【解説】CBTの広がりと可能性
(解説 2022-07-11付)

 CBT(コンピュータ使用型調査)はOECDのPISA(国際学力調査)では平成27年から導入し、国内外の学力調査や資格検定試験で導入が急速に進んでいる。筆記型調査にはなかった利点として、動画や音声の活用、回答の試行錯誤など「問題の充実・多様化」がある。パーツを回転させながら図形の対称性を考える問題や、理科の実験動画を配信して続きを予想する問題、音声を録音する問題といった「思考力」「問題発見・解決能力」などの能力の測定が可能とされている。

 文部科学省が開発したメクビットは、国や自治体など公的機関等が作成した問題を無料で活用できるCBTシステム。令和3年12月から希望する全国の学校で活用が始まり、3月末時点で全国の公立・私立学校の3割弱となる約1万校が登録している。道内の導入率は2割未満。

 問題は全国学力・学習状況調査、高卒認定試験、PISA、実用英語技能検定など約2万5000問。テスト作成サイトで教員独自の問題を作成できる。

 家庭・学校からアクセスし、一問一答と複数問題の2通りの活用が可能。選択式問題や一部短答式問題は自動採点される。教員が選択した問題を児童生徒が回答。自分の学習結果やクラス内の順位を確認する。

 問題には事業者が運営する学習eポータルからアクセスする。標準準拠ソフトは6月時点でL―Gate、Open Platform for Education、まなびポケット、Studyplus for Schoolの4種類で、今後増えることが見込まれている。

 文科省は、5年度全国学力・学習状況調査の中学校英語「話すこと」調査でメクビットの活用を計画。6年度からは調査全体のCBT化を順次行っていく。

(解説 2022-07-11付)

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