全小社研北海道大会公開授業⑦宮の森小 まちづくり参画の素地養う 札幌市の雪かきチョボラ題材に(札幌市 2022-12-12付)
第4学年授業研究会B(1)
宮の森小学校4年1組(栗原聡太郎教諭)
大雪からくらしを守る~持続可能な冬のまちづくり
◆第4学年で目指す子どもの姿
▼地域を愛し、地域との「つながり」を感じることができる子
第4学年部会が目指す「社会を知り、世界を切り拓く北国の子」とは「地域を愛し、地域とのつながりを感じることができる子」である。
ここでの「つながり」とは、地域と自分との結び付きを理解したり、地域を支え、発展させようとする人々の営みに憧れを抱いたりする姿である。「つながり」を感じるためには、社会に貢献し、持続可能な共生社会を目指す人物の営みとの出合いを通し、その人物の意思や願い、行為の意味を考え、選択・判断を追体験することが大切である。
本単元では、札幌市が雪かきボランティアを中学生へ呼びかけていることの意味を捉え、自らも地域の一員として持続可能な冬のまちづくりに参画していこうとする素地を養っていく。
◆本単元の目標
雪害から人々を守る活動について、過去に発生した地域の雪害、関係機関の協力などに着目して、聞き取り調査をしたり、地図や年表などの資料で調べたりして、必要な情報を集め、ノートなどにまとめ、雪害から人々を守る活動を捉え、市民の生活や少子高齢化などの社会問題と市の除排雪の取組や市民を中心とした雪害から人々を守る活動を関連付けて考え、表現することを通して、札幌市や地域の人々は、雪害に対し、様々な協力や取組をして対処してきたことや、今後想定される雪害に対し、様々な備えをしていることを理解する。
また、主体的に学習問題を追究・解決し、社会の一員として、これからの冬のまちづくりについて考えようとする態度を養う。
◆本時のねらい
札幌市が中学生に雪かきボランティアを呼びかけ続ける意図を少子高齢化の問題や人のつながりが生み出す防災面の良さなどと関連付けて考えることを通して、雪害から人々の安全な生活を守るための持続可能な地域づくりの必要性に気付き、適切に表現している。
◆本時の展開
【子どもの主な活動】
〈問いを生む場〉
▼課題「(中学生の参加人数は少ないのに)秋元克広札幌市長は、どうして中学生にも“雪かきボランティア”を呼びかけ続けているのだろう?」
〈考えをつなぐ場〉
▽中学生
・中学生は力がある
・早く雪かきできる
・朝、学校に行く時に
・人を助けるやりがい
・お年寄りと仲良しに
▽お年寄り
・雪かきが大変
・ありがたい
・中学生に助けてもらってうれしい
・中学生と触れ合う
▽もしものときも
・災害が起きたときに助け合える関係に
・地域の力になってほしい
▽これからの冬でも
・大人になってもボランティアを続けてほしい
・安心な冬の生活をつくる
▼まとめ「中学生が雪かきボランティアに参加することで、お年寄りの冬の生活が助かるね。そして、中学生がお年寄りとつながるようになると災害に対して地域がいつまでも安心できる場所になるね」
〈吟味・検証・再考する場〉
▽自分の家を雪かきしたい
▽隣のお年寄りの家なら雪かきできるよ
▽もっと他の学年にも広めたい
▽家がマンションだから消火栓を雪かきするよ
▽まず、隣のクラスの友達に呼びかける
▽全校のみんなにポスターで呼びかけよう
▼まとめ「雪害から冬の生活を守るために自分たちができることをしたり、活動を広めたりしていく必要があるね」
【教師の具体的な手だて】
〈問いを生む場〉
▽少ない割合にもかかわらず、札幌市が中学生に「雪かきボランティア」を呼びかけ続ける理由について子どもが問題意識を持つことができるよう「雪かきボランティア」に協力する中学生の割合を提示する
〈考えをつなぐ場〉
▽中学生が雪かきをする物理的な良さから中学生が雪かきをすることの社会的価値に迫ることができるよう、中学生とお年寄りとの相互関係に着目したり、地域の高齢化などを根拠にし、時間の経過に着目して考えたりしている意見を取り上げ、冬の地域の安全なまちづくりにおける持続可能性について対話できるようにする
〈吟味・検証・再考する場〉
▽冬の安全なまちづくりに参画しようとする思いを持つことができるよう、小学生も参加可能な「雪かきチョボラ」の良さに目を向けさせたり、雪かきチョボラへの参加人数を提示したりする
▼評価
▽子どもに「雪害から冬の生活を守り続けていくときに大切なことは何か」を問い、社会に見られる課題への関わり方についてノートに記述させ、その雪害から冬の生活を守るために自分たちができることを内容を見取る
(札幌市 2022-12-12付)
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