庁内公募 当別高・保格校長の挑戦 生徒主体の探究学習推進 CS導入、海外交流も計画
(道・道教委 2023-10-17付)

庁内公募
保格校長

 道立高校の庁内公募は「地域創生に向けた道立高校の魅力化」「ICTを活用した新たな学びの実践」「働き方改革の新たな取組・実践」に意欲とアイデアを持って取り組む校長による高校改革を進めるため、2年度人事から実施しているもの。

 保格校長は「主体的な課題解決のために試行錯誤する経験を通し、あらゆる活動で活用できるメタ認知能力(周囲への