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道教委　オンラインアート教室　７管内１４校で実施予定　帯広美術館、柏葉高定皮切り
（道・道教委 2022-08-30付）

展示室を回り解説した

　【帯広発】道教委が本年度から進めているオンラインアート教室は、７管内１４校での実施を予定している。２３日、道立帯広美術館と帯広柏葉高校定時制（須藤克志校長）での実施が皮切りとなった。同館職員は開催中の特別展を端末のカメラで映し、解説しながら回るなど、オンラインの強みを生かして展開した。

　オンラインアート教室は、道立美術館と学校をオンラインでつなぎ、遠隔地などの子どもたちに対する鑑賞機会の拡充や、美術作品への理解促進を図るもの。

　この日、帯広柏葉高定時制の３年生５人が参加。帯広美術館からは、齊藤千鶴子学芸課長、薗部容子主任学芸員が対応した。

　はじめに、薗部主任学芸員が同館の施設や所蔵品などに関して説明。展覧会等で来館したことがあるか高校生たちに聞くと、数人が手を挙げて反応した。

　続いて、開催中の特別展「竹久夢二　小林かいち　グラフィック黎明期の抒情と詩情」を紹介。小林かいちの作品等が並ぶ展示室は電波が届きづらいことから、人物像や作風を口頭で解説した。

　竹久夢二の作品は、キャスター付の三脚に端末を取り付け、実際に展示室を映しながら説明した。端末のカメラを作品に近付け、色使いや質感が詳細に伝わるよう操作。閉館後のため、マイクや機材を持って回り、オンラインでも解説が聞き取りやすいよう工夫を凝らした。高校生たちの率直な感想を聞き、解説を付け足すなど、双方向のオンラインならではの場面も見られた。

　質疑応答では高校生から、美人画を多く手がけた竹久夢二が生きた時代の前後で、美人画の違いがあるか質問。薗部主任学芸員は、中世から美人画はあるが、美人の基準が時代によって異なることを説き「美術作品は描かれた時代が現れるため、時代背景を知るとより楽しめる」と答えた。

　このあと、美術館の役割や学芸員の業務内容を解説した。

　齊藤学芸課長は今回の配信に関して「定時制高校の授業時間と同館の閉館時間が重なったため、ライブ配信型の展示室観覧が実現した」と振り返った。展示作品のライブ配信は需要が高い可能性も考えられるため「校種や館内の状況を踏まえ、オンラインの強みを生かした対応を検討する必要がある」と話した。

　オンラインアート教室の実施予定校はつぎのとおり。

【近代美術館】

▼空知管内

▽長沼町長沼小

▽月形町月形中

▼石狩管内

▽札幌市栄緑小

▽札幌西高

▽手稲養護三角山分校