特総研 研究協力機関会議 共生社会の担い手育成 佐呂間小、町教委が参加(道・道教委 2023-07-07付)
特総研研究協力機関会議
【網走発】国立特別支援教育総合研究所研究協力機関会議が3日にオンライン開催された。研究協力機関の佐呂間町教委から谷川敦教育長、佐呂間町立佐呂間小学校(二神孝久校長)から大平博司教頭が参加。共生社会の担い手を育むために、障がい理解教育の知見をどう応用していくべきかについて活発に意見を交わした。
特総研では、5~7年度の3年間で「共生社会の担い手を育む教育に関する研究~障害理解教育の検討を中心に」をテーマに研究に取り組んでいる。障がい理解教育が培ってきた知見を小・中学校の通常学級に提供し、一人ひとりの個性を生かすための実践へとつなげてもらうことを目的としている。
会議には、特総研の研究員や文部科省学職員、大学関係者、教育委員関係者をはじめ、佐呂間町教委から谷川教育長、佐呂間小から大平教頭が参加した。
はじめに、特別支援教育の専門家らが共生社会の担い手を育む教育に関する情報提供を行った。
大学関係者は「障害のある人と一緒に学び、暮らすこと」と題して、日本の文化における障がい者との共存の在り方について紹介。〝福助”や〝ひょっとこ”などを例に出し、これらが〝村という共同体”の中で、豊かさをもたらす存在として扱われていたことなどを伝え、文化として障がいのある人たちを大切にする営みが存在していたことを示した。その上で研究の方向性として、短期で成果を求めるよりも「地域ごとの共生の歴史を時間をかけながら掘り出していくこと」などを提案した。
学校関係者は、特別支援の教育を通常学級の子どもの個性を生かす教育につなげていくために①特別支援教育に蓄積されてきたノウハウの小・中学校への活用②突拍子のない発言や少数派の意見の尊重―などの大切さを指摘。②では、突拍子のない発言が「“なぜそうではないのか”や“そういう答えもあるかもしれない”というように話を深めるきっかけをつくる大事な場面になり得る」などとした。
このあと、全体協議に移った。
佐呂間町教委と佐呂間小は今後、特総研と小・中学校のつなぎ手として、“共生社会の担い手を育む教育”の視点から、通常学級の現状を把握するための情報提供に協力していくことなどを確認した。
(道・道教委 2023-07-07付)
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