PICK UP No.6 胆振・日高(学校 2022-12-19付)
教育局と振興局職員が意見を交わした。左下は生産馬と触れ合う静内農業高の生徒たち
◆地域課題解決へ振興局と連携
胆振教育局は本年度、胆振総合振興局と連携し若手職員による意見交換会を実施している。教育局が提案して実現したもので、管内が抱える行政上の課題の共有や、多角的な視点の醸成に効果が生まれている。
両局は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて若手職員を中心に、協働して啓発活動を展開してきた。教育局の五十嵐隆夫企画総務課長は、若手職員の活動を契機に「柔軟な思考や企画のもとで取組を進め、行政上の課題解決に結び付けることができないか」と期待する。
意見交換会には、両局各課の若手職員計21人が参加。これまでに7月、10月の2回開催している。会議では、計4グループに分かれ課題設定を行い、解決に向けて協議を進めている。具体的には「1次産業を活かした子供の居場所づくり」「管内の魅力を発信し就業人口を増やす」など、意見交換を踏まえて各グループが感じた課題をテーマに協議している。
会議に参加している教育局教職員係の佐藤総太主事は「管内1次産業の深刻な担い手不足や、子育てを行う保護者視点の悩みなど、自身の普段業務では思考外にあった様々な問題を理解できた」と述べ「それぞれの専門的な知識を業務に生かすことで、地域のためとなる取組を積極的に考えていきたい」と話す。
振興局商工労働観光課の阿部泰己主事は「共通課題があることを認識できた。行政を担う一員として協議内容を具体化し実践を図りたい」と力を込める。
今後の会議で、より実現可能な取組内容を固めていく。五十嵐課長は「互いの仕事を理解できたことで、多角的な視点を養うことに結び付いたのでは」と手応えを口にする。「次年度は行政上の課題に対して、振興局と連携しながら取組を進めたい」と展望する。
振興局の佐々木恒介総務課長は「両局の若手職員にとって、互いの施策と融合が地域課題の解決に資するという可能性を感じたのではないか」と強調。「今後も連携を図り、地域課題に取り組んでいきたい」と期待する。
◆静内農高マイスター・ハイスクール
日高軽種馬農協主催の競走馬セリ市が10月までに終わり、総売上が150億円を突破。過去最高額を更新した。競走馬生産が基幹産業の日高管内にとって明るいニュースとなった一方で、生産・育成を支える厩務員等の人材不足が目下の大きな課題となっている。
こうした状況の中、静内農業高校(佐藤裕二校長)が3年度から3ヵ年計画で取り組んでいるマイスター・ハイスクール事業には、馬産業・農業を含めて地域から大きな期待が寄せられている。
文部科学省が指定した同事業は、道教委、新ひだか町、JAしずないをはじめ、多くの企業、関係機関・団体と連携して最先端の職業人材育成システム構築に取り組むもの。2年目となる本年度は事業を本格化させ、「挑戦」をキーワードとして、ウマの仕事に必要な資質・能力の育成や新たな特産品の開発など様々な取組を進めている。
生産科学科(園芸・馬事コース)、食品科学科の2科体制を敷く同校では、各科で事業による取組を実施。事業を統括する桑名真人副校長は「食品、園芸、ウマの分野の様々な専門家に相当な頻度で関わっていただいている。来てもらうだけではなく、働いているところに行って学ぶ場面も多い」と話す。
生産科学科では、元調教師の講話や日高育成牧場の視察などによる将来の進路に直結する学習、食品科学科では雪印メグミルク(株)や食品総合商社・国分北海道(株)など多くの企業等の協力を得ながら新たな地元特産品の商品開発などに取り組んでいる。
佐藤校長は「これからも地域の皆さんの意見を伺いながら、地域の産業人材育成を推進したい」と話している。同校の取組は、地域の基幹産業を支える担い手育成へ大きな期待を背負っている。
(学校 2022-12-19付)
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