道教委指定の函館高支 地域連携研修 生徒の主体性育成へ 実践発表で4学科協働カフェ(学校 2022-01-19付)
岡山教諭が生徒のカフェ運営について発表した
【函館発】道教委の地域連携研修主体校の函館高等支援学校(立田俊治校長)は12日、同校で地域連携研修会を開いた。協力校の今金高等養護学校、北斗高等支援学校の教職員を含め約70人が参加。函館高等支援の岡山努教諭が「地域とつながる4学科協働によるカフェの実践」と題し、異学年他学科の生徒の協力による主体的な取組を紹介。講演では、道教育大学函館校の北村博幸教授が生活単元学習と実生活を関連付けるカリキュラム・マネジメントの重要性を説いた。
事業の協力校は今金高等養護と北斗高等支援。本年度から3ヵ年の研究に取り組んでいる。
開会に当たり、立田校長は「本校は特別支援教育推進に向け、地域の中心的機能を有する使命がある。研修会をもって新たな気づきが生まれる機会となれば」と期待を寄せた。
続いて、岡山教諭が「地域とつながる4学科協働によるカフェの実践」と題して実践発表。
同校で運営しているカフェ「Hako cafe clover」はインクルーシブ教育システムの構築や共生社会の実現、生徒の社会的・職業的自立に向けた生きる力の育成を目指し、2年度に開設。普通科、生産技術科、食品デザイン科、福祉デザイン科の4学科でコーヒー豆の製造やランチメニューの開発などの役割を分担し、協働体制を構築している。
教育課程では、普通科で総合的な学習の時間、商業学科の3学科では作業学習として位置付けており、月2回程度2、3年生が中心に取り組んでいる。
岡山教諭は学年と学科の連携を意識した組織運営や営業定着に向けたロードマップを紹介。広報活動として、学校ホームページに営業カレンダーを掲載したり、町内会の役員会にチラシを配布したりすることで周知を図ったことを伝えた。
また、新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて、感染対策を講じながら営業を継続したことを振り返り、「プレオープンの繰り返しなどによって、円滑な運営を構築できた」とした。スイーツの提供なども進み、「生徒の主体性が高まり、適度な緊張感を持って取り組めている」と成果を発表。
今後は、「地域とのつながりをより深めるため、来客数の促進に向けた工夫や学年の担当者間の連携をより強化していきたい」と展望を述べた。
続いて、北村教授が「知的障害教育における主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善~体験的な学習・生活に結びついた学習の在り方について」と題して講演した。
生活的な課題や目標に沿って学習を計画し、実践的かつ総合的に学習する生活単元学習を主体的・対話的で深い学びと関連付けることの必要性を強調。教職員が児童生徒の日常生活における多種多様な経験から興味を引き出す内容とすることや、明確な目標の設定によって、授業改善を繰り返し、より良い学級経営を目指すよう求めた。
(学校 2022-01-19付)
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