北見市教委が手引き 組織的な受入体制を 外国人児童生徒教育で(市町村 2021-09-15付)
【網走発】北見市教委は、『誰ひとり取り残さない~帰国・外国人児童生徒教育の手引き』を作成した。帰国・外国人児童生徒の受け入れなどに関する留意点、日本語指導の実践例などを紹介。組織的な受け入れ体制の構築、国際理解教育の観点に立った教育活動の重要性などを示している。
文部科学省が作成した『外国人児童生徒受入れの手引き』によると、日本語指導が必要な外国人児童生徒数は平成28年に3万4335人。5年の1万450人から大幅に増加している。
北見市も例外ではなく、帰国・外国人児童生徒が年々増加傾向に。ことし5月末現在で12人が市内小・中・義務教育学校に在籍している。市教委は、こうした児童生徒の受け入れ体制の整備や日本語指導、学校生活への適応指導充実が喫緊の課題ととらえている。
令和2年度から日本語指導を担う教員が1人加配されているが、今後の配置状況や加配教員がもつ専門性によっては、同様の指導体制を維持することが困難な可能性もある。
教員が外国人児童生徒等に関する課題を一人で抱え込み、孤立してしまうことのないよう、組織的な対応が一層望まれることから、帰国・外国人児童生徒の受け入れや指導に関する留意点などをまとめた手引きを作成した。
手引きは、①北見市に住む外国籍の人々②帰国・外国人児童生徒の受け入れ③学校・学級経営④日本語指導⑤様々な対応―で構成。
②では、新1年生や転入生を迎える際のポイントを紹介。入学説明会では、外国人の保護者に対し、通訳の同席、別途説明機会の設定などの対応を可能な限り講じ、丁寧な情報提供を心がけるよう求めている。
中学1年生を受け入れる際は、児童生徒の日本語能力や学習状況、家庭環境などについて小学校と情報交換する重要性を示している。
③では、学級担任や日本語指導担当教員の役割、家庭との連携などについて説明。学校の役割として、学校全体で受け入れ体制を構築する重要性を強調。校務分掌に外国人児童生徒教育を位置付けるなど、組織的な対応を推奨している。
また、国際理解教育の観点に基づく取組についても明記。外国人児童生徒教育を学校課題への対応ととらえるのではなく、異なる文化をもつ児童生徒が在籍している意義・効果を踏まえて取り組むことを求めている。
④では、元年度に日本語指導を担当した東相内小学校の小川久美子教諭の実践例や教材例などを紹介している。
⑤では、不登校や不適応症状への対応、進路指導、就職指導のポイントを示している。慣れない環境でのストレスなどによって、体調不良、粗暴な行動、寡黙などの行動がみられた場合には、丁寧に話を聞くこと、学級内での仲間づくりを意図的に計画する必要性を指摘。音楽科の授業を通した仲間づくりの実践例などを紹介している。
(市町村 2021-09-15付)
その他の記事( 市町村)
釧路市教委 学力向上セミナー 授業改善 ポイント理解 推進委の提案授業視聴等
【釧路発】釧路市教委は9月中旬、釧路教育研究センターで学力向上セミナーⅡ・中学校をオンライン形式で開催した。受講対象者は、教務主任や教科部会代表教諭(国語、数学)で、全中学校から18人がリ...(2021-10-05) 全て読む
紋別市教委 全国学力調査結果・速報版 小学国語 全道平均超 中学国語 平均値との差縮小
【網走発】紋別市教委は、本年度全国学力・学習状況調査結果(速報版)を公表した。小学校では、国語の平均正答率が全道平均を上回る64%、算数でも全道平均並みの結果となった。市教委は「調査開始以...(2021-09-30) 全て読む
福島町教委が福島商業高を支援 端末導入へ機材貸与 来年度当初予算計上へ準備
【函館発】福島町教委は、福島商業高校(太田和浩校長)における1人1台端末導入に当たり、機材貸与を検討している。全国からの生徒募集に向けた取組の一環で、卒業時には生徒に授与する方針。小野寺則...(2021-09-21) 全て読む
地学協働活動3校区をモデル地域に 年度内に地域本部設置 旭川市教委 活動検証し取組拡大へ
【旭川発】旭川市教委は、地域学校協働活動のさらなる推進を目指し、地域学校協働本部を設置する。旭川中学校区、神楽中学校区、春光台中学校区の3地域をモデル地域に選定。年度内にモデル地域に本部を...(2021-09-17) 全て読む
乙部町教委 町全体で英語力向上 全小6生に英検ESG 教員加配で系統性ある指導
【函館発】乙部町教委は町全体の英語力向上に力を入れている。小学校での中学校教員による乗り入れ授業のほか、小学校英語専科教員を加配。小・中学校教員の系統性のある指導体制を構築している。今後、...(2021-09-16) 全て読む
名寄で統合・魅力化推進委合同会議 高校生が市民らと対話 新設校のコンセプト考案
【旭川発】名寄市内の駅前交流プラザよろーなで8月上旬、第1回統合推進委員会・市内高校魅力化推進委員会合同拡大会議が開かれた。令和5年度に名寄高校(鈴木究校長)と名寄産業高校(坂野裕悦校長)...(2021-09-13) 全て読む
石狩市教委 小・中校則の見直しで通知 具体的手順など例示 大幅改訂の際は保護者説明を
石狩市教委は8月30日、小・中学校における校則の積極的な見直しに関する通知を発出した。生徒総会や学級審議の設定など、児童生徒が主体的に意見でき、定期的な見直しを図ることができる具体的な手順...(2021-09-06) 全て読む
江別市教委がGIGAスクールで サポーター2人追加 補正予算で4人体制に
江別市教委は、市内小・中学校25校を巡回するGIGAスクールサポーターを2人追加する。第3回定例市議会に提出した補正予算案に、追加配置にかかる経費702万円を措置。10月ころから、4人体制...(2021-09-06) 全て読む
函館市教委 不登校生徒支援事業 新たにICT活用し学習 モニター校 巴中と五稜郭中
【函館発】函館市教委は本年度から、不登校などの生徒に対するICTを活用したモデル事業を開始する。巴中学校(佐藤雅博校長)と五稜郭中学校(木村雅彦校長)をモニター校に設定。定期テストや単元テ...(2021-09-06) 全て読む
いじめ事案 旭川市教委が会見 より丁寧な取組進める 遺族との連絡調整等で
【旭川発】旭川市教委は8月30日、いじめの重大事態の進ちょくにかかわる記者会見を開いた。第三者委員会である市いじめ防止等対策委員会の調査状況と市教委の取組状況を報告。黒蕨真一教育長は、遺族...(2021-09-02) 全て読む