6分科会で研究協議 対話通し課題解決へ 釧路市鶴野小 食品ロス考える
(関係団体 2022-11-11付)

6分科会で研究協議
6分科会で研究協議

 研究協議は6分科会で実施され、そのうち第2分科会では、小野寺隆教諭(釧路市立鶴野小)=写真=が指導した「私たちのSDGs」(総合的な学習の時間)の授業を中心に協議が行われた。

 授業は15時間扱いの4時間目。本時の目標を「世界の食料問題と日本の食品ロスとの関連に気付くとともに、日本の食品ロスと自分の生活との関係について考えることができる」とし、国際理解教育の目標を「世界の食料問題を知って自分にできることはないか、身近な食品ロスがどうなれば良いかという問題について、対話を通して解決を図ろうとすることができる」と設定した。

 本時の課題「世界の食料問題を知って、どうしていきたいか、どうなったらいいか」を確認したあと、課題についての考えを出し合い「大量の輸入と食べ残し」の動画を視聴。世界の食料問題と日本との関わりについて感じたことなどを発表し合った。

 身近な食品ロスを減らすことが、世界の食料問題解決につながることを確かめたあと、動画「まだ食べられるのに捨てられてしまった“食品ロス”」を視聴した。

子どもたちからは「給食の好き嫌いも原因かな」「家でも気を付けることができる」などの意見が出されるなど、自分の身の回りの生活を振り返り、食品ロスを生み出していないかを考えた。

 世界の食料問題の一端として食品ロス問題があることを知るとともに、この問題と自分の生活とのつながりに目を向けることで、日本の食品ロスを少なくし、自分の身の回りの食品ロスを減らしていけると良いことを確認した。

 研究協議は、オンライン形式で行われ、第2分科会には全道各地から28人が参加。授業や研究内容について熱心な協議が行われた。

 参加者からは、子どもたちの発言が活発で、どんな意見も受け入れる土壌が学級内にあるなど、学級経営を評価する声が上がった。食品ロス問題に対しては「どんな方法で」「どんな相手に」を明確にすることで、自分たちのアクションへの反応をよりダイレクトに感じ、主体的に取組を進める力につながっていくといった声も。

また、動機付けの工夫が、共感的理解につながり、自分事として捉えることに結び付くのではという意見が上がるなど、SDGs時代の国際理解教育に関わる活発な意見交流が行われた。

 助言に立った釧路市教委の渡部潤指導主事は、子どもたちがこの問題を自分事として捉えていたことを評価した上で、食品ロスを焦点化しながらも、一度立ち止まらせる活動を提案。誰が気を付けるという視点から、家族や友達、学校のみんななど、徐々に対象を広い視野で広げていくことも大切とした。

 また、今後に向けて体験活動の充実や子どもの思いをもとにしながら、必要感のある手立てを取るなど、国際理解教育のねらいを含んだ総合的な学習の時間に期待を寄せた。

(関係団体 2022-11-11付)

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