檜山管内3年度教育推進の重点 地域・学校 協働し取組 近藤局長 手腕発揮に期待(道・道教委 2021-04-23付)
35人が出席した
【函館発】檜山教育局は15日、江差町文化会館で管内公立学校長合同会議を開いた。管内の小・中学校、高校、特別支援学校の校長35人が出席。近藤史郎局長が令和3年度の管内教育推進の重点を説明し、オール檜山で取り組む13の重点を示した。新たに、地域と学校が連携・協働した取組の充実を設定したほか、1人1台端末の効果的な活用や働き方改革の効果的な取組などを掲げた。近藤局長は「保護者や地域住民の理解と協力を得て、地域に根ざした学校づくりに手腕を発揮してほしい」と呼びかけた。教育推進の重点はつぎのとおり。
▼重点1 主体的・対話的で深い学びを実現する授業の一層の充実
管内においては、これまでの全国学力・学習状況調査で全国平均を上回る年度もあり、すべての子どもが確かな学力を身に付ける取組が着実に推進されている。
前年度は特に、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた研修に取り組んでいただいたが、本年度は、その研修の成果を授業に生かしていただきたいと考えている。
そのため、管理職による授業参観や、オール檜山“学び合い”プロジェクトへの参加など、主体的・対話的で深い学びの実現に向け取り組んでほしい。
▼重点2 身に付けたい資質・能力を育むカリキュラム・マネジメントの充実
管内においては、全国学力・学習状況調査、ほっかいどうチャレンジテスト等各種調査の結果の分析によって、子どもたちの学力や学習状況を把握するとともに、授業評価を学期1回以上実施するなどの取組が推進されている。
一方、各種調査結果の分析によって、明確になった課題についての改善策の検討が十分とは言えず、組織的に教育課程や授業の改善につなげる取組を進めることが必要である。
そのため、各種調査結果を踏まえた成果や課題等に対する組織的な要因分析など、身に付けたい資質・能力を育むカリキュラム・マネジメントの充実に向けて取り組んでほしい。
▼重点3 スタートカリキュラムの内容の充実に向けた幼児教育施設と小学校間との連携強化
管内においては、すべての小学校でスタートカリキュラムが幼児教育施設との合同で作成され、また、幼小間の授業参観も実施されるなど、幼小間の円滑な接続に向けた取組が実施されているが、前年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、幼小合同での研修会を実施することが多くの町でかなわなかった。
そのため、本年度は、教育課程の編成なども含め、幼児教育施設と小学校との連携強化を図ってほしい。
▼重点4 バランスの取れた英語力の育成
管内においては、小学校の外国語活動等で中学校教員が乗り入れ、より専門的な授業が展開されているとともに、小・中・高校英語教育支援事業によって小・中学校および高校10年間の系統的な英語教育の指導体制を整備するなどの取組が推進されている。
しかし、前年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、英語deトライ、Englishトライアルなどの活動や英会話を取り入れた授業を行うことが難しい状況にあった。
そのため、本年度は児童生徒が自分の考えや気持ちを伝え合う言語活動の充実を含め、バランスの取れた英語力の育成を図ってほしい。
▼重点5 不登校の早期発見・早期対応に向けた取組の充実
管内においては、各学校で、不登校児童生徒に対して、児童生徒理解・支援シート等をもとに情報共有し、支援の進ちょく状況に応じて内容を見直すなど、継続したきめ細かな支援に努めていただいている。
一方、新型コロナウイルス感染症対策に伴う限られた生活の中において、児童生徒がストレスを抱えながら学校生活を過ごしている状況が考えられる。
そのため、ストレスマネジメント教育などを行い、不登校の早期発見・早期対応に向けた取組の充実を図ってほしい。
▼重点6 児童生徒が安心して過ごすための情報モラル教育の充実
管内においては、すべての学校において定期的にネットパトロールを行うなど、インターネット上のトラブルから児童生徒を守る取組が推進されている。
また、GIGAスクール構想の実現に向けて1人1台端末が活用されるなど、今後は児童生徒がインターネット等を活用する機会が増えることから、情報モラル教育の充実に向けた取組を引き続き行うとともに、学校・家庭における児童生徒のネット利用にかかるルールづくりなどが必要である。
