【解説】入院生徒の学びの保障(解説 2022-07-12付)
平成27年の学校教育法施行規則の改正に伴い、高校ではインターネットなどのメディアを利用し、教室等以外の場所で授業を履修させることが可能となった。
令和2年度からは、入院・自宅療養中の高校生に対する単位制限が緩和。全課程の修了要件である74単位中36単位以下とされていた遠隔授業の制限単位について、病気療養中の生徒に対しては上限を超えることを認めるとした。また、体調の管理や緊急時の適切な対応を講じる体制を整備することなどを条件に、受信側の病室の教員配置が不要としている。
道内でも入院等に伴う欠席日数が30日以上となる生徒数は増加傾向にあり、道教委は文部科学省の委託を受けて2年度から「高校段階における入院生徒に対する教育保障体制整備事業」を実施している。具体的には、対象生徒にタブレット端末やワイファイルーターなどのICT機器を貸与して効果的な遠隔教育を実施。入院生徒支援会議・復学支援会議などで必要な支援の在り方を検討しているほか、特別支援学校教諭による教育相談を行っている。
3年度に病気等によって30日以上入院した生徒数は45人。このうち9人に同時双方向での遠隔授業による指導を行った。検討会議では有識者が、ICTを活用した学習支援の有効性を評価する一方、未だ教育保障が受けられていない入院生徒がいるなどの課題もあることから、より多くの学校への周知と、事業成果の普及等による教育保障の推進を課題としている。
道教委は6月下旬に病気療養中等の生徒に対する教育保障を周知するリーフレット「入院・自宅療養中等の高校生の学びを支援します!」を高校教育課ホームページで公開。各学校において生徒・保護者等に周知するよう呼びかけている。
(解説 2022-07-12付)
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