北私幼、札私幼が研究大会 子どもの主体性大切に なかのしま幼など22園公開保育
(札幌市 2023-10-03付)

札私幼研究大会
なかのしま幼稚園の公開保育

 第65回道私立幼稚園教育研究大会札幌ブロックおよび第54回札幌市私立幼稚園教育研究大会が9月29日から2日間にわたって開かれた。テーマは「新しい時代を伸びやかに生きる~社会に開かれた質の高い幼児教育を」。札幌市内の私立20園、市立2園での公開保育研究および分科会、全体会を通して、幼児教育のさらなる質の向上を図った。

 主催は、北海道私立幼稚園協会(北私幼、近藤宏会長)、札幌市私立幼稚園連合会(札私幼、藪淳一会長)。

 初日に開かれた公開保育研究では、各園のテーマに基づいた実践を公開、交流した。

 うち豊平区の認定こども園なかのしま幼稚園(芝木孝満園長)には、幼稚園教諭ら約60人が参集。テーマ「子どもの主体性を大切にする継続した保育とは~子どもの声から日々の保育を考える」のもと、3歳児、4・5歳児混合の活動を参観した。

 公開保育に当たっては、外部の視点を導入することで教育実践の質向上を図る学校評価実施支援システム(ECEQ)を活用した。全日本私立幼稚園幼児教育研究機構が認定するECEQコーディネーターによる助言のもと、園の現状・課題を踏まえた「問い」を設定。公開保育後の分科会協議を通して、自園のより良い保育の実現につなげることを目指した。

 4・5歳児混合活動は「わくみくどうぶつらんど」。6月の北海道神宮祭、8月の円山動物園遠足を踏まえ、祭りと動物園の要素を取り入れた活動を展開した。動物の特徴を詳しく調べたり、お祭りごっこでの体験を振り返ったりしながら、各グループで園児たちの意見や主体性をもとに出し物を決定。

 サファリパークやカフェ、ベーカリー、温泉、公園などのセット作りや出し物の工作、客と店員に分かれた当日の活動を通して、自らの役割を理解し、積み重ねた遊びを思い切り楽しむ態度の育成を目指した。

 園児たちは、手順確認や会場設営したあと、開始の合図とともにそれぞれが興味のある出し物の会場に移動。店員役の園児たちによる「いらっしゃいませ」「ペンギンレースが始まります」などのかけ声に集まった客役の園児たちは、歓声を上げて楽しんだ。

 20分間の活動後、役割を入れ替えて同様の活動に取り組み、異年齢交流を深めた。

 参加者は、園が設定した①継続的に遊び込めるための教師の関わり②自発的に活動に参加した場面―の2点の問いを中心に、園児の活動を観察。気付いた点を付箋紙に書き留めた。

 分科会では、3歳児1グループ、4・5歳児3グループに分かれて研究協議。参加者は「自分の役割がしっかりと理解できていた」「準備する園児の動きを肯定する保育者の声かけが参考になった」「園児のやりたいことを自由に行わせていた」などの声とともに「園児たちの考えを引き出す声かけに工夫の余地がある」「もっと園児たちに任せてみては」「保育者の負担が大きい」など、より良い保育の在り方に向けて意見を交わした。

 2日目は、カナモトホールで全体会を開催。シンガーソングライターの中川ひろたか氏、ピアニストの本田洋一郎氏による基調講演が行われた。

(札幌市 2023-10-03付)

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