空調設備の予算措置を 道高校長協会等の文教施策要望
(関係団体 2022-07-27付)

 道高校長協会(林正憲会長)、道高校教頭・副校長会(大谷健介会長)、道公立学校事務長会(岩間淳会長)が、道教委に提出した5年度道文教施策に関する要望書の内容はつぎのとおり。

◆教育に係る制度・施設・設備の課題

1 学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」〈重点〉

・「北海道アクション・プラン」に基づく働き方改革を進めるために、部活動指導員の待遇を改善し、人数・時間を拡充することを要望する。

・また、チーム学校の実現と複雑多様化する課題への適切な対応、教員の負担軽減のため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充を推進するとともに、学習指導員の継続と拡充や学校を支援する人材の配置を要望する。

2 教育の情報化のための環境整備〈重点〉

・GIGAスクール構想に伴う4年度入学生からの生徒1人1台端末(BYOD)の導入を受け、機器の更新やメンテナンスに係る経費の予算化および、校内LANアクセスポイント増設(体育館・全ての特別教室)やICT教育に対応できる環境整備を要望する。

・また、校内の情報システムの管理やセキュリティ対策、機器のメンテナンスなどを担う専門的スキルを有するICT支援員の配置やメンテナンス等の外部委託など学校負担の軽減を要望する。

3 校務支援システム

・新しい校務支援システムについて、教職員の業務負担を軽減し、データ活用に資するよう、現場の課題を適切に把握し、迅速に改善を進めるよう要望する。

 校務支援システムについて、新学習指導要領の実施に伴う生徒指導要録の様式改訂等、教育効果の向上と教職員の業務の負担軽減に向けたさらなる改善を図る統合型システムとなるよう要望する。

4 学校事務の改善〈重点〉

・道立学校運営支援室および教職員事務課の業務が、学校と連携のもと円滑に行われ、より効率的な学校事務が進められるよう要望する。また、学校における事務改善の効果についての検証を早急に行い、学校の業務量と実情に応じた人員配置や業務改善を要望する。

5 特別支援教育の推進

・高校における特別支援教育を充実させるため、特別支援教育支援員の拡充や「通級による指導」の実施が必要な学校には、専門的な知識・技能を有する教員の加配など指導体制の充実を図ることを要望する。

6 学校図書館の充実

・生徒の学びの拠点としての学校図書館の充実を図るため、「図書館担当事務職員」が図書業務に従事できる体制の整備や道独自の加配による、図書館業務を担当する職員の配置を要望する。

7 定通教育の充実

・定時制通信制高校については、教育条件の充実に向けた施策を推進することを要望する。

・特に、通信制については、協力校の小規模化が進行する中、協力校体制の維持・向上に向け、面接指導における遠隔システムの活用の検討や協力校配置の見直しを図ることを要望する。

・また、実施校の養護教諭の定数配置や、各協力校の実情に合った地方指導員の配置や面接指導講師、養護教諭の確保に十分配慮することを要望する。

8 施設・設備の整備〈重点〉

・老朽化の著しい校舎および寄宿舎の整備を計画的かつ着実に進めることを要望する。

・また、社会の変化や産業の動向に伴う法改正等、産業教育に対する時代の要請に応えることができるよう、実習用コンピュータや各種産業教育実習装置を含めた専門教育・職業教育に関する施設・設備については、早急に予算措置することを要望する。

・さらに、生徒の健康安全の観点から、空調設備について早急に予算措置することを要望する。

9 AEDの配置状況の検証および新設

・AEDの配置状況について、生命に関わるような事態に迅速に対応する体制が整っているか検証し、改善に努めることを要望する。特に、生徒が日常的に生活を送る寄宿舎においてAEDを設置することを要望する。

◆学校の運営費等

1 学校運営費の増額および配分〈重点〉

・適正かつ円滑な学校運営のため、学校運営費の増額を図るとともに、学校・学科の実態や特色に即した教育活動の予算措置に配慮することを要望する。また、生徒の安全・安心な学校生活を守るための安定的な予算措置を要望する。

2(1) 普通旅費および研修旅費の確保

・「北海道における『令和型』教員研修の追究」に資するため、教職員の研修旅費、新規学卒者求人確保対策費(旅費)等を引き続き確保することを要望する。

・また、「集合型」研修実施のための予算確保を要望する。

2(2) 修学旅行引率旅費等について

・貸切りバスなど各種料金の大幅な値上がりや地域の交通事情を踏まえた予算を確保することを要望する。

・また、配分基準教員数の激変緩和措置を継続するための予算を確保することや特別な配慮が必要な生徒の引率に係る教員の増員など、引き続き学校事情に応じて対応することを要望する。

