第73回全国造形教育研究大会北海道大会第70回全道造形教育研究大会札幌大会 分科会概要⑧高校(札幌市 2021-10-20付)
【研究概要】
▼研究テーマ=「クリエイティブマネジメント・表現と言語化」普通科デザインアートコース専門科目・「素描」の授業実践から
▼発表者=千葉有造教諭(市立札幌平岸高校)
通年で静物モチーフを中心にデッサンに取り組み、専門的な技法の理解にとどまらない表現を模索する。
見たものをそのまま描くだけではなく、自分自身の目標・課題を設定しながら連続性のある制作を目指す(2年生)。
視点①「もっと!」を生み出す教材化
鉛筆各種、木炭やチャコールペンシル、マーメイド紙など、初めて使用する画材を豊富に用意。モチーフ描写題材で、それぞれの子が独自に工夫できる題材であることを意識した。
【評価規準】
▼知識および技能
〈知〉
素描に適した表現材料の特性を理解している。
〈技〉
対象を深く観察したことをもとに、表現を工夫して的確に表している。
▼思考力・判断力・表現力等
〈発〉
対象のイメージや空間を把握し、創造的な表現の構想を練っている。
〈鑑〉
作品の主題や表現の意図、形体や色彩、材料感などの描き方の工夫や表現材料の活用を考察し、見方や感じ方を深めている。
▼主体的に学習に取り組む態度
〈態表〉
主体的に対象を見つめ、考察を深めたり、表現材料などを研究し、取り入れたりしようとしている。
〈態鑑〉
スケッチのもつ記録性や伝達性など、生活や社会とのかかわりについて理解し、鑑賞の活動に取り組もうとしている。
【活動構成】
「この子」
▽前半は複数の生徒の学習概況と、振り返りシートのバリエーションを中心に、対象授業全体の中での変化を考察する
▽Aさん・Bさんの実際の制作を通年の作品と振り返りシートをたどりながら紹介する
▽技術的な成長も顕著であるが、今回はそれぞれの振り返りシートを中心に、造形用語の習熟と分析能力の伸長にスポットを当てていく
▽表現と言語化が密接に関係しながら課題解決を模索する姿、対象を深く観察するという行為の美術的な価値や自身の美術制作、高校生特有の進路意識との関係性にも注目したい
視点②「もっと!」が連続する活動構成
▼課題1「ボックスティッシュ・スプレー」
▽B4画用紙、鉛筆
▽構図、遠近法
▼課題2「ワインボトル・テニスボール」
▽A3画用紙、鉛筆
▽明暗(陰影・投影)モチーフの構造
▼課題3「両腕・ロープ」
▽B3画用紙、鉛筆
▽構成力、空間表現、骨格の理解
▼課題4「石膏像(アリアス模写)」
▽木炭紙、木炭
▽木炭の描画特性、諧調
▼課題5「自画像」
▽木大画マーメイド紙(グレー)、鉛筆、黒チャコ・白チャコ
▽自画像に込める精神性、用具の工夫
視点③「もっと!」をつなげるための自他の変容をとらえる振り返り
【振り返りシート】
①感想シート②グループミーティング③付せんによる相互評価④作品コピーへの相互添削⑤レーダーチャート自己分析⑥他者評価を参考に自己評価―によって専門的な造形用語を学習し、作品への理解と分析を進めていくことで自身の課題と目標を明らかにしていく。漠然とした「よい・悪い」ではなく、自分自身で制作をマネジメントできるよう課題設定の成長を期待する。
視点④「もっと!」を高めるための学習評価の工夫
【一人ひとりへの声かけ】
初期段階では技術的アドバイスを中心に声かけを行い、徐々に個別の課題意識喚起を目的にした問いかけを心がける。
【実践を振り返って】
▼具体的な「できた・できなかった」を専門的な用語を使用して理解することで、つぎの作品への課題と目標が明確になった
▼技巧主体の指導を避けているため、通年での習熟差を埋めていくのが難しい
▼デッサン力の向上が美術作品制作の質を高めていくという関連性を、カリキュラム全体の中で感じられるよう配慮することが不可欠
(札幌市 2021-10-20付)
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