そのため、児童生徒が安心して過ごすための情報モラル教育の充実を図ってほしい。
▼重点7 子ども一人一人の実態に応じた特別支援教育の充実
管内においては、すべての学校で、特別支援学級に在籍する児童生徒の個別の教育支援計画を活用した進学先への引き継ぎが実施されるなど、必要な情報共有を図る取組が推進されている。
一方、通常学級にも個別の教育的支援を必要とする児童生徒が在籍していることから、すべての教員の専門性向上が求められている。
そのため、子ども一人ひとりの実態に応じた特別支援教育が推進されるよう、専門性向上に向けた研修会への参加や研修内容を踏まえた教育的支援の充実に向けて取り組んでほしい。
▼重点8 地域と学校が連携・協働した取組の充実
管内においては、各地域において郷土学習を中心とする、ふるさと教育が活発に推進されたり、各校種が連携したキャリア教育が推進されたりしている。
一方、地域全体で未来を担う子どもたちの成長を支えていくためには、これまで小・中学校を中心に進めてきた地域学校協働活動に高校の取組を含めて、地域と学校が連携・協働して体制を構築していくことが求められている。
そのため、地域や企業等との連携・協働によるふるさと教育・キャリア教育の充実などを進めてほしい。
▼重点9 GIGAスクール構想の実現に向けた1人1台端末の効果的な活用
管内においては、GIGAスクール構想の実現に向けた1人1台端末の整備が完了しているが、3年度からは、デジタル教科書も含め、こうした端末を実際に活用した授業を行っていくことが求められている。
そのため、すべての教員による1人1台端末を活用した授業など、GIGAスクール構想の実現に向けた取組を進めてほしい。
▼重点10 初任段階教員の授業力の向上
管内においては、3年度は新たに小学校教諭8人、中学校教諭8人、養護教諭4人、高校教諭1人、特別支援学校教諭2人の計23人が採用されており、初任教員の授業力の向上が喫緊の課題となっている。
そのため、管理職等による日常的な指導助言や研修など、初任段階教員の授業力の向上に向けた取組を進めてほしい。
▼重点11 学校における働き方改革「北海道アクション・プラン(第2期)」に基づく取組の着実な実施
管内においては、北海道の学校における働き方改革手引『Road』に基づき、すべての職員の在校等時間の客観的な計測・記録の実施、状況の分析や、在校等時間の縮減の取組が実施されている。
一方、平成30年に策定された学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」に掲げる目標の達成には至っていない状況にある。そのため、『Road』に基づく取組を着実に進めてほしい。
▼重点12 教職員の不祥事の根絶に向けた、職員研修や個人面談の実施
管内においては、前年度、すべての学校で全体の職員研修や個別研修が実施されている。
元年度は管内で4件の懲戒処分があったが、2年度の懲戒処分はなかった。
このような状況を維持していくため、引き続き、教職員の不祥事の根絶に向けた、職員研修や個人面談の充実を図ってほしい。
▼重点13 新型コロナウイルス感染防止に向けた万全な体制の構築
新型コロナウイルス感染症への対応が続く中、安全、安心な教育を推進することが求められている。
今後も、感染防止に向けた取組を継続していただくとともに、いかなる状況においても児童生徒の学びを止めないための体制を整備してほしい。
▼むすびに
以上、年度始めに当たり、本年度の管内教育推進の重点の概要を話したが、皆さんには、管内教育推進の重点の内容について理解いただき、教職員の総力を結集し、保護者や地域住民の理解と協力を得て、地域に根ざした学校づくりに手腕を発揮するようお願いしたい。
教育局としても、各学校の取組への一層の支援に加え、個々の課題の解決に向け、全力で支援していく。
檜山の未来を拓く子どもたちの育成に向け、学校・家庭・地域・行政との緊密な連携のもと、管内教育の推進に取り組んでいく。
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(道・道教委 2021-04-23付)
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