3 公費負担による口座振替

・学校徴収金や団体会計については、公費に準じた取扱になっていることから、金銭事故防止および学校事務の効率化の観点からも、引き続き公費負担による口座振替を実施することを要望する。

4 道高校奨学会奨学金の支給方式

・道高校奨学会奨学金について、自己申請制度を設定し、直接、奨学金から個人へ支給する方式を取り入れるなど、関係機関で検討し学校の事務負担を軽減することを要望する。

◆教職員関係

1(1) 教職員加配の弾力的な運用と拡充〈重点〉

・学校や生徒の実態に即した個別最適な学びや協働的な学びのための学校改善、研究指定校事業の取組の充実、学習指導・生徒指導の質の向上、特別支援教育への対応、働き方改革の推進などに積極的に取り組めるよう、国の教職員加配に加え、道独自の加配など、弾力的な運用と拡充を図ることを要望する。

1(2) 講師時間数増と配当時数の弾力化

・生徒の実態に応じて多様な選択教科・科目を設定するため、国の研究事業等、学校の実情に十分配慮して講師時間数を増やすとともに、3間口以下の学校についても、間口数や学校の実情に応じた講師時間数の配当を図ることを要望する。

1(3) 外部講師等の確保

・グローバル化への対応や外国語教育および総合学科における教育活動の充実のため、民間非常勤講師の時間数確保を要望する。また、ALTの配置を含む外国人講師を拡大することを要望する。

2(1) 教職員の人事

・人事異動要綱・実施要領について、一部改正後の実施状況を検証し、都市部における長年勤務の解消や、アンバランスな都市部と郡部の年齢構成の平準化等の改善を図ることを要望する。

2(2) 行政職員に係る人事〈重点〉

・行政職員については、業務の円滑な遂行と相互けん制の確保をするため定数改善を要望する。

・また、事務主任を適切に配置することを要望する。

2(3) 管理職に係る人事

・減少している教頭の候補者を確保し、教頭未配置校をつくらないために、待遇改善や特殊事情による勤務地への配慮を要望する。また、6間口規模や複数学科の学校などに教頭を複数配置するための弾力的運用など、具体的かつ実効性のある方策を早急に導入することを要望する。〈重点〉

・副校長の配置については、学校組織運営体制の一層の充実を図る観点から、支部長校をはじめ、学校の実情に応じて、加配として配置することを要望する。

2(4) 主幹教諭配置に係る講師時間数の配分

・主幹教諭の職務を遂行するために、授業担当時間数を軽減できるよう講師時間数を配分することを要望する。

2(5) 正規採用者の確保

・教員希望者の減少や採用登録辞退者の増加を踏まえ、高い資質を有する優れた人材を確保するため、待遇の改善を図るなど、より効果的な正規採用者確保のための方策を講じることを要望する。〈重点〉

・また、郡部における期限付教諭や年度途中の産休・育休等の代替教員の配置について、欠員とならないよう、人材の確保を要望する。〈重点〉

・新学習指導要領に対応した7年度から始まる大学入学共通テストにおいて、新たに「情報」が出題教科として設定が予定されているなど、情報教育の比重が高くなっていることから、情報の免許所有者の採用を増やすとともに、情報の教諭が適正に配置されるよう要望する。〈重点〉

・職業学科の実習を担当する実習助手の採用について、専門性(知識・技術・技能)を有する者の確保に、引き続き十分配慮するとともに、採用に当たって「特別選考」を検討されることを要望する。

2(6) 教科「看護」「福祉」「芸術」「家庭」「情報」「水産」の教員配置に係る人事

・教科「看護」および「福祉」「芸術」「家庭」「情報」「水産」の教員配置については、地域や学校の実情を考慮の上、教員の確保、積極的な任用、他校との兼務のための条件整備および特別免許状制度の活用など、特段の方策を講じることを要望する。

3(1) 暫定再任用制度について

・現行の再任用制度を基本とした「暫定再任用制度」新設の検討に当たり、円滑な制度導入を図り、へき地手当、寒冷地手当等を支給することを要望する。

3(2)舎監等の待遇改善

・寄宿舎を有する学校教職員の業務が過重であることから、働き方改革の観点を踏まえて、舎監の増員もしくは寄宿舎指導員の配置等、加配の措置を要望する。

3(3)公宅の改築・修繕等

・老朽化した公宅の改築や修繕の一層の促進を図るとともに、地域の実情に応じて改築・改修年限の短縮措置を講じるなど、特に郡部の住環境を改善することを要望する。

(関係団体 2022-07-27付)

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