石狩管内3年度教育推進の重点 学びをつなぐ学校実現 堀本局長 リードする気概を(道・道教委 2021-04-14付)
石狩教育局・堀本局長
石狩教育局の堀本厚局長は8日、令和3年度管内教育推進の重点を示した。「社会で活きる力の育成」「豊かな人間性の育成」「健やかな体の育成」など6点を掲げた上で、石狩教育が本道教育をリードする気概をもつよう期待した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、本年度は管内校長・教頭・主幹教諭会議をオンライン開催した。教育推進の重点はつぎのとおり。
【前年度からの変更点】
▼項目内容の変更
施策項目(施策項目番号)については2年度から変更せず、3年度も13項目を重点としているが、項目内容を1つ変更している。
2年度における目標2の「道徳教育の充実」を重点から解消し、目標1の「情報教育の充実」を追加している。
▽「道徳教育の充実」の解消
理由としては、小学校は平成30年度、中学校は31年度から教科化されたことを受け、各小・中学校においては、校内研究等で道徳科の授業改善の取組を熱心に進め、一定の成果がみられたため。
▽「情報教育の充実」を追加
GIGAスクール構想にかかわり、1人1台端末を活用した教育活動の充実を図るとともに、Society5・0時代の中で生きていく児童生徒に対し、情報活用能力や情報モラルの育成を目指す指導の充実を進める必要があると考えた。
▼推進の視点の変更
▽「学級経営の充実」の削除
義務教育指導監や指導主事による学校訪問を踏まえ、多くの学級で児童生徒に寄り添い、丁寧な指導を重ねるなど、学級経営の充実が図られている。
▽「学びの保障」の追加
前年度、新型コロナウイルス感染症による臨時休業等の措置が取られた際、リモート学習や家庭学習等の実施を進めるなど、すべての児童生徒の学びを保障することの重要性が明確になった。
▽「全教育活動を通じた自他の命を大切にする教育の充実」の追加
前年度、管内において、いじめの重大事態が複数件発生していることや、全国的に児童生徒の自殺件数が増加傾向にあることから、命を大切にする教育の充実が急務であると考えた。
【目標1 社会で活きる力の育成】
▼義務教育における確かな学力の育成
視点「見通し、振り返りの確実な位置付け」を意識した授業改善に取り組んでいただくようお願いする。
また、視点「資質・能力の明確化」については、本時のねらいを達成した具体的な児童生徒の姿(概ね満足できる状況)を想定して、日常の授業を行うなど、授業改善に取り組んでいただくようお願いする。
▼特別支援の充実
視点の「個別の教育支援計画の作成と引き継ぎ等への活用」「特別支援教育にかかる研修の実施」に、これまで以上に意識的に取り組んでいただくようお願いする。
▼国際理解教育の充実
各小学校においては、視点の「外国語科、外国語活動にかかる学級担任を中心とした指導体制の整備(小)」を、各中学校においては、視点「英検IBAの分析を踏まえた授業改善(中)」に取り組んでいただくようお願いする。
なお、推進の視点にかかわり、2年度は「全国学力・学習状況調査結果の分析」と示していたが、中学校英語は3年に一度の実施のため、3年度は「英検IBAの分析」に変更している。
▼理数教育の充実
視点「普段の生活との関連を意識した授業の充実」「観察・実験を重視する授業の充実」に引き続き取り組んでいただくとともに、「義務教育における確かな学力の育成」で示している推進の視点を踏まえ、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を推進していただくようお願いする。
【目標2 豊かな人間性の育成】
▼ふるさと教育の充実
視点「施設や人材を活用するなど体験を通した学習の実施」や、道ふるさと教育・観光教育等推進事業における学校の取組等をまとめたふるさと教育指導プログラムおよびふるさと教育・観光教育実践事例を活用するなど、ふるさと教育の充実に向けた取組を充実していただくようお願いする。
▼いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実
視点の「学校いじめ防止基本方針の見直し・実質化」にかかわり、基本方針の定期的な見直しと、方針を踏まえて児童生徒がいじめの問題等について、主体的に考える場を設定するなど、いじめの未然防止に向けた実質的な取組を推進していただくようお願いする。
▼不登校児童生徒の相談・指導の充実
引き続き、学校内外の関係機関と連携を図りながら、すべての不登校児童生徒が、専門機関等による相談・指導を受けることができるようにするなど、不登校の解消に向けた取組を進めていただくようお願いする。
【目標3 健やかな体の育成】
▼体力・運動能力の向上
視点の「新体力テストの全学年・全種目実施」に取り組んでいただくとともに、視点「体育・保健体育授業以外の学校の創意工夫による体力向上の取組の充実」にかかわり、すべての児童生徒が日常的に運動に親しむ機会を設定していただくようお願いする。
【目標4 学びを支える地域・家庭との連携・協働の推進】
▼幼児教育の充実
視点「スタートカリキュラムの実質化」にかかわり、域内の幼稚園、認定こども園および保育所ならびに小学校間の意見交換や合同研修会の機会を設定していただくとともに、スタートカリキュラムを幼稚園、認定こども園および保育所と小学校が合同で作成するなど、小学校入学時における指導を一層充実していただくようお願いする。
▼学校と地域の連携・協働の推進
視点「家庭や地域社会との連携および協働」にかかわり、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、関係者で目標やビジョンを共有する協議や熟議を行い、教育活動や地域学校協働活動の充実・活性化につなげるなど、地域とともにある学校づくり、学校を核とした地域づくりの実現に向けた取組を一層推進していただくようお願いする。
【目標5 学びをつなぐ学校づくりの実現】
▼学校段階間の連携・接続の推進
視点「小中の教育課程に関する共通した取組の充実」にかかわり、中学校区の小・中学校における教育課程に関する協議や学習・生徒指導に関する共通した取組を推進するなど、小中連携に向けた取組を充実していただくようお願いする。
▼学校運営の改善
視点「働き方改革の推進に向けた組織運営体制の改善・充実」にかかわり、教職員が児童生徒と向き合う時間の確保に向けた業務改善を進め、学校の組織運営体制の改善・充実を図る働き方改革を推進していただくようお願いする。
【目標6 学びを活かす地域社会の実現】
▼生涯学習の振興
視点の「学んだ成果を生かした社会参画の促進」に取り組んでいただくとともに、例えば、地域づくりにつながる学習活動の機会の充実や生涯学習を推進する人材育成の取組を進めていただくようお願いする。
【むすび】
本年度も引き続き、「石狩教育が北海道教育をリードする」という気概をもって、組織の要として、手腕を大いに発揮していただきくよう期待する。
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(道・道教委 2021-04-14付)
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