【解説】通級指導の現状と課題(解説 2022-07-13付)
通級による指導は、大部分の授業を通常の学級で受けながら一部特別な指導を必要とする児童生徒に障がいに応じた特別の指導を行うもの。小・中学校で平成5年度から制度化し、29年度から通級指導担当教員の加配を13人に1人の割合に基礎定数化した。30年度からは高校を対象に加え、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応した指導や必要な支援を提供している。
指導形態は主に自校通級、他校通級、巡回通級の3種類。自校通級は通学の負担が少ないこと、児童生徒や保護者が担当教員に相談しやすいこと、校内の連携や共通理解が得られやすいことなどの利点がある。巡回通級は対象となる児童生徒が少ない学校でも実施が可能である反面、担当教員の移動の負担が大きい。
文部科学省は通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議を設置し、指導の一層の充実に向けた検討を進めている。12日の第2回会議では、全国特別支援学級設置学校長協会の喜多好一会長が通級による指導の現状と課題を発表。担当教員の専門性の確保・向上、校種間の連携、指導教員の基礎定数化を受けた迅速な教員配置など12点の必要性を示した。また、保護者の送迎や時間の問題などの課題から、巡回指導や自校通級の必要性を提起した。
会議ではこのほか、児童生徒が通級による指導を利用しやすくする方策を協議し、通級の実施形態別のメリットや課題、自校通級や巡回通級の阻害要因や課題について意見を交わした。
検討会議では今後、都道府県・市町村教委からヒアリングを実施し、通級担当教員の配置の工夫や市町を越えた兼務発令、担当教員の専門性向上、高校への引き継ぎや本人・保護者との合意形成について意見を聴取する予定。
(解説 2022-07-13付)
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