附属函館中 GIGAスクール講座 海洋を守るためには 深海の中継映像、クイズ等
(学校 2022-01-24付)

附属函館中GIGAスクール特別講座
各学級からリモートで深海の様子を確認した

 【函館発】道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)は18日、文部科学省のGIGAスクール特別講座「教室から深海探査につながろう!」を受講した。各教室からユーチューブで参加し、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究員が深海無人探査機「ハイパードルフィン」からリアルタイムで映し出す深海の中継映像を視聴。深海環境と日常生活の関係について、クイズを交えて解説し、全校生徒311人が海洋を守るための取組について考えるなど、深海環境への興味・関心を育んだ。

 特別講座はGIGAスクール構想の実現に伴う、1人1台端末および高速大容量通信環境の積極的な活用を促進するとともに、児童生徒の海洋・深海に対する興味・関心を高める機会を提供するもの。環境・生物教育の動機づけにすることもねらいとしている。

 同校では全学年が理科授業の一環として参加。白川卓副校長によると、「ICTの特長を生かした貴重な学びの機会」ととらえ、応募に至ったという。

 各教室から、ユーチューブでJAMSTECと接続。研究員が水深2000㍍以上の深海が占める地球の面積について尋ねると、生徒は1人1台端末を使ってグーグルフォームに回答を記入。研究員は参加校の生徒による回答状況を示した上で、地球には深海が90%を占めていることを解説した。

 続いて、海底の微生物がどのように生活しているのかを調査する「新青丸」と中継をつなぎ、深海無人探査機「ハイパードルフィン」がリアルタイムで映し出す深海の映像を視聴。硫化水素が湧く海底に生息するシロウリガイの生態を示し、体内でバクテリアを創出して栄養素を補っていることを説明した。

 また、海底の状況について、「深海に持っていくと潰れてしまうものは何か」と質問。①ゴムボール②トマト③卵―の3つの選択肢から、生徒は再度グーグルフォームに回答を入力。研究員は正解について「体積が液体で満たされているものは潰れない」と解説し、正解が①であるとした。

 深海世界の実態について紹介する一方で、人間の生活が深海に及ぼしている影響を提示。タイヤや食品トレーなどのごみが増加していることを伝え、豊かな海を守るためにできることについて生徒に考えるよう促した。

 受講後、1年生の小笠原夷吾さんは「理科はあまり得意ではないが、深海の状況を楽しく知ることができて良かった。機会があればまた受講してみたい」と話すなど、学習意欲を高めていた。

(学校 2022-01-24付)

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