北社研が社会科教育冬季セミナー 小池会長 成長の礎築く一年に 社会に参画する資質・能力育成
(関係団体 2022-01-21付)

道社会教育研究会冬季セミナー
感染防止対策を講じた開催。約40人が参加した

 道社会科教育研究会(=北社研、小池千秋会長)は15日、ホテルライフォート札幌で第15回社会科教育冬季セミナーを開いた。小・中学校の教員など約40人が参加。実践発表や講演を通し、社会科教育に関わる今日的な課題や、子どもの主体性を育む授業実践について理解を深めた。

 本年度は3ヵ年研究の3年目。「主体的に参画できる資質・能力の育成」をテーマに、一人ひとりが主体的に協働で課題解決に向かう学習の中において“深い学び”を実現することで、児童生徒の思考力・判断力・表現力を高め、社会に参画する資質・能力の育成を目指している。

 開会式では、小池会長があいさつ。昨年11月にオンライン開催した研究大会への協力に謝意を示した上で、「コロナ禍の逆風を乗り越え、5年度の全国中学校社会科教育研究大会北海道大会に向けて、新たな成長の礎を築く一年にしたい」と呼びかけた。

 つぎに、札幌市立前田中学校の大島一晃教諭、札幌市立厚別北中学校の吉岡和剛教諭が実践発表。

 うち、大島教諭は、公民的分野「政治参加してみよう」の指導等について説明した。授業では、生徒が生活する前田地区を題材に活用。①日常的に使用する身近な通学路から課題を把握し、課題に対する解決策を多面的・多角的に考察する②導いた最適解を行政に提案し、社会参画をする主権者としての態度を育てる―の2つの資質・能力の向上を目指した。

 「学校前に信号機が設置されてない」「車の往来が激しい団地があるが、街灯が少ない」など、前田地区の課題をアンケート結果をもとに精査。1億円を架空の予算として、道路や信号を予算内で整備し、地域住民の最大限の幸福を目指すための説明資料やスライドをクロームブックで作成した。

 生徒は、通学路の航空写真に街灯や信号機が必要な場所を付せんで可視化するなど、自分が住む町・地域をよりよい環境にする方法を考えた。また、生徒が作成したスライドや意見などは、前田まちづくりセンターに提出した。大島教諭は「今回の授業が、これからの新しい気づきや考え方、とらえ方につながっていくと思う」と述べ、生徒の学習の高まりに期待を寄せた。

 実践発表のあと、玉川大学の髙岡麻美客員教授が「新学習指導要領における現場からの声~実践紹介を通して」と題し講話した。

(関係団体 2022-01-21付)

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