いじめ事案 旭川市教委が会見 より丁寧な取組進める 遺族との連絡調整等で
(市町村 2021-09-02付)

いじめ問題進捗に関する記者会見
経過を説明する黒蕨教育長

 【旭川発】旭川市教委は8月30日、いじめの重大事態の進ちょくにかかわる記者会見を開いた。第三者委員会である市いじめ防止等対策委員会の調査状況と市教委の取組状況を報告。黒蕨真一教育長は、遺族との連絡調整をあらためてルールづくりに取り組むなど、より丁寧な取組が必要との認識を示した。

 市教委は、ことし3月に市立中学校に在籍する女子生徒が亡くなった事案を重大事態と認定。いじめ等の有無などを調査するため、5月21日に1回目となる市いじめ防止等対策委員会を開いた。弁護士、小児科医、大学教授、臨床心理士など委員5人と臨時委員6人の11人で構成。8月13日までに6回開催した。

 8月18日に、遺族による「調査に関する情報共有が極端に少ない」との内容が記載された手記が公開されたことを受け、遺族との情報共有の在り方等について20日に市長から要望、26日には文部科学省・道教委から指導助言を受けている。

 冒頭、黒蕨教育長は、「当初から遺族の意向に配慮して調査を進めてきた」と強調した上で、「今後も遺族の意向に配慮し、一日も早く真相を明らかにするとともに、再発防止の徹底に努める」とした。

 続いて品田幸利学校教育部長が委員会の開催状況について説明。委員選任の都度、代理人を通じ遺族から了承を得ていることや、第3回委員会で遺族から要望を聴取するなどのやり取りを行ったことを伝えた。

 また、市教委におけるいじめ防止にかかわる取組状況について紹介。いじめ防止への取組については、5月中に全小・中学校でいじめにかかわるアンケートや、校内研修、道徳科の授業、全児童生徒を対象とした教育相談を実施していることや、9月に管理職・教諭などを対象としたオンデマンド形式の研修会を開く予定などを伝えた。

 情報共有の在り方に遺族が不信感を抱いていることについて、黒蕨教育長は「委員会で遺族との連絡調整の在り方のルールづくりなどに取り組むなど、できるだけ不信・不安の払しょくに努めたい」と述べ、より丁寧に取組を進めていく考えを示した。

 委員会では現在、関係者への事情聴取やアンケートの実施には至っておらず、実施のスケジュール、結果公表の時期は未定となっている。

(市町村 2021-09-02付)

その他の記事( 市町村)

北見市教委が手引き 組織的な受入体制を 外国人児童生徒教育で

 【網走発】北見市教委は、『誰ひとり取り残さない~帰国・外国人児童生徒教育の手引き』を作成した。帰国・外国人児童生徒の受け入れなどに関する留意点、日本語指導の実践例などを紹介。組織的な受け入...

(2021-09-15)  全て読む

名寄で統合・魅力化推進委合同会議 高校生が市民らと対話 新設校のコンセプト考案

名寄統合に向けた合同拡大会議  【旭川発】名寄市内の駅前交流プラザよろーなで8月上旬、第1回統合推進委員会・市内高校魅力化推進委員会合同拡大会議が開かれた。令和5年度に名寄高校(鈴木究校長)と名寄産業高校(坂野裕悦校長)...

(2021-09-13)  全て読む

石狩市教委 小・中校則の見直しで通知 具体的手順など例示 大幅改訂の際は保護者説明を

 石狩市教委は8月30日、小・中学校における校則の積極的な見直しに関する通知を発出した。生徒総会や学級審議の設定など、児童生徒が主体的に意見でき、定期的な見直しを図ることができる具体的な手順...

(2021-09-06)  全て読む

江別市教委がGIGAスクールで サポーター2人追加 補正予算で4人体制に

 江別市教委は、市内小・中学校25校を巡回するGIGAスクールサポーターを2人追加する。第3回定例市議会に提出した補正予算案に、追加配置にかかる経費702万円を措置。10月ころから、4人体制...

(2021-09-06)  全て読む

函館市教委 不登校生徒支援事業 新たにICT活用し学習 モニター校 巴中と五稜郭中

 【函館発】函館市教委は本年度から、不登校などの生徒に対するICTを活用したモデル事業を開始する。巴中学校(佐藤雅博校長)と五稜郭中学校(木村雅彦校長)をモニター校に設定。定期テストや単元テ...

(2021-09-06)  全て読む

リポート 石狩管内 夏季休業中の端末持ち帰り 調理実習・健康管理など 2学期以降 円滑な活用見据え

リポート・石狩管内夏季休業中の端末持ち帰り  国のGIGAスクール構想によって、小・中学校における1人1台端末の配備が進む。各市町村が、端末の家庭への持ち帰りルールづくりなど、使用環境の整備に知恵を絞る中、石狩管内では夏季休業期間中に...

(2021-08-31)  全て読む

江別市教委 小中一貫で北翔大と連携 5年度全校導入へ研究 ICT活用優良事例を調査

 江別市教委は本年度、北翔大学と連携し、令和5年度の市内全校への小中一貫教育導入に向けて研究を開始する。同大教育文化学部の横山光教授の協力のもと、学びの連続性に着目し、小中一貫教育における有...

(2021-08-26)  全て読む

旭川市中連と市教委 Actサミット 差別のない学校へ協議 コロナ禍のいじめ未然防止

旭川市中連・市教委Actサミット  【旭川発】旭川市中学校連盟と旭川市教委は7月下旬、旭川市民文化会館で生活・学習Actサミットを開いた。市内中学校27校から生徒会役員60人が参加し、「コロナ禍におけるいじめの未然防止」をテ...

(2021-08-25)  全て読む

北広島市3年度教育行政執行方針 小中一貫教育 全国サミット11月配信 教育環境等 多角的に検討

北広島市吉田孝志  北広島市教委の吉田孝志教育長は、20日開会の第3回市議会定例会で令和3年度教育行政執行方針を説明した。小中一貫教育全国サミットin北広島について、新型コロナウイルス感染防止の観点から、オン...

(2021-08-25)  全て読む

縄文ガイド本100冊届く 帯広市 市内小・中、南商に配布

帯広市に縄文遺跡ガイドブック寄贈 縄文ガイド本100冊届く 帯広市 市内小・中、南商に配布  【帯広発】帯広市は17日、市内の建設会社・宮坂建設工業(株)からガイドブック『北海道・北東北の縄文遺跡群を旅するガイド』の...

(2021-08-25)  全て読む