標津町4年度教育行政執行方針 学習スタイル全面改訂 中学校制服5年度変更へ
(市町村 2022-04-27付)

標津町・山﨑佳
山﨑教育長

 【釧路発】標津町教委の山﨑佳教育長は、4年度教育行政執行方針において「標津型学習スタイル」の全面改訂を行い、全学校の学びの方向性を統一していくほか、中学校の制服について5年度からの変更に向け、協議検討を進めていくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学力の向上

 制定から10年を経た標津型学習スタイルの全面改訂を行い、学力向上を図る授業づくりの基本として全学校の学びの方向性を統一するとともに、問題解決的な学習を中心に据えて、個別最適な学びと協働的な学びをICT環境の積極的な活用によって行う、学習指導全般の指針とする。改訂後の「標津型学習スタイル」には、町の児童生徒の課題の一つである読解力の向上に関わる方策も記述。読書活動や物語教材指導による想像力の育成、テキスト(文・図・グラフ・表等)を読み取り「書くこと」「話すこと」で自分の考えを表現・説明する活動等を取り入れ読解力の向上を図る。

▼体力・運動能力の向上と食育の推進

 前年度に実施した全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を受け、4年度からは学校全体で体力向上を推進する取組、体育科の授業改善、社会体育と連携した活動等に努めていく。

▼特別支援教育

 支援を必要とする子どもの教育的ニーズの変化に対応し、多様な学びの場で教育課程が円滑に接続していくよう家庭、学校、関係機関との連携強化に努めるとともに、特別支援教育支援員を増員して子どもの学習意欲の向上を図っていく。

▼ICT環境の活用

 情報化時代のスタンダードとして、子どもの将来に役立つようにICT機器を活用した教育活動の一層の充実を図り、ICTに精通した支援員を継続して配置することで、機器の設定やトラブルの際の早期対応など万全なサポート体制を構築していく。

 こども園におけるICT活用を進めるため、これまで手作業で行われていた連絡帳や保育日誌などの業務を処理できるシステムを導入することで、業務の省力化とサービスの向上を図っていく。

 タブレット画面の拡大表示や大型タブレットとして活用可能な大型電子黒板を各学校へ配備するとともに、個別の学習進度に合わせた最適な学びを受けられるよう、AI教材の導入を検討していく。

▼校種間の連携

 標津・川北両地区において、こども園、小学校、中学校の12年間の連続した学びを推進する園小中一貫教育推進協議会を組織。3年度も教職員が異校種で授業を行う「コラボ授業」を両地区で実施するなど一貫教育に対する理解を深めるため、実践を重ねている。

 4年度も両地区の一貫教育推進協議会を中心に、標津高校を含めた互いの得意分野を生かした異校種間連携、交流研修会などの継続した取組を一層推進していく。

▼教育環境の充実

 中学校教職員の長時間労働の要因の一つである部活動について、段階的な地域移行を図る方策を検討していく。また、生徒数の減少に伴い1校単独での活動が困難な部活動は、町内2校合同での活動を支援することで持続可能な部活動の実現を目指す。

 中学校の標準服(制服)について、多様性はもとより機能性や耐久性、衛生上の観点に配慮したデザインや素材に改めることとし、5年度からの変更に向けて関係者や保護者で構成する検討委員会によって、協議・検討を進めていく。

▼標津高校の魅力づくり

 町内外の少子化の影響などによって進学者の減少が続いたことから、4年度から地域連携特例校として各種取組を実施していく。指導力の高い専任教員による遠隔授業が受けられることから、生徒の達成状況や多様な進路志望に応じた学習が可能となるなど、少人数の生徒、教職員体制の有効化を図る。 

 また、ICT活用については小・中学校と同様に高校でもICTの本格的な活用が始まることから、新入学生の学習用端末購入費を全額助成することとし、併せてこれまでの支援や交流活動を継続的に支援することで、地元進学率の向上に努めていく。

(市町村 2022-04-27付)

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