附属旭川幼が教育研究大会開く 意図的に働きかけ工夫 3~5歳児の保育公開
(学校 2021-12-02付)

附属旭川幼教育研究大会
協力して積み木で大きな船をつくる5歳児

 上川管内国公立幼稚園教育研究会主任研究会を兼ねて開催。新型コロナウイルス感染症対策で人数を制限し、同園職員ほか幼児教育関係者28人が参加した。

 研究主題のもと本年度から3ヵ年計画をスタートした同園では、「質の高い保育」を「子どもが生き生きと活動している姿が見える保育」ととらえ、具体的には「やりたいことを見付けている」「夢中になって遊び込んでいる」「工夫したり、試行錯誤したりしている」「達成感や満足感を味わっている」姿を想定した。

 これらを実現するため、①教育課程の評価・改善を積み重ね日々の保育に生かす工夫②幼児の生活・遊びを広げる保育環境デザインの工夫③幼児理解に基づく保育者の働きかけの工夫―の3点に取り組んでいる。

 本年度の重点として、①ではフォトカンファレンスを実施。職員室に設置したマップ型ホワイトボードに毎日数枚の写真と概要を掲示し、週に1回交流することで、保育のねらいや見取りのポイント、かかわり方などを共有している。

 ②にかかわっては、「やってみたい」を高める保育室の環境づくりを重点に研究。「朝一番から好きな遊びができる、前日までの遊びの続きや跡が残っている」「4~6人で遊べるコーナーが4ヵ所準備されている」など5つの観点から、レイアウトや遊びの準備などを工夫している。

 ③では、豊かな環境を生かし、子どもの興味・関心を広げて遊びを発展させていくための教師の意図的な働きかけの工夫を研究している。

 開会式と研究概要説明のあと、3歳児つぼみ組、4歳児ことり組、5歳児おひさま組の保育を公開。各保育室内には、折り紙や粘土などで遊べる製作コーナー、ままごとなどができるごっこ遊びコーナー、ブロックや積み木などの構成遊びコーナー、カードゲームなどができる机上遊びコーナーなどを発達段階に応じて設置し、それぞれ好きな遊びに取り組んでいる幼児の姿を紹介した。

 つぼみ組で幼児と一緒に小麦粉粘土のお菓子づくりに取り組んだ教師は、マーカーで色を付ける幼児に「何味にしようか」などと声をかけたり、完成品を友達にプレゼントする際のやり取りをサポートするなど、遊びの価値づけや友達同士のかかわりを促す働きかけを行った。

 ことり組の幼児は、秋の遠足で収集してきた松ぼっくりを使ったツリーづくりに挑戦。ビーズなどで装飾した粘土のかざりをうれしそうに見せる幼児に、工夫した点を褒めた。

 ボードゲームを終え、つぎの遊びに移りたい幼児が教師の助言を受けて友達に「一緒に片付けよう」と声をかける場面もあった。

 おひさま組では、積木で大きな船づくりに取り組む幼児に、教師が「どっちを前にしようか」「どうしたら斜めじゃなくなるか考えてみよう」など、イメージの共有やよりよい組み方ができるよう言葉がけした。

 意図的にデザインされた保育室環境の中で、幼児たちは友達とかかわったり一人で黙々と試行錯誤したりしながら、意欲的に取り組んでいた。

 このあと、分科会ごとにアドバイザーを迎えて保育を語る会を展開したほか、道教委幼児教育推進センターの松浦隆史主査から助言を受けた。

(学校 2021-12-02付)

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