道教委 第2回道徳教育推進会議 価値観育む授業づくりを 秋田公立美大・毛内副学長が講演(道・道教委 2023-01-30付)
道教委は25日、札幌市内の道第二水産ビルを主会場に第2回道道徳教育推進会議をオンライン開催した。秋田公立美術大学の毛内嘉威副学長が「自尊感情の醸成に向けた道徳教育の充実」をテーマに講義した。児童生徒を取り巻く環境が大きく変化する中、ストレスの解消に向けて価値観を持たせることの重要性を強調。価値観の違いに気付き、児童生徒自身の幅を広げさせるためにも、探究する授業づくりの大切さを説いた。
会議は、道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業および学習指導要領の趣旨実現に向けて、本道の課題となっている自尊感情の醸成に向けた道徳教育・道徳科の授業改善について、講義や実践交流などを行うもの。各管内における道徳教育推進の中核として期待される小・中学校教諭や市町村教委指導主事ら約100人が参加した。
毛内副学長は「自尊感情の醸成に向けた道徳教育の充実」をテーマに講義した。道徳教育の目標にある道徳性について「幸せな人生を他者と歩むために大切なもの」と定義。そのために、学校教育においては「特定の価値観を児童生徒に押し付けたり、主体性を持たずに言われるままに行動するよう指導したりすることは、あってはならない」と強調した。
道徳科で学習させたいこととして、小学校においては「自己のより良い生き方」、中学校では「人間としてのより良い生き方」を挙げ、自尊感情の醸成と密接に関わり合っていることを指摘。
一方で、地域経済の縮小や格差の拡大、Society5・0の進展など、児童生徒を取り巻く環境が複雑化していることを示し「誰一人取り残すことのない社会の実現へ、自尊感情の醸成が求められている」と訴えた。
自他を取り巻く環境の変化に伴い「児童生徒は多くのストレスを抱えている」と指摘。ストレスの解消に向けて価値観を持たせることの重要性を示し「価値観が定まっていないと、日々の行動が異なったり、周囲に左右されやすくなったりするなど、自尊感情が育ちにくくなる」と警鐘を鳴らした。
価値観の違いが生じる要因に、育った環境や様々な経験の違いなどを挙げた。価値観の違いを受け入れるために①相手を変えようとしない②相手の価値観を理解しようとする姿勢③互いに本音を話しすり合わせる④価値観の違いを面白がる―などを示し「価値観の違いに気付くことで、自分の幅を広げよう」と呼びかけ、探究する授業を構築することの大切さを訴えた。
このあと、参加者は自尊感情の醸成に向けて2学期に取り組んだ実践や、授業改善の在り方などについて交流・協議した。
(道・道教委 2023-01-30付)
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