【解説】子ども家庭庁法案 衆院通過
(解説 2022-05-18付)

 子どもや家庭支援の司令塔となるこども家庭庁の設置法案と、こども施策の基本理念を定めるこども基本法案が17日の衆議院本会議で可決された。

 内閣府の外局として設置予定のこども家庭庁は、小学校就学前の子育て支援、虐待の防止、子どもの貧困対策などを所掌。子ども施策に関する総合調整機能を担い、各省庁から一段高い立場から一元的な企画・立案・総合調整を行う。

 子ども政策に関する重要事項等を審議する審議会を設置し、内閣府や厚生労働省の関係審議会等から一部の機能を移管する予定。教育行政を担当する文部科学省と緊密に連携を図り、施策を実施するとしている。

 幼児教育の質の確保に向けては、初等中等教育を担う文科省、保育所関連を担う厚生労働省、認定こども園を担う内閣府との総合調整を行い、地域間で格差が生じないよう取組を進める。幼保一元化へ省庁の縦割りを排することが本来の目的だが、参議院での議論が注目される。

 地域における支援体制を整備するため、関係機関・団体による支援ネットワークの構築や、いじめ防止対策で各自治体が担っていた相談体制も担う見通し。政府は子どもや家庭への支援を確実に届けるプッシュ型・アウトリーチ型支援への転換を掲げており、各種データを連携させた支援システムを構築する大阪府箕面市を好事例として、地域における教育・福祉等のデータ連携を推進する方針。個人情報保護へ、こども家庭庁でガイドラインの策定を予定している。

 衆議院では子どもの権利・利益を擁護するため、調査権限と提言機能を備えた第3者機関「こどもコミッショナー」設置も議論。記載は見送られたものの勧告権を同庁に付与し、審議会等で子どもの権利・利益の擁護を図っていく方針だ。

(解説 2022-05-18付)

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