学びを自分事で捉える 道生総連 オホーツクで大会(関係団体 2022-11-14付)
現地参加とオンラインによるハイブリット形式で実施した
【網走発】道生活科・総合的な学習教育連盟(道生総連、熊谷雅史委員長)は4日、北見市立南小学校と北見芸術文化ホールで第31回道生活科・総合的な学習教育研究大会オホーツク・北見大会を開催した。現地参加とオンラインによるハイブリッド形式で実施。大会主題「自分発・自分行~学びを自分事として捉え、本気で学び続ける子ども」のもと、公開授業や研究提言などを通じて、自ら課題を設定し学び続ける子どもを育成するための授業実践に向けて研鑚を積んだ。
同大会は、日本生活科・総合的学習教育学会道支部共催、オホーツク地区生活科・総合的な学習教育連盟主管、道教委、オホーツク市教委など後援。
開会に当たり、熊谷委員長は、これからの時代を生きる子どもたちに必要な資質・能力の育成を目指した授業改善が本格的に進む中「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた個別最適な学び、協働的な学びの一体的な充実が一層求められている」と強調。今回の研究大会を「今後の新たな可能性を見いだす大切な大会」として上で「一人ひとりが学ぶことを、各学校で積極的に発信していってほしい」と呼びかけた。
オホーツク地区生総連の畠山治夫会長は「生活科と総合的な学習の時間の質的向上を目指して課題意識を共有し、これからの授業の在り方を考える有意義な機会とするために忌憚のない意見を」と求めた。
続いて、北見市立南小2年の生活科「つくってためして」(西川祐平教諭)、6年の総合的な学習の時間「ふだんのくらしをしあわせにプロジェクト」(園部綾華教諭)の授業を現地とオンラインによるハイブリッド形式で公開。また、事前に録画した大空町立東藻琴小学校5年の総合的な学習の時間「生どらの秘密」(吉野郁未教諭)の動画を配信した。
続いて、道生総連の小山恒研究部長が連盟主題について、オホーツク地区生総連の中尾隼人研究部長が大会主題についてそれぞれ研究提言。
小山研究部長は、連盟研究主題「自ら学びの世界を拡げ、よりよい自分を創る子ども」に掲げられている子ども像に迫る視点や手だてを学習像と教師の関わりから考察。学習像については、自ら課題を見つけ学び続ける姿勢と他者と共に生きる積極的な姿勢が求められていることを確認した。
また、教師の関わりについて、子どもが自分の思いや願いを持って対象と関わる中で自分なりの見方や考え方を持ったり、本質に迫ったりすることで、新たな価値を見いだしていく姿をしっかりと受け止め伸ばしていく必要があるとした。
これら2つの視点をもとにして、研究の重点を①子どもの資質・能力を高めるカリキュラム・マネジメントの在り方②子どもの資質・能力を高める学びのプロセスの在り方―の2点に設定。①では教科等横断的な学習によって、学習活動全体を俯瞰すること、単元配列表作成などの検証活動を行うことを挙げた。
②では、学習の過程を一層重視するなどして、子どもの育ちの到達点と通過点の明確化を図ることを示した。
中尾研究部長は、オホーツクの目指す子どもの姿「学びを自分事として捉え、本気で学び続ける子ども」の育成に向けて、実践課題をもとに設定した研究テーマ「自分発・自分行」について説明。
子どもが自分から学び始める(自分発)ためには、総合的な学習の時間では「子どもにとって本物の問いが必要」と指摘。自分たちの地域と結び付いたリアリティーのある問いや、環境問題など世界規模で捉えられているクオリティーの高い問いを設定し探究的な学習を進めていることを示した。
生活科では、子どもの「〇〇したい」を生むための教材の設定や提示の工夫、「〇〇したい」を継続させるための体験・表現活動を繰り返す学習展開と、思い・願いを実現できる学習環境の充実を図っていることを伝えた。
自分に返ってくる学び(自分行)のためには「子どもが身に付けるべき資質・能力を教師が明確化するとともに、適切な評価計画に基づいて資質・能力ベースで授業を改善する必要がある」と資質・能力を確実に伸ばしていくための授業実践を提言した。
このあと、授業分科会と講演会を実施。文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の齋藤博伸氏が講師として「生活科・総合的な学習の時間における学習評価」をテーマに講演した。
(関係団体 2022-11-14付)
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