【解説】成長分野へ大学の再編促進(解説 2022-05-13付)
教育未来創造会議は10日「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について」第一次提言をまとめた。自然科学(理系)分野の専攻学生の割合を現状の約35%から5割に引き上げる目標を掲げ、デジタル、グリーンなど成長分野への大学の再編促進に向けた方策を示した。
提言は、国の未来を担う大学等と社会の在り方の基本理念、社会像、人材育成の在り方を整理し、今後取り組む具体的方策を示すもの。重視する人材育成の視点として「予測不可能な時代に必要な文理の壁を越えた普遍的知識・能力を備えた人材育成」など8点を挙げている。
成長分野への大学の再編・統合・拡充を促進するため、選任教員数や校地・校舎の面積基準など大幅な規制緩和や初期投資を提案した。
理系女子の活躍促進に向けては、理工系・農学系分野への官民共同修学支援プログラム創設のほか、入学者選抜で女子学生枠の確保に積極的に取り組む大学への支援を強化するとした。
デジタル技術を駆使したハイブリッド型教育への転換を促進するため、オンライン教育の単位上限の規制を緩和する特例を創設。学生支援では、給付型奨学金・授業料減措置を中間層に拡大するほか、卒業後の所得に応じて柔軟に返還できる仕組みを創設する。
文理横断教育を推進するため、初等中等教育段階では探究学習、STEAM教育、ものづくり教育の充実や英語教育の強化を図るよう提案した。
岸田文雄首相は、各施策の実行へ速やかに関係法令の改正や予算措置などの準備を進めると表明。末松信介文部科学大臣を中心に施策の工程表を夏までに作成するとし「政策実施プロセスを明らかにし、政府として全力を挙げて取り組むようお願いする」と述べた。
(解説 2022-05-13付)
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