旭川永嶺高文化部4部 とうきょう総文出場へ 刺激受け後輩に手本を
(学校 2022-01-20付)

永嶺高4部活が次年度全国へ
総文出場を決めた放送局、写真部、書道部、演劇部

 【旭川発】旭川永嶺高校(清水公久校長)では、放送局、写真部、書道部、演劇部が次年度の第46回全国高校総合文化祭東京大会「とうきょう総文2022」への出場を決めた。昨年10月から11月にかけて行われた全道大会で活躍し、4部が全国に駒を進める快挙。各部から、これまでの頑張りや総文への意気込みなどを聞いた。

放送局

 放送局は、11月下旬に北見市で行われた第44回放送コンテストにおいて、ビデオメッセージ部門で第2位、オーディオメッセージ部門で第5位に選ばれた。

 総文参加資格を得たビデオメッセージ部門の作品名は「ヤマヌシ」。当麻町の家具職人をインタビューしたドキュメントを、1・2年生5人が制作した。

 2年の髙橋いおりさんによると、膨大なインタビュー内容から、森を購入したことによる価値観の移り変わりが伝わるよう編集することに苦労したという。「受賞を知り、持っていた携帯電話を落とすほど驚いた。道代表として、これで満足せず、より良いものをつくっていきたい」と意気込みを語った。

 オーディオメッセージ部門で5位に入賞した作品「いきなり農業」は、1・2年生4人で制作。名古屋から移住し鷹栖町で農業を営む住民の人物像や取り巻く環境を取材した。2年の伊藤佳奈さんは「他校の作品を見て見習いたい部分がたくさんあったので、今後の制作に生かしたい」と意欲を燃やしていた。

 各部門の得点を合計して選ばれる総合賞では、学校として第2位に入賞。局長を務める2年の髙橋春人さんは「初めて2年生が主体となる不安はあったが、みんなで頑張ったことが結果につながってとてもうれしい。チームとしてさらに良い雰囲気で臨んでいきたい」と話していた。

書道部

 書道部2年の平間周さんは、11月上旬から12月下旬にかけてオンライン開催された第55回全道高校書道展・研究大会に参加。132校から700点が出品される中、全国高校総合文化祭推薦候補者17人の1人となった。

 取り組んだ「魏霊蔵造像記」は、中国北魏時代の古典。中学までバスケットボールに取り組んでいたことから、1年生でこの作品に取り組んだ際、体を使った力強い表現が自分に合っていると感じて今回の課題に選んだという。

 前回は3行だったが、今回は1文字が大きくなる2行にレベルアップ。平間さんは「文字が少ないとバランスが取りにくくなるため、一文字一文字集中して取り組んだ」と4ヵ月かけて試行錯誤を繰り返した当時を振り返った。

 これから全国に向け、さらに大きい作品を2月中に作り上げるという平間さん。「もっとレベルの高い作品を」と意気込みを語った。

 顧問の安井健治教諭は平間さんについて「他の生徒にない研究熱心なところがあり、作品集を見て試行錯誤する努力家」と評価。「今回の作品を上回るのは大変なことと思うが、良い作品を期待している」と話していた。

写真部

 10月上旬に第45回全道高校写真展・研究大会の審査が行われ、2年の村中智倫さんが優秀賞、同じく宇佐美莉子さんが入選に輝いた。

 村中さんは、吹雪の中を走行する電車車両と運転士をモノクロで表現した作品「凍てついた顔」を出品。北海道ならではの冬の厳しい風景を、アングルを試行錯誤して撮影したという。

 総文出場に当たって村中さんは「全道大会出場の時点でびっくりしていたので、その数10倍は驚いた」と感想を。「全国から集まった写真を鑑賞する機会があるので、考えたこともないアングルや撮影方法を勉強したい」と話していた。

 宇佐美さんは「激しく」などの意味を持つ音楽用語「Agitato」をタイトルに冠した写真を出品。夕暮れを背景に、サックスを熱狂的に吹く友人の様子をローアングルで撮影した。「全国では東京のいろいろな場所を回って撮影したり、いろいろなことを吸収したりして、つぎは最優秀賞を取れるように頑張りたい」と意気込んでいた。

 同部では全国への出場を決めた2人を含め、9人が入選。さらに、今回で3年連続の総文出場となる。顧問の高須美津也教諭は「貴重な機会なので、総文で良い刺激を受け、良い手本となって後輩につなげてほしい」と期待した。

演劇部

 11月上旬に伊達市で第71回全道高校演劇発表大会が行われ、1年の戸舘実那さんが最優秀生徒講評委員に選ばれた。

 演劇部は現在、戸舘さん1人。演劇に関心を持ったきっかけは小学6年生の学芸会で、「自分の演技で人の心を動かせたことがうれしかった」と振り返る。

 生徒講評委員は、上演校が披露した全作品を鑑賞し、そのつど表現から受けた印象や照明・音響の使い方など様々な視点から講評するもの。話題に挙がった内容のみをもとに、審査委員1人がそれぞれの作品の講評文を書く。

 戸舘さんは「講評で出たことしか書けないので、鑑賞直後から短時間で書きたいことをまとめておいたり、話し合いの内容を誘導したりするのが大変だった」と感想を。最優秀委員に選ばれたことについて、「うまくいかなかったところが多かったので、驚いている。他の委員の発言で気づけたところがたくさんあったので、委員みんなに助けられたおかげ」と振り返った。

 総文出場に当たっては「今回、委員として選ばれたのはうれしいが、それ以上に上演校として出場したかった。全国レベルの作品から学び、来年こそ上演校として出場したい」と熱意を燃やしていた。

(学校 2022-01-20付)

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