全小社研北海道大会公開授業⑩資生館小 令和型情報産業の工夫考察 テレビ局の果たす役割題材に(札幌市 2022-12-15付)
第5学年授業研究会A(2)
札幌市立資生館小学校5年2組(宮崎世司教諭)
情報産業とわたしたちのくらし~視聴者投稿から見える令和型情報産業の工夫
◆第5学年で目指す子どもの姿
▼日本の産業を発展させている人々の営みに思いをはせ、産業構造の今を知ることで、未来に希望を持ちながら追究する子
第5学年の社会科学習では、国民生活を豊かにしている日本の産業について学んでいく。どの産業学習でも、人々の工夫や努力、そして抱える課題を取り扱う。「資源枯渇」「後継者減少」「少子高齢化」「環境問題」「産業構造変化への対応」など、具体的な解決策を見いだすのが難しい問題ばかりである。
本部会では、発想の転換によってそれらの問題解決を図り、産業の持続可能な発展や地域貢献を成し遂げている人の営みを取り上げ、子どもたちが将来に希望を持ちながら追究できる授業を目指している。
本単元では、高度情報化社会になり、産業構造に変化が起こった情報産業の「今」を子どもたちは学ぶ。スマートフォンなどの普及によって誰もが情報を発信できる時代であるにもかかわらず、テレビ局の情報が信頼されている理由を明らかにしていく。
時代に合わせた工夫をするとともに責任を持って情報を発信しているテレビ局の営みを追究することを通して、情報の「送り手」としての責任や「受け手」としての選択・判断能力を身に付け、将来の生活に活用しようとする子どもの姿を目指す。
◆本単元の目標
わが国の産業と情報の関わりについての学習について、テレビ局が情報を集め発信するまでの工夫や努力などに着目して、聞き取り調査やニュース映像などの資料で調べたりしてまとめ、放送産業の様子を捉え、メディアが果たす役割を考え、表現することを通して、国民生活に大きな影響を及ぼしていることを理解できるようにする。
また、ニュース編集長の天羽司さんの営みを知り、情報の「送り手」としての責任や「受け手」として情報を適切に見極めるなどして生活に生かすことを考えようとする態度を養う。
◆本時のねらい
テレビ局が直接取材していない一般の方から得た災害情報を活用する理由について考える活動を通して、より早く、より詳しい情報を正確に視聴者の方々に発信するための工夫であることを理解し、適切に表現する。
◆本時の展開
【子どもの主な活動】
〈問いを生む場〉
▽UHBが取材した動画
・「正確な報道を意識しているね」
▽視聴者が撮影した動画
・「視聴者動画を放送する必要ある?」
▼課題「(自分たちで取材した情報があるにもかかわらず)UHB編集長の天羽さんは、なぜ、一般の方からの情報を活用しているのか?」
〈考えをつなぐ場〉
▽より早く
・起きた瞬間の映像を流せる→遠い場所だと、取材に時間がかかるから
▽より詳しく
・現場の臨場感、大変さが分かる→家から出られないときの様子なども伝わるから。「一般の方の情報を活用することで、視聴者がより安全に行動できるようにするためなんだ」
〈吟味・検証・再考する場〉
▼課題「自分たちで取材するから正確で、信頼されるはずなのに、もらった情報を放送していいのかな?」
▽視聴者投稿された情報を放送するまでの手順を調べ、正確性を検証する
「やっぱり正確性を大切にして、報道しているんだね」「使う情報に責任を持って、報道しているんだね」
▼まとめ「誰でも情報発信できる時代だからこそ、放送局は一般の方からの情報も生かして、より良い番組を作っている。現場に行かないときでも、正確さを大切にしている」
【教師の具体的な手だて】
〈問いを生む場〉
▽災害情報が視聴者投稿と合わせて報道されている事実を提示することで、正確さが求められる報道は現場に取材に行くはずという既習とのズレを生み、問いを持てるように関わる
〈考えをつなぐ場〉
▽“より早く”を実感できるようにするために、地図を活用し、放送局の場所からかなり離れていることを明確にする
▽放送局がこれまで以上に早く詳しく情報を伝える努力をしている理由を問うことで、視聴者に安全に行動してほしいという願いに気付かせる
〈吟味・検証・再考する場〉
▽もらった情報をすぐには出さない事実を提示し、その意味を問う
▽早さも重要だが、正確さを大切に、責任を持って報道していることを理解できるようにする
▼評価
▽より早く、より詳しくという2つの視点から正確な情報を視聴者に届けたいという天羽さんの意図を捉えているかをノートの記述から見取る
(札幌市 2022-12-15付)
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