第2回道ケアラー支援有識者会議 相談できた数を大切に 支援計画の数値目標で議論(道・道教委 2022-10-11付)
道は6日、札幌市内のかでる2・7とオンラインで4年度第2回北海道ケアラー支援有識者会議を開いた。年度内の策定を目指す「仮称・北海道ケアラー支援推進計画」のたたき台について審議。道が示した数値目標に議論が集中し、特に児童生徒の「ヤングケアラー」という言葉の認知度を目標にするのではなく「困ったときにどれだけ相談できたかが重要では」といった意見が多数出された。
4月に施行された道ケアラー支援条例に基づき、支援の在り方等について有識者等の意見を聞くもの。
はじめに、道が実施した小学生・大学生・小学校へのヤングケアラー実態調査について報告。委員からは「回収率が1・5%と大変低い大学生には大学の講義内で実施してもらうなど、やり方の充実を」「ポスターなどで知らせるだけではなく教員からアナウンスしなければ」等の意見が。
続いて、上半期の道の取組について報告。ケアラーについてホームページやSNS、広報誌などで周知したほか、ポスターをコンビニなど1万5000ヵ所に掲示。教職員には8月からオンデマンドの研修を開始したことなどを述べた。
このあと、道ケアラー支援推進計画のたたき台について説明。190ページに及ぶ詳細なもので「これ1冊あればケアラーについて理解し行動できるようにした」とした。
また、同計画では数値目標を設定。ヤングケアラーについては「児童生徒の認知度70%以上」「学校の認知度100%」「研修の受講者数800人×3年=2400人」「相談支援体制の構築と窓口の明確化=全市町村」などとした。
委員からは子どもの認知について多くの意見が出され「子どもが言葉を知る必要があるのか。レッテル貼りやいじめにもつながる。大人が行政サービスにつなげればいい話ではないか」「次回の実態調査でもヤングケアラーを知っているかと問うのか。言葉を知っているかではなく、困ったときにどこに相談できるかが大切ではないか」「子どもにヤングケアラーについて伝えるときは、授業の中などで正確な情報を伝えるべき」「数値目標は言葉の認知度ではなく、困ったときに相談して解決できたかという結果の評価の方が良い」などの改善案が示された。
また「子どもがケアラーになっているということは、その家庭への支援が足りていないということ。どんな支援や手立てがあるかをもっと盛り込んでほしい」といった意見も出された。
事務局ではこれらの意見を踏まえ調整する意向を示した。
(道・道教委 2022-10-11付)
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