世界に関わる行動力を 全海研が釧路で北海道大会
(関係団体 2022-11-11付)

 【釧路発】全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(全海研、滝多賀雄会長)、道国際理解教育研究協議会(小松裕和会長)、釧路地方国際理解教育研究会(小川一法会長)は10月下旬、第43回道国際理解教育研究大会釧路大会をリモート形式で開催した。道内の小・中学校および義務教育学校から約150人が参加。公開授業や研究発表などを通して、多様な世界とのつながりを感じ、行動力を育むことができる国際理解教育の在り方を探究した。

 コロナ禍の影響によって、大会開催は3年ぶり。釧路開催は9年ぶり4回目となる。道教育大学附属釧路義務教育学校後期課程を配信主会場にオンライン形式で行われ、公開授業はユーチューブで配信。参加者は事前に視聴した上で参加した。

 大会主題は「多様な世界に関わり続ける行動力を身に付けた児童生徒の育成~多様な世界とのつながりを感じ、行動力を育むことができる授業を目指して」。

 開会式では、滝会長がビデオメッセージであいさつ。コロナ禍の中、多くの方が参加したことに謝意を示した上で、平和な世界を実現するため、国際理解教育が果たす役割は大きいとし、大会の成果に期待を寄せた。

 続いて、小松会長があいさつ。大会がグローバル化や多様性、新たな価値観など、持続可能な視点から子どもたちの未来を見つめ、社会を生き抜く力を培う一助となるよう呼びかけた。

 小川実行委員長は、SDGsの視点を踏まえた授業づくりと研究部が授業中心に進めた研修を強調。「無理なく、楽しく、役に立つ」ことで、あすの授業につながる研究会になることを願った。

 引き続き、全体会が行われ、道国際理解教育研究協議会の関本勝幸研究部長(札幌市立ノホロの丘小)と釧路地方国際理解教育研究会の横田亮研究部長(釧路市立阿寒小)が、それぞれ研究内容について発表した。

 関本研究部長は、主題設定について説明。多様な世界に関わり続けることや行動力と主題との関連性について解説した。研究主題の具現化のため、目指す児童生徒と授業の姿を設定。研究の視点として①問題解決的な学習②対話を通して価値に迫る―の2点を提示した。また「時間・空間軸上で捉える行動力へのベクトル」を図で示して解説。多様な世界と関わりへの意識の高まりや行動力が、未来に向けた持続可能な平和な社会の創造に結び付くとした。

 横田研究部長は、釧路地方国際理解教育研究会の研究理論について解説。研究の目的やこれまでの経緯などを話したあと、副主題について、国際理解教育で目指す児童生徒の姿を提示しながら研究仮説や視点を明示。行動力を育むために国際理解教育の授業で大切にしたい視点(単元の中で、児童生徒が自分なりに行動を起こすことができる場の保証など)4点を提示。SDGs時代の国際理解教育は、授業を通して自分と社会をつなぎ、それらの変容を目指した学びを創造することが大切とした。

 全体会終了後、各分科会で授業や研究内容等についての研究協議が行われた。

 公開授業の授業者と提言者はつぎのとおり。

▼小学校

▽宝力駿教諭(釧路市桜が丘小)=4年道徳「世界の子どもたちのために」

▽小野寺隆教諭(釧路市鶴野小)=6年総合的な学習の時間「私たちのSDGs」

▽坂下眞美教諭(道教大附属釧路義務前期)=6年外国語科「We all live on the Earth」

▼中学校

▽阿部周平教諭(釧路市青陵中)=3年国語科「説得力ある構成を考えよう“スピーチで社会に思いを届ける”」

▽栁澤脩介教諭(釧路市青陵中)=3年社会科「個人を尊重する日本国憲法“私たちと平和主義”」

▽澤田康介教諭(道教大附属釧路義務後期)=2年総合的な学習の時間「釧路パワーアクション“防災の視点で釧路を見つめる”」

(関係団体 2022-11-11付)

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