5年度 新たな教育推進計画へ 「自立」「共生」へ3柱22施策 道教委(道・道教委 2023-01-01付)
道教委は5年度から新たな北海道教育推進計画をスタートさせる。計画の素案では、北海道が目指す基本理念「自立」「共生」を継承し、「子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進」「質を高める環境の確立」「地域と歩む教育の実現」の3本の柱のもと、個別・具体的な22の施策項目を設定。本道の教育課題の解決と地域創生の実現を図る本道教育の全体像を示す予定だ。
計画の期間は5~9年度の5ヵ年。人口減少、Society5・0の到来、グローバル化の進展、新型コロナウイルス感染症の対応など社会情勢の変化や教育課題を踏まえ、本道教育が目指す教育理念と実現のための教育施策を体系化している。
平成18年に策定した北海道教育ビジョンから続く教育理念「自立」と「共生」を継承し、「北の大地で世界をみつめ、自立の精神にあふれ、自らの夢に挑戦し、実現していく人」「ふるさとへの誇りと愛着をもち、これからの社会に貢献し、共に支え合う人」の育成を目指して施策を展開する。
施策項目は現行計画の6分類30項目から3分類22項目へと再構築し、各施策項目において10年後を見据えた今後の施策の方向性や主な取組、達成状況を把握する推進指標を記載する。
施策の柱1「子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育の推進」は12の施策群から成り、持続可能な社会の実現を図る観点から「SDGs・ESDの推進」を新設。地域づくりへの提言や環境教育など具体的な実例も取り上げる。
教科等横断的な教育の推進に向けては「STEAM教育の推進」の項目を新たに設け、総合的な探究の時間や課題研究、理数探究等の改善・充実を図っていく。
幼児教育は「教育の始まり」としての重要性を踏まえ、幼保小の架け橋期のプログラムの実施や小学校教育との連携・接続、市町村や家庭・地域等と連携した体制づくりなどの方向性を示す方針。
1人1台端末の導入に伴い、小・中・高ではICTを適切に活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実を図る教育活動の推進を明記。特別支援教育では障がいの状態に応じたICTの活用や医療的ケアの実施体制の整備促進を挙げている。
柱2「学びの機会を保障し質を高める環境の確立」は生徒指導、教員の養成・採用・研修、働き方改革など6の施策群で構成。ICTの分野では児童生徒の情報活用能力の育成や教員のICT活用指導力向上、外部人材による教員の支援を盛り込む。
柱3「地域と歩む持続可能な教育の実現」は地学協働や生涯学習など4つの施策群から成り、地域学校協働活動推進員など学校と地域をつなぐ人材の配置・育成を促進するほか、小規模化した学校における遠隔授業の充実を図っていくとした。
本道の教育施策を広く道民に周知するため、新計画では新たに用語解説や道教委担当課ホームページの2次元バーコードを記載。さらに「SDGs・ESDの推進」「ICTの活用推進」を除く全ての施策項目において各分野におけるICTの活用方法を例示する。
16日に道教委の付属機関の道教育推進会議で答申案の最終審議を実施する予定。来年1月下旬に道教委に答申し、3月下旬に決定する見通し。
(道・道教委 2023-01-01付)
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