北理研第7回札幌支部理科教育研究大会学年別分科会主張内容③ 粒子の保存性に着目し考察 物のとけ方 対話通し考え共有(札幌市 2022-11-07付)
5年「物のとけ方」
◆指導者=福本雄太教諭(北九条小)
◆発表者=稲場康訓教諭(栄緑小)
▼重点1「課題と問題の関連を明確にした単元構成」
本単元は「粒子の保存性」に関わるもの。物が溶ける様子から保存性について考えるきっかけを生み、溶けた物の行方を追究することから、保存性について認識を深めていく。
さらに、温めて溶けて見えなくなったミョウバンが冷めて析出した事実から要因を追究し、溶けている量と析出した量を結び付けていくことで「冷やすことで、溶けていられなかった分が出てくる」と粒子も保存性を実感していく。
このように、粒子の保存性を実感した子どもが「だから、食塩水は時間が経っても、あまり食塩が出てこなかったんだ」などと、見た目は似ていても、物によって性質が違うという価値を創ることを本部会では目指した。
単元を構成するに当たり、アンケートによって子どもの経験を調査してみると「温度を上げれば、物の溶ける量は増えそう」と思っている子どもが82%、「再結晶をさせて物を作ったことがある」子どもは17%だった。
そこで、本実践では、食塩を先に扱うこととした。1次において、塩を先に扱うことで、子どもは、温めて溶かしたあと、数時間が経っても蒸発によって、少しの固体しか析出しない経験をする。
そして、2次のミョウバンにおいて同じように温めて溶かしたあと、食塩の経験を想起し、この後ミョウバンがどうなるのか気になっている子どもに「ミョウバン水も、食塩水のように時間が経ったら水が蒸発して、固体が出てくるかな」というミョウバン水の析出量に関する課題を提示する。
そうすることで「ミョウバンも水が蒸発してその分固体が出てくるはずだ」という見通しと「予想以上に出てきた」という事実のずれから「出てくる量と温度には、どのような関係があるのかな」という問題が生まれてくると考えた。
▼重点2「自然事象を見つめ直すきっかけを生む対話」
前時にミョウバンが予想以上に析出する事実が問題になったあと、グループでスクールタクトを用いて考えをまとめ、本時で考えを共有する場を設ける。
写真やグラフがあることで、析出した量と溶けている量を関係付けやすくなり「粒子の保存性」を根拠にした子どもの考えもより共有され、対話のきっかけとなると考える。
▼本時場面
本時は、温度とミョウバンの析出量の関係を明らかにすることを目指し、追究する場面である。
子どもは、溶けきれなかった分が出てくるはずという見通しを持って活動に向かった。
析出した量を直接計測することはできないため、同じ量のミョウバンが入っているビーカーに水を入れ、析出した量と高さを比較し、おおよそどの程度析出したのかを判断した。
今まで扱ってきた20度以上の温度の析出量のデータに加え、20度以下の析出量も加えた多くのデータから粒子の保存性について考え、表現することをねらった。
(札幌市 2022-11-07付)
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