経産省指定事業で道教大岩見沢校 部活動地域移行実証実験に着手 拠点校化や移動手段確保等(国 2022-12-23付)
道教大岩見沢校・部活地域移行へ実証実験開始
【岩見沢発】経済産業省未来の教室実証事業の指定を受けている道教育大学岩見沢校による、部活動の地域移行の実証実験がスタートした。13日、岩見沢市立光陵中学校など3校のサッカー部員約20人は、大学が契約するバスなどを利用して会場の明成中学校に移動。2時間程度の合同練習に汗を流した。岩見沢校は今後、部活動の拠点校化とともに、生徒の移動手段確保および保護者の費用負担軽減に向けた分析・検証を進める。
岩見沢校は、経産省による未来の教室実証事業「未来のブカツ」ビジョンの事業者として採択された。部活動の地域移行を契機に、中学生・高校生世代のスポーツ環境を再構築する事例の創出を目指している。
岩見沢市内の部活動を取り巻く状況をみると、少子化の影響でチームスポーツを中心に学校単体での部活動が成立しにくくなっている。
岩見沢校は「学校規模の縮小は、指導できる教員と希望する生徒との間にミスマッチを生じさせる。部活動を含めた青少年のスポーツ参加の機会を減少させ、将来的な地域のスポーツ文化の衰退につながる」と危惧。部活動を学校から切り離すのではなく、維持するために地域全体で環境を整備する。
今回の実証実験では、多人数を必要とするサッカーとバスケットボールを対象に①地域部活動の拠点校化②生徒の移動課題の検証―の2点を検証する。
中学生の冬休み期間を重点的に利用する計画。道教育大岩見沢校と光陵中、明成中の3校を拠点に、希望する学校から部員を募った。
指導者はスポーツ振興に取り組む一般社団法人SLDIのメンバーや、各中学校の教員らが担当。将来的には、大学教員やスポーツを学ぶ学生による指導を検討している。
拠点校への生徒の移動については、岩見沢校がマイクロバスやタクシーを借り上げ、利用率などから費用対効果を分析。安全性の確保や、保護者の費用負担軽減に資する移動手段の在り方を模索する。
最終的には、小学生から大学生、社会人や高齢者など、年齢を問わずにスポーツを楽しむことができる環境の構築につなげたい考えだ。
今後は、拠点化と移動手段提供によるメリットを生かすため、種目にこだわらず、やりたいスポーツをやりたいときにできる「マルチ部活動」の展開を視野に検討を進める。
(国 2022-12-23付)
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