道教委 3年度体力調査報告書 13市町村で小・中平均超 自己の変容実感できる授業を
(道・道教委 2022-02-25付)

1面表
体力合計点・管内別の状況(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は、『令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版報告書』をまとめた。授業で自己の変容を実感している児童生徒ほど挑戦心や自己肯定感、体力合計点が高いことから、協働的な学びと変容を実感できる授業づくりを改善の方向性として明記。管内別では宗谷の中学校男子の体力合計点が大きく上昇し全国平均以上に。体力合計点を公表した市町村のうち、小中男女いずれも全国平均を上回ったのは士別市など13市町村となった。=分析結果の概要、管内別詳細は後日掲載=

 報告書は、3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査を詳細に分析し、本道の現状や課題、今後の取組の改善の方向性や具体的な取組を掲載。24日の道議会文教委員会で報告した。

 本道の実技・質問紙調査の結果について全国平均や上位の都府県の結果と比較・分析。今回、児童生徒の内面と体力合計点の相関に焦点を当て分析している。

 体育・保健体育の授業では、「自分の動きの質の向上をよく実感している」と回答している児童生徒ほど運動やスポーツ、授業への愛好的態度が高く、挑戦心や自己肯定感、体力合計点が高いことが判明。

 このため、改善の方向性として「自己の課題解決に向け、仲間と協働的に課題解決に取り組む場面の設定」「技能の高まりや思考の深まりなど自己変容を実感させる振り返り」の2点を挙げ、動画を視聴して改善点を話し合う協働的な学習や、デジタル学習カードへの同時編集機能による授業の振り返りなどICTを活用した取組の実践事例を示した。

 授業以外の体力向上に向けた改善の方向性として、「各種の客観的なデータ等を活用した検証改善サイクルの確立」「学校全体や学年の目標を明確にした組織的な取組の充実」「家庭と連携した取組の充実」の3点を明記。体力合計点が全国平均を上回った学校の実践事例として、小中連携で検証改善サイクルの確立に取り組む北広島市立東部中学校区、新体力テストを活用して1校1実践に取り組む石狩市立緑苑台小学校、分析ツールで全教職員・家庭で目標達成に向けた取組を共有する羅臼町立春松小学校を取り上げている。

 体力合計点と質問紙調査結果のクロス集計では、「運動やスポーツに対する愛好的態度」「児童生徒の内面と体力・運動能力等」など11観点から分析。新型コロナウイルス感染症の影響として小学校では運動時間が増加した一方、中学校で減少。全国と上位5都府県を比較した結果、「達成感」は小中男女ともに同等だが、「挑戦心」「自己肯定感」が低いことが分かった。

 管内別の体力合計点の状況をみると、全国平均を上回った管内は小学校男子が檜山、胆振、宗谷、釧路、オホーツクの5管内、小学校女子が檜山、胆振、釧路、後志、根室、留萌の6管内、中学校男子は宗谷のみ。中学校女子はなかった。

 2年前と比較すると、檜山では小学校の男子・女子いずれも体力合計点が増加。宗谷では中学校の男子が1・13ポイント増の41・26点と全国平均を上回った。

 中学校の女子では留萌、オホーツク、根室が増加し、特に留萌は1・25ポイント増の47・79点と全道平均を上回った。

 このほか、同意を得た178市町村の調査結果と分析、今後の改善策を掲載。体力合計点の状況を公表した市町村のうち、小中男女いずれも全国平均を上回った市町村はつぎのとおり。

▽後志=蘭越町

▽胆振=豊浦町、厚真町、白老町

▽檜山=上ノ国町

▽上川=士別市、当麻町、和寒町

▽宗谷=猿払村、利尻町

▽十勝=大樹町、豊頃町

▽釧路=白糠町

(道・道教委 2022-02-25付)

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