上川局 どさんこ☆子ども地区会議 本気でいじめ向き合う 独自作成の道徳資料を活用
(道・道教委 2021-12-16付)

上川局どさんこ☆子ども地区会議
旭川永嶺高生が進行したグループ協議

 【旭川発】上川教育局は11月下旬、旭川永嶺高校(清水公久校長)を拠点に管内どさんこ☆子ども地区会議をオンライン開催した。同校をはじめ、管内10校の小・中学校、高校の児童生徒や教員ら約40人が参加。新たな取組として、管内で独自に作成した道徳読み物資料を試行活用し、いじめの根絶に向けた取組について協議した。

 児童生徒がネットトラブルを含むいじめ防止に向けて協議等を行い、他校の取組や考えにふれることで、いじめの根絶に向けて自主的な活動を推進する絆づくりの教育活動充実に資することがねらい。

 主管校の旭川永嶺高から、上川高校、富良野市立富良野西中学校、道教育大附属旭川中学校、旭川市立東陽中学校、中央中学校、春光台中学校、旭川小学校、愛宕東小学校、青雲小学校の10校をZoomでつないで実施した。

 自己紹介のあと、富良野西中がいじめ防止の取組について実践発表。いじめを許さない学校づくりに向けた生徒主体の「ZERO運動」の取組を紹介した。

 続いて、3つのブレイクアウトルームに分かれ、高校生進行によるグループ協議を展開。

 本年度の新たな取組として、上川局の依頼を受けて上川管内道徳教育研究会が作成した道徳読み物資料を試行活用。児童生徒は事前に教材を読み込んだ上で協議に臨んでいる。

 教材では、バレーボールの地区大会優勝を目指す小学6年生Aが新型コロナウイルス感染症に罹患したことで、チームが大会に出られなくなり、チームメイトB~Dからグループチャットで様々な言葉をかけられる事例を描いている。この内容について、それぞれの考えやいじめにつながる問題点を共有した。

 永嶺高生が進行したグループでは、各校からの意見を踏まえ、B~Dの問題点について焦点化。「B・Cは表面上Aを励ましているが、裏で責めていたのはよくない」「コロナにあまりふれず、Aを励ます声をかけてあげるべきだった」などの意見が交わされた。

 また、Aの立場に寄り添い、「自分だったら少しは心配してほしいけど、深く聞かないでほしい」などの声が上がった。

 協議を踏まえ、いじめ防止に向けた各校の取組を交流。今後の児童会、生徒会の活動の参考にした。

 全体会で各グループの協議内容を共有したあと、泉大吾教育支援課長が講評。「Aの気持ちになって考えることの大切さが話し合われていてよかった。きょうの経験を多くの人に伝えてほしい」と呼びかけた。

 進行に携わった永嶺高2年生の阿部美海さんは「小学生から高校生まで年齢の幅が広かったので進行は大変だったが、みんなどちらの立場の気持ちも理解しようとしていてよかった」と感想を。他校の特色ある取組に刺激を受けたといい、「今回のような討論会を自校でやってみたい」と意欲を高めていた。

 今回試行活用された教材は、「子ども自身がいじめに本気で自分事として向き合うきっかけにしてほしい」との思いを込めてつくられたもの。小・中学生それぞれを対象とした2つのストーリーで構成されている。今後、授業などで活用できるよう、管内の小・中学校に配布される予定。

(道・道教委 2021-12-16付)

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