全小社研北海道大会公開授業⑧桑園小 共生のまちづくり理解深め 国際交流進めるニセコ町を学習(札幌市 2022-12-13付)
第4学年授業研究会B(2)
札幌市立桑園小4年3組(木田孝紀教諭)
北海道の特色ある地域と人々のくらし~国際交流に取り組むまち・ニセコ町
◆第4学年で目指す子どもの姿
▼地域を愛し、地域との「つながり」を感じることができる子
第4学年部会が目指す「社会を知り、世界を切り拓く北国の子」とは「地域を愛し、地域とのつながりを感じることができる子」である。ここでの「つながり」とは、地域と自分との結び付きを理解したり、地域を支え、発展させようとする人々の営みに憧れを抱いたりする姿である。
「つながり」を感じるためには、社会に貢献し、持続可能な共生社会を目指す人物の営みとの出合いを通し、その人物の意思や願い、行為の意味を考え、選択・判断を追体験することが大切である。
本単元では、ニセコで様々なアクティビティーを体験できる会社を経営するロス・フィンドレーさんが多くの外国人をラフティングガイドとして雇用している意味を考えることを通して、多様性を受け入れ、自分とは異なる価値観を持つ他者を尊重しようとする素地を養っていく。
◆本単元の目標
共生のまちづくりに取り組んでいるニセコの様子について、地理的な位置や自然環境、人々の活動や産業の歴史的背景、人々の協力関係などに着目して、地図帳や各種の資料で調べ、必要な情報を集め、ノートなどにまとめる。ニセコ町で行われている共生を目指したまちづくりや産業と地域の発展の様子を捉え、二セコ町で行われている共生を目指したまちづくりや産業と地域の発展の様子を関連付けて考え、表現することを通して、ニセコ町は、人々が協力し、日本人・外国人住民が共生するためのまちづくりに努めていることを理解する。
また、学習問題を主体的に追究・解決し、学習したことをもとに北海道への誇りと愛情を持つことができるようにする。
◆本時のねらい
NAC代表のロス・フィンドレーさんがラフティングガイドとして多くの外国人を雇っている意図を考えることを通して、交流の良さを日本人観光客と外国人ガイド双方の立場で捉え、ロスさんの思いが現在の共生のまちづくりへとつながったことに気付き、適切に表現している。
◆本時の展開
【子どもの主な活動】
〈問いを生む場〉
▽冬だけではなく夏もラフティングが人気
・10人に9人は日本人観光客
・初めての人も
・外国人ガイドは28人中20人
▼課題「(日本人観光客が多いのに)ロス・フィンドレーさんは、どうして多くの外国人をラフティングガイドとして働けるようにしているの?」
〈考えをつなぐ場〉
▽日本人観光客
・外国人とコミュニケーションが取れて楽しい
・互いのことを知ることができる
・外国の人と仲良くなれる
▽外国人ガイド
・日本の人と話すことで、日本語に慣れることができる
・仕事があるおかげで、ずっとニセコにいることができる
▼まとめ「ロス・フィンドレーさんは、ニセコを外国人町民と日本人観光客が触れ合って、国際交流する場所にしたいんだね」
〈吟味・検証・再考する場〉
でも、多くのガイドたちは3~4年で辞めてしまう…その後、どうなっているのだろう?
▽不動産会社→外国人と日本人が交流できるイベントの企画
▽ラフティング会社→多くの日本人観光客を楽しませている
▽カフェ経営→外国人と日本人が集まって話せる場所づくり
「ロスさんの取組がきっかけになっているんじゃないかな」「ロスさんがいなくなっても、続いていきそうだね」
▼まとめ「ニセコ町では多くの外国人と日本人によって、外国人と日本人が共に暮らすまちづくりが広がっていっているね」
【教師の具体的な手だて】
〈問いを生む場〉
▽言葉の壁などがあるにもかかわらず、ロスさんが外国人を多く働けるようにしている理由について子どもが問題意識を持てるよう、外国人のラフティングガイドと日本人ガイドの数を提示する
〈考えをつなぐ場〉
▽「日本人観光客」「外国人ガイド」の立場から具体的に考えることができるよう、子どもたちの実体験などを引き出し、交流することで生まれる良さを浮き彫りにする
▽ロスさんの営みとニセコ町の外国人移住者の増加の関係に気付くことができるよう、外国人移住者のグラフに着目させる
〈吟味・検証・再考する場〉
▽ロスさんの営みがニセコの共生のまちづくりに寄与していることを再考することができるよう、ラフティングガイドとして働いていた外国人たちが、自らのやりたいことを見つけてニセコで働いている事実を提示する
▼評価
▽子どもに「外国人にとってニセコはどのようなまちになってきているのか」を問い、ノートに記述させ、その内容を見取る
(札幌市 2022-12-13付)
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