札幌北陽中　キャリア教育講演会　夢に向かい挑戦続けて　音楽プロデューサー蔦谷氏

（札幌市 2022-12-14付）

生徒たちの質問に丁寧に答える蔦谷氏

　札幌市立北陽中学校（村松信幸校長）は２日、３年生キャリア教育に関する講演会を開催した。札幌出身の音楽プロデューサー蔦谷好位置氏が来校。３年生に向けて、夢に挑戦し続けることの大切さなどを呼びかけた。

　同校は、３ヵ年計画で総合的な学習の時間におけるキャリア教育を推進。３年次には、道外や海外で活躍する人材による講話を通して多様な考え方を知り、より広い視野で職業選択を考える力の育成を目指している。

　講師を務めた蔦谷氏は、大学生の時にバンドを結成。解散後は、作詞・作曲や音楽プロデューサーとして活躍するなど、数多くの歌手への楽曲提供やプロデュースなどを手がけている。

　講演は、キャリア教育を担当する田上有紀教諭が生徒に夢を与える講話を依頼する手紙を送ったことがきっかけ。蔦谷氏が快諾し、実現した。

　大きな拍手で迎えられた蔦谷氏は、自身が音楽活動を志したきっかけや、講演実現に至った経緯を伝えたあと、一問一答形式で話を進めた。

　生徒は「これからしてみたいことはあるか」と質問。蔦谷氏は「若い時はとにかく結果を出したい一心だった。キャリアを重ねるにつれて、１０代２０代の人と仕事をする機会が増えたことで、若者の話に耳を傾けるように意識している」と話した。この日早朝に行われたサッカーワールドカップの日本代表対スペイン代表の試合を引き合いに「歴史を塗り替えるのは若い人たち。自分には技術や経験がある。それを若い世代に伝えたい」と述べた。

　作曲のアイデアについては「“降りてくる”という人もいるが、自分はこれまでの積み重ねが引き出しになっている。培った技術や情熱を大切に作曲している」と話した。人間関係で大切にしていることに関しては「どのような人にもなるべく丁寧に接するよう心がけている。人を（肩書などの）“名札”で見ないようにしている」と述べた。

　学校生活で役に立ったと実感することについては「学校生活で役に立たなかったことは一つもない」と述べ、友人や先生との関わりで得られたことの大切さを伝えた。

　夢を実現するために必要なことに関しては「努力しないと絶対にトップレベルにたどり着けない。夢に向かって一生懸命挑戦し続けることが大切。後悔しない選択をしてほしい」と激励した。

(札幌市 2022-12-14付)