国の2次補正 子ども関連予算
(国 2022-12-12付)

 国の第2次補正予算における子ども関連予算の概要はつぎのとおり。

【こどもの視点に立った司令塔機能の発揮、こども基本法の着実な施行】

▼こどもの意見聴取と政策への反映=0・5億円

▽こども・若者意見反映推進のための調査研究(内閣官房)=0・47億円―新規

 様々な状況に置かれたこども・若者からの意見聴取の在り方や、こどもの意見を引き出すファシリテーターの養成、行政職員の理解と実践を推進するための方策に関して調査研究を実施し、その成果を各府省庁や地方自治体等と共有することによって、政策決定過程におけるこども・若者からの意見反映を推進する。

【結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる社会の実現、少子化の克服】=1464億円

 ― 略 ―

【全てのこどもに、健やかで安全・安心に成長できる環境を提供する】=2229億円

▼総合的な子育て支援=1909億円

▽子どものための教育・保育給付等(内閣府)=1283億円―新規

 4年人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定の内容に準じた幼稚園教諭・保育士等の待遇改善を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の対応として、市町村からの要請等に基づき保育所等を休園等した場合の保育料の日割り減免に伴う子どものための教育・保育給付交付金の増分等について財政措置を行う。

▽放課後児童クラブ等のICT化の推進進(内閣府)=16億円

 放課後児童クラブ等において、連絡帳の電子化、オンラインを活用した研修・会議等に必要なICT機器の導入等の環境整備や多言

語音声翻訳システム等の導入に係る費用を補助する。

▽地域子ども・子育て支援事業における感染症拡大防止対策に係る支援(内閣府)=26億円

 放課後児童クラブをはじめとする地域子ども・子育て支援事業を行う事業所において、新型コロナウイルス感染症の感染者や濃厚接触者が発生した場合に、職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費について補助を行う。

▽保育の受け皿整備・保育人材の確保等(厚労省)=498億円

・保育の受け皿整備等

 「新子育て安心プラン」に基づく保育の受け皿整備を促進するための保育所等の整備に要する費用について、プランの着実な実施に向けて必要な経費を計上する。また、国土強靱化5か年加速化計画に基づき、保育所等の防災・減災対策を推進するため、耐震化に伴う改修・大規模修繕等に必要な経費を計上する。

・保育人材確保のための総合的な対策

 「新子育て安心プラン」に基づく保育の受け皿整備に向けた保育人材の確保を進めるため、保育所等のICT化を推進し、保育士の

業務負担軽減を図る。

 また、保育人材確保事業を着実に実施するため、都道府県・指定都市で実施している保育士修学資金貸付等事業の貸付原資等の充実や新規に貸付事業を実施する自治体への支援を行う。

・新型コロナウイルス支援

 保育所等における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策の支援として、新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者等が発生した場合に、職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費を支援する。

▽認定こども園施設整備(文科省)

・認定こども園の施設整備(私立)

 こどもを安心して育てることができる体制の整備を促進することを目的に、都道府県が行う認定こども園の施設整備事業(新築、増改築、大規模修繕等)に係る経費の一部を交付する。

・認定こども園の施設整備(公立)

 教育環境の向上と老朽化対策の整備を推進することを目的に、地方公共団体が行う認定こども園の施設整備に係る経費の一部を交付する。

▼こどもの居場所づくり支援=58億円

▽放課後児童クラブの受け皿整備・放課後子供教室との連携推進(内閣府・厚労省)=12億円

・放課後児童クラブの待機児童を早期に解消するため、待機児童が発生している市町村等における放課後児童クラブ整備の加速化を図る。

 また、放課後児童クラブと放課後子供教室が連携して事業を実施し、放課後の子どもの居場所機能の強化を図るため、両事業に関わる者の連絡調整の場の設置、連携に資する事前準備から事業実施の検証を行うことによって、両事業の連携または一体的実施を促進する。

▽NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業(内閣官房・厚労省)=1・5億円―新規

・全てのこどもが、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、自己肯定感や自己有用感を高め、幸せな状態(Well―being)で成長することができるよう、NPO等の民間団体が創意工夫して行う居場所づくりや子どもの可能性を引き出す取組への効果的な支援方法等を検証するためのモデル事業を創設する。

▽「こども食堂」など食事等の提供を行うNPO等に対する支援(内閣府)=20・5億円

・NPO等が行うこどもの居場所づくりに係る地方公共団体による支援について、食事、食材等の提供を行う支援を強化するため補助上限額を引き上げるなどの充実を図り、経済的に困難を抱える家庭の負担軽減を図る。

▼こどもの安全・安心=262億円

▽「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」の推進(内閣府・文科省・厚労省)=234億円―新規

・子どもの安全対策を強化するため、送迎用バスへの安全装置や、登園管理システム、こどもの見守りタグ(GPS)の導入の支援などを行う。

▽児童福祉施設等の災害復旧への支援(厚労省)=29億円

【成育環境にかかわらず誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障する】=87億円

▼児童虐待防止対策・社会的養育の迅速かつ強力な推進=45億円

▽児童虐待防止対策の推進(厚労省)=9億円

・児童相談所等において、テレビ会議やタブレット端末等の活用を促進し、業務の負担軽減・ICT化を図る。

・児童相談所における一時保護の判断に当たり、AIを活用した緊急性の判断に資するツールの開発を促進する。

▽社会的養育の充実(厚労省)=22億円

・児童養護施設退所者等の支援の充実を図るため、自立支援に活用している貸付事業を拡充し、疾病等によって医療機関を受診する場合の生活費の貸付金額を増額する。

・新型コロナウイルス感染症の感染者や濃厚接触者が発生した児童養護施設等において、消毒や清掃に要する費用等のほか、感染症対策の徹底を図りながら業務を継続的に実施していくために必要な経費(かかり増し経費等)や、緊急時に備えた施設・事業所の支援体制の整備に必要な経費について補助を行う。

▽児童福祉施設等の耐災害性強化(厚労省)=14億円

・「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、児童福祉施設等における耐震化整備、非常用自家発電設備の設置、浸水対策等を支援する。

▼ひとり親家庭等への支援=30億円

▽ひとり親家庭等への支援(厚労省)=30億円

・困窮するひとり親家庭等や要支援世帯の子ども等を対象とした子ども食堂など、子どもの居場所や食への支援を行う。

・IT機器等の活用をはじめとしたひとり親家庭等のワンストップ相談支援体制の構築・強化を図る事業を実施する。

・高等職業訓練促進給付金を活用して養成機関に在学し、就職に有利な資格の取得を目指すひとり親家庭の親に入学準備金・就職準備金の貸付を行う事業を引き続き実施する。

・新型コロナウイルス感染症の感染者や濃厚接触者が発生した、ひとり親家庭に対する子どもの生活・学習支援事業を行う事業所において、消毒や清掃に要する費用等のほか、感染症対策の徹底を図りながら業務を継続的に実施していくために必要な経費(かかり増し経費等)を補助する。

▼潜在的に支援が必要なこどもをアウトリーチ支援につなげるためのこどもデータ連携の推進=12億円―新規

▽潜在的に支援が必要なこどもをアウトリーチ支援につなげるための情報・データ連携に係る実証事業(内閣官房・内閣府)=12億円―新規

・地方自治体において、個々の子どもや家庭の状況や利用している支援等に関する教育・保健・福祉などの情報・データを分野横断的に連携し、精査を行うことで、個人情報の適正な取り扱いに配慮しながら、潜在的に支援が必要な子どもや家庭を把握し、アウトリーチ支援につなげる実証事業を実施する。

(国 2022-12-12付)

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