【解説】ウェルビーイングへ概念図(解説 2023-02-10付)
国の次期教育振興基本計画素案が6日、中教審教育振興基本計画部会で審議された。
計画の期間は5~9年度の5年間。コンセプトは「2040年以降を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」で、5つの基本的方針と16の教育政策の目標を示している。
計画の中核となる「ウェルビーイング」とは、身体的・精神的に良い状態にあり、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含む概念。獲得的なウェルビーイング(自己肯定感や自己実現など)と協調的なウェルビーイング(人とのつながり、利他性、社会貢献意識など)の双方をバランス良く取り入れ、日本社会に根差した「調和と協調」に基づく向上を目指す。子ども・若者のみならず、教師や学校、家庭、地域、社会へと循環を促すイメージを示した。
少子化・人口減少が進展する中、一人ひとりの生産性や創造性を伸ばすことが重要とし、デジタルやグリーン(脱炭素)などの成長分野における人材を養成する文理横断的・探究的な学習の推進、理数系教育におけるジェンダーギャップの解消などを挙げている。
教育の質向上に向けた環境を整備するため、教員研修の高度化、端末活用の推進や自治体間の格差解消の取組を推進する方針を明記。教育への投資についても触れ、寄付税制上の優遇措置やクラウドファンディングなど様々な方法で民間資金の活用を進めるべきとした。
指標はOECD調査における世界トップレベル水準の維持、「授業内容がよく分かる」「勉強は好き」「地域や社会を良くするために何かをしてみたい」と思う児童生徒の割合の増加、児童生徒10万人当たりの自殺者数減少を検討している。
(解説 2023-02-10付)
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