全国学力・学習状況調査の結果公表　中学校　全国との差縮む　千歳市教委　論理的思考など課題

（市町村 2021-11-25付）

千歳市の令和３年度全国学力・学習状況調査結果（クリックすると拡大表示されます）

　千歳市教委は、令和３年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。小学校の国語・算数、中学校の国語・数学ともに全国平均を下回った。市教委は、記述式問題における論理的思考や表現力を課題に挙げている。

　本年度の調査は、市内小学校１６校の６年生８１２人、中学校８校の３年生７８７人を対象に実施した。

　教科に関する調査をみると、小学校では、国語、算数ともに全国平均を下回った。国語については、前回、全国との差を０・４ポイントに縮めたが、今回は、２・３ポイントに広がった。領域別では、「話すこと・聞くこと」が前回を上回り、全国との差を縮めた。算数については、前回、全国との差を３・２ポイントに縮めたが、今回は、３・６ポイントに広がった。領域別では、「数と計算」「図形」が前回を下回り、全国との差が広がった。

　中学校では、国語、数学ともに全国平均を下回った。国語については、前回、全国との差が５・０ポイントに開いたが、今回は２・７ポイントに縮めた。領域別では、「書くこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」が前回を上回り、上昇傾向にある。数学については、前回、全国との差が５・４ポイントに開いたが、今回は３・５ポイントに縮めた。領域別では、「数と式」「関数」「資料の活用」が前回を上回り、全国との差を縮めた。特に、前回、激しく落ち込んだ「関数」は４年前とほぼ同様の状況に回復し、「資料の活用」は過去４年間で最高の成績となった。

　市教委は、記述式問題の正答率に関して、論理的に考える力や表現力の育成が課題などと分析している。

　児童生徒質問紙調査をみると、小学校では、国語の学力調査において「すべての書く問題で解答を書こうと努力した」と回答した割合は全国平均を上回った。市教委は「記述問題の回答率を高める取組の成果が表れている」と分析。

　中学校では、数学に関して「授業の内容はよく分かる」「将来社会に出たときに役に立つ」と回答した割合が全国とほぼ同様となっており、市教委は「数学の学習に有用性を感じる生徒が増えている」とした。

　学校質問紙調査をみると、「ＩＣＴを活用した授業を１クラス当たりどの程度行ったか」という質問に対し、「ほぼ毎日」と回答した割合は小学校が１００％、中学校が８７・５％と、小中ともに全国を大きく上回った。市教委は「今後、通常の授業のみならずオンライン授業でのより効果的な活用方法等について校内外での研修を充実させ、授業改善に生かす取組を進めることが大切」としている。

(市町村 2021-11-25付)