北海道教育の日 第15回制定記念行事 子ども食堂との連携を 貧困家庭の子に大切な支援は
(関係団体 2022-11-07付)

北海道教育の日第15回制定記念行事
柴田会長は子の食事と居場所について連携した支援を訴えた

 「北海道教育の日」道民運動推進協議会(柴田達夫会長)は1日、ホテルライフォート札幌で第15回制定記念行事を開催した。会場、オンライン合わせ約100人が参加。柴田会長は「子どもの7人に1人が貧困状態にある」と警鐘を鳴らし「本日は、子ども食堂の方々に発表いただく。家庭環境に困難を抱えた子どもたちにとって何が大切かを、皆さんと一緒に考えていきたい」と呼びかけた。

 北海道教育の日は、全ての道民が教育についての理解と関心を高め、家庭・学校・地域がそれぞれの役割を担い、「北海道の子どもたちは、道民の手で育んでいく」との思いをもって語り合い、行動する契機となる日として平成18年に制定された。

 毎年10、11月を関連行事を集中的に行う「強調月間」と設定。ことしも1296件もの行事が全道各地で展開される。

 また11月1日には毎年制定記念行事を開催。今回のテーマは、29年度に設定した「あなたはだれかのために、何ができますか?~子どもたちに“共に歩もうとする力”を!」を継続した。

 会場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため参加人数を制限し、座席の間隔を広く設定したほか、消毒など万全を期しオンラインを併用した。

 開会に当たり柴田会長は、新型コロナウイルス感染症について「今なお多くの方が発症しているが、99%が軽症や無症状。今後は予防と社会経済活動推進の両輪で行かなければいけないと思う」との認識を述べた。

 また「1人1台端末の実現など素晴らしいこともあったが、オンラインではできない役割があることも気付かされた。それは食事と居場所の提供である」と指摘。

 「調査では、中間的な所得の半分にも満たない収入の家庭の子が13・5%いる。つまり7人に1人が貧困状態ということ」と述べ「本日は、こうした子に食事や居場所を提供する子ども食堂の方々に発表いただく。家庭環境に困難を抱えた子どもたちにとって何が大切かを、皆さんと一緒に考えたい」と呼びかけた。

 続いて来賓の倉本博史道教委教育長があいさつ。「変化の激しい今日の社会では、従来の知識・経験では解を見つけ出すのが難しい時代となっている」などと述べ「困難を乗り越え、豊かな人生を切り開くためには、多様な他者と協働しながら持続可能な社会のつくり手として育っていくことが大切」「学力・体力の向上、いじめ・不登校、部活動の地域移行、働き方改革など、多くの課題を抱える中、学校・家庭・地域が一体となって子どもの成長を支えることが大切」とし「北海道教育の日は大変意義深く、引き続き連携しながら各種施策を推進していきたい」などと述べた。

 このあと記念講演。「広げよう子どもの居場所~子ども食堂の活動と学校・地域・企業の連携」をテーマに、こども食堂北海道ネットワークの松本克博事務局長と、こども食堂「もくきち」の宮川智嘉事務局長がそれぞれの活動を紹介した。

 このうち宮川事務局長は、子ども食堂の活動を通じ「人と人とのつながりが希薄化し、子どもを見守る風土がなくなってきている」「子どもや高齢者の居場所が喪失している」と指摘。「それぞれできることは限られており、連携することで課題を解消していける」「学校や企業などと連携していくことで、子どもの居場所も増えていく」などと語った。

(関係団体 2022-11-07付)

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