網走市学校経営研修会開く 3つのサイクルで改善 網走小・吉田校長が実践発表(関係団体 2022-01-21付)
天笠千葉大名誉教授の講演なども行った
【網走発】網走市校長会(木野村寧会長)と網走市小中学校教頭会(三村文弥会長)は13日、市内のオホーツク文化交流センターで本年度学校経営研修会を開いた。網走小学校の吉田昌広校長が実践発表し、学校経営の3つの改善サイクルなど自校の取組を説明。また、千葉大学の天笠茂名誉教授が「令和の日本型教育を実現する学校経営戦略」について講演した。
市校長会の本年度第3回研修会を兼ねて開催。市内小・中学校の校長、教頭、主幹教諭のほか、オホーツク教育局幹部を含め45人が参加した。
開会に当たり、市校長会の木野村会長は「社会の変化をしっかりと見据え、学校の組織の変化を見いだし、主体的に関わっていく姿勢や手腕が求められている」と述べ、研修会の成果に期待を寄せた。
網走小の吉田校長が「一人一人の子供たちに、未来を生きる資質・能力を育む学校経営」と題して実践発表。
自校の教育活動について、「確かな学力の育成」「豊かな心の育成」「健康な体と体力の育成」「家庭・地域との連携・協働」に取り組んでいることを説明した。
経営活動については、カリキュラム・マネジメントを遂行する「学校評価に基づいた改善サイクル」「調査等の分析を生かす即時的な改善サイクル」「日常的な改善サイクル」の3点を挙げた。
学校力向上の取組についても説明。
同校では、学校教育目標を実現する「人材育成」「組織力」「授業改善」「働き方改革」を4つの柱としている。
人材育成では、校内研修や校務分掌、担任・専科を通じて経営参加意識、企画・運営・調整力、指導力、学校の風土や文化につながる志を高めている。
組織力では、課題解決のルートをつくり、伝達を見届けるほか、強じんかつ柔軟な目標達成型組織を目指す。
授業改善では、「重点目標の達成を目指す共通のテーマを持った研修」「課題に応じて即時的に対応するための研修」「個人課題を解決したり、個人的に専門性を高める研修」を実施。
また、「問題意識を持たせる工夫」「見通しを持たせる工夫」など、授業づくり「9つのフレーム」を設定。それらを具体化した授業づくりを進めていることなどを説明した。
さらに、新しい教育活動への取組として、令和の日本型教育・GIGAスクール構想の実現、働き方改革「網小アクションプラン」に取り組んでいるとした。
発表後、吉田校長と天笠名誉教授が対談。カリキュラム・マネジメントの在り方について確認した。
そのあと、天笠名誉教授が「令和の日本型教育を実現する学校経営戦略」について講演。
わが国の社会システムの中で、学校を持続可能なシステムとして存続させるためには改革が必要とし、キーワードとして「個別最適な学びと協働的な学び」を挙げた。
また、カリキュラム・マネジメントは、全教職員の参加・参画によって学校の特色をつくり上げていく取組であることを説明。ポイントとして、教科等横断、PDCAサイクル、経営資源の活用を掲げた。
さらに、ビジョンを描き、具体化することの重要性などを解説した。
(関係団体 2022-01-21付)
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