書の効果的な活用に向けた今後の在り方の方向性をまとめたもの。

　デジタル教科書をめぐる状況、導入の意義、本格的な導入に向けて必要な取組を整理。

　本格導入に向けては、令和３年度の全国規模の実証的な研究を通じ改善や効果的な活用を検討する必要があるとし、学習履歴など教育データの利活用の観点も含め、デジタル教材等の効果的な連携について総合的に検討する必要性を示した。

　児童生徒の健康面への配慮では、デジタル教科書の使用時間、目と端末の距離などの留意事項を周知・徹底すべきとし、教師の指導、保護者への説明のほか、児童生徒自身が情報活用能力として習得する必要性を指摘。効果的な学習活動の実現に向けた教師の指導力の明確化、障がいのある児童生徒が効果的に利用するための指導の必要性などを挙げている。

　萩生田光一文科大臣は１６日の記者会見で、デジタル教科書の本格導入について「６年度に完全移行することは前提ではない」との考えを示した。紙の教科書が長期にわたって学校教育の基盤を支えてきたこと、一覧性に優れているなどの利点から、全国的な実証研究の成果、紙・デジタル双方のメリットやデメリットを考慮する必要性を指摘。デジタル教科書の普及促進を着実に進めることが重要とし、慎重に対応する姿勢を示した。

　文科省は、次回小学校教科書改訂となる６年度から学習者用デジタル教科書の本格導入を目指し、昨年７月に検討会議を設置し、検討を進めている。

(国 2021-03-18付)