通常学級で支援が必要な子 小中8.8% 高校2.2% 文科省調査 外部連携は約1割(国 2022-12-15付)
文部科学省は13日、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果を公表した。学習面(聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなど)または行動面(不注意、多動性、衝動性、対人関係やこだわりなど)で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合の推定値は小・中学校が8・8%、高校が2・2%。福祉や保健など外部の専門家に意見を聞いている割合は約1割にとどまった。
調査は通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態と支援の状況を明らかにし、今後の施策の在り方を検討する基礎資料とすることがねらい。高校の通級指導が平成30年度から制度化されたことを受け、対象校種に高校を追加している。
一方、専門家や医師による診断ではなく学級担任等による回答に基づくものであるため、発達障がいではなく特別な教育的支援を必要とする児童生徒数の割合であることに留意する必要があるとしている。
調査対象は、全国の小・中学校、高校(全日制・定時制)に在籍する児童生徒8万8516人で回収率は84・6%。学校数は1800校で回収率90・4%。調査の実施期間は1、2月。
知的発達に遅れはないものの学習面、または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合をみると、小学校が10・4%、中学校が5・6%で合計8・8%。10年前の前回調査から1・7ポイント増加し、35人学級では3人が該当する計算となった。
「校内委員会で現在、特別な教育的支援が必要と判断されている」と回答した割合は、小・中学校が28・7%、高校が20・3%。通級による指導を受けている割合は小・中学校が10・6%、高校が5・6%だった。
今回、新たに調査項目に加えた「専門家(特別支援学校、巡回相談員、福祉・保健の関係機関など)に意見を聞いているか」との設問に「定期的に聞いている」と回答した割合は小・中学校が14・8%、高校が9・9%だった。
13日の記者会見で永岡桂子文科大臣は、通級による指導の充実に向けて検討を行う有識者会議の提言を年度内に取りまとめる考えを示し「通級による指導担当教員の基礎定数化を着実に実施し、全ての新規採用教員が概ね10年目までに特別支援学級を複数年度経験することを促すことも考えている。教職課程における特別支援に関する科目の必修化も着実に実施していきたい」との考えを示した。
(国 2022-12-15付)
その他の記事( 国)
文科省5年度予算案の重点 文教関係4兆円で調整 デジタル教科書などDX推進
文部科学省は5年度予算案における文教関係分として、ほぼ例年並みとなる約4兆円を計上する方向で調整している。デジタル教科書の普及など教育のDXの加速化や、35人学級の推進など教員定数の改善に...(2022-12-23) 全て読む
こども家庭庁 5年度予算案概況 学校外からいじめ解消 就学前の子の基本的指針策定
こども家庭庁設立準備室は、同庁の5年度予算案のポイントをまとめた。新たに「学校外からのアプローチによるいじめ解消の仕組みづくりに向けた手法の開発・実証」に取り組むことを明記。専門家の活用等...(2022-12-22) 全て読む
CSと地学協働活動で大臣表彰 名寄高魅力化等に栄誉 文科省 2月3日に表彰式
文部科学省は20日、4年度「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」に係る文科大臣表彰の受賞者を決定した。道内では、名寄高校の魅力化に向けた地域と連携した教育活動など3つの取...(2022-12-22) 全て読む
中教審が文科大臣に答申 令和の教職員集団を形成 教員制度改革へ工程表
中教審は19日の第132回総会で、答申「令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~“新たな教師の学びの姿”の実現と多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」を...(2022-12-21) 全て読む
いじめ対応改善へ文科省協議会 学校・警察の連携強化を 相談体制構築など 1月以降周知
文部科学省のいじめ防止対策協議会は19日、いじめ対応の改善・充実に向けて学校・学校設置者に周知徹底を図る4事項を示した。重大ないじめ事案等の発生時における迅速な相談のほか、日常的な情報共有...(2022-12-20) 全て読む
国の2次補正 子ども関連予算
国の第2次補正予算における子ども関連予算の概要はつぎのとおり。 【こどもの視点に立った司令塔機能の発揮、こども基本法の着実な施行】 ▼こどもの意見聴取と政策への反映=0・5億円 ▽こ...(2022-12-12) 全て読む
各省庁の2次補正子ども関連予算 総額3772億円に 子の意見の反映へ調査研究
こども家庭庁設立準備室は、国の2次補正予算における各省庁の子ども関連予算の概要をまとめた。内閣官房、内閣府、厚生労働省、文部科学省、デジタル庁を合わせた予算総額は3772億円。こども家庭庁...(2022-12-12) 全て読む
国研 CBT研究開発事業 協力校に附属函館中 3年国語・理科で試行
【函館発】道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)は、国立教育政策研究所の委託事業「全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた多様な能力を幅広くかつ的確に測ることができるCBTの特性を生かし...(2022-11-24) 全て読む
自民連携で対応 給特法含め検討 教員の処遇改善へ 永岡文科相
永岡桂子文部科学大臣は18日の記者会見で、自民党の特命委員会で教育人材確保に関する検討が始まったことを受け「大変意義があると考えており、文科省としても連携して対応していきたい」との考えを示...(2022-11-22) 全て読む
文化審議会が文科大臣に答申 白滝遺跡群を「国宝」に 常呂川遺跡は重要文化財
国の文化審議会は18日、4件の美術工芸品を国宝に、47件の美術工芸品を重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。道内では「北海道白滝遺跡群出土品」(遠軽町)の国宝への指定と、「北海道...(2022-11-21) 全て読む