石狩管内社会教育主事会 研究協 オンラインの功罪的確に 時代に即したコミュニティーへ(関係団体 2022-11-16付)
石狩管内社会教育主事会(兼平一志会長)は8日、オンラインで4年度第3回管内社会教育主事等研究協議会を開いた。テーマは「社会教育の過去・現在・未来~多様化するコミュニティで自発する住民のスキルづくり」。コロナ前とコロナ禍のコミュニティーの特徴を分析し、コミュニティーづくりのスキル(仕掛け)について研究協議。オンラインでのつながりの無機質さや、ICT熟練度による情報格差の広がりといった点に話題が集中し「近くの人間だけで集まり、そうした集まり同士をオンラインで結ぶ手法もあるのでは」「誰も取り残さない支援が大切」など多くの声が出された。
近年、社会教育推進上の課題が山積している中で、課題解決に向け、社会教育主事等関係職員が一堂に会し、管内市町村生涯学習社会の充実に向けた具体的推進方策を究明していくもの。
はじめに兼平会長があいさつ。同会の設立50周年記念事業について「コロナ禍が広がる中、断念せざるを得ない」との考えを示し「規模を縮小するなどし、何らかのことを検討していきたい」と述べた。50周年記念誌は「来年3月に発行する」とした。
その上で「本会は山積する課題の解決を目指し研鑚を深めてきたが、まちづくり、人づくりなどは道半ば」「地縁、血縁の世界は良い面もあったがしがらみもあり、核家族化、団地化によってコミュニティーはどんどん薄れていった」と指摘。
「コミュニティーの形成は行政主導ではなく住民の民意によるもの」「現在のコミュニティーはデジタル化が進んでいるが、ICTが苦手な方もいる。誰も取り残さないための支援が大切」などと訴えた。
続いて、石狩教育局の久末考勇社会教育指導班主査が「現在のコミュニティづくり」について発表。近年の地震災害やコロナ禍などによるコミュニティーの変化、国のGIGAスクール構想やデジタル田園都市国家構想などによる子どもを取り巻く環境の変化を述べ「今までの価値観では通用しない」と述べた。
また北海道胆振東部地震の避難所で、数日経つと「子どもが騒いでうるさい」という苦情が出るようになり、SNSでボランティアを募り、避難所の近隣のスペースを活用して子どもの居場所をつくった例を紹介。新たな発想で課題解消に取り組むことの大切さを説いた。
このあと、3グループに分かれ、90年代からコロナ前、コロナ禍の「現在のコミュニティの特徴」と「自発する住民づくりのためにしてきたスキル(仕掛け)」について研究協議。
中では特にオンラインについて「得意な人はいいが、苦手な人は取り残されてしまう。ICTが使える人間だけで物事を決めるようになってはいけない」「対面ではたまたま隣に座った人との会話で新たなアイデアが生じたりしたが、オンラインではそれがない」「コロナ禍とはいえ、近場など集まれる所は集まって、そうした集団をオンラインでつなぐハイブリッド型にしてはどうか。また、感染状況を見極める力が必要となる」「オンラインは無機質で温かみがなくつながりが薄い。SNSなどに長けている人はつながりをつくれるが、できない人との格差が広がっていく」「会って話すとまとまる話もオンラインだとまとまらない。信頼関係やコミュニティーがつくりづらい」など、多くの意見が出され、これらを克服するためのスキルについて話し合った。
また「社会教育士が今後増えてくる。われわれよりもっと自由に動ける社会教育士に負けないよう努力していく必要があるし、しっかり連携していくことが大切」など、活発な意見が出された。
最後に、市町村からの情報交換や石狩局からの情報提供を行った。次回は「未来のコミュニティ」づくりとそのためのスキルについて協議する予定。
(関係団体 2022-11-16付)
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