【解説】定年引上げ 総務省が報告書
(解説 2022-07-05付)

 国家公務員法等の一部改正に伴い、国家公務員の定年は5年度から2年に1歳ずつ65歳まで段階的に引き上げられることとなった。地方公務員の定年も国に準じ、各都道府県・政令指定都市で関係条例を改正する見通しとなっている。

 こうした中、総務省では定年引き上げに伴う地方公共団体の定員管理の在り方に関する研究会を設置し「職種ごとの現状把握」「退職者数の見込み」「新規採用者数の見込みや今後の職員数の推移」を検討。5つのモデル団体の協力のもと地方自治体の定員管理に与える影響や課題等を整理し、6月下旬に報告書を公表した。

 結果をみると、定年退職者数が2年に1度しか生じないことから、定員の固定によって新規採用者数が大幅に変動する可能性を指摘。行政サービスの質確保のため、定年の引き上げ期間中も一定の新規採用者を継続的に確保する必要性を示している。

 新規採用者数の検討に当たっては、職種ごとの現状・課題や見通しの把握、多様な選択肢のある60歳以降の働き方の動向の的確な把握、地方公務員の退職者の4割を占める普通退職者数(自己都合退職等)の把握が重要としている。

 また、中・長期的な観点に基づく定員管理の必要性を明記。各団体で一般的に行われている「総職員数を変えず、毎年の退職者数等の補充を行うことを基本とした採用」と異なる対応が必要となることから、職種ごとに定員推計を行い、10年程度を見越した計画的な定員管理が必要とした。定年退職者が生じない6年4月採用に向けた採用計画策定までの検討を推奨している。

 このほか、職員数が一時的に増員となっても、業務量に応じた適正な定員管理であることを住民に説明する必要性を示した。

(解説 2022-07-05付)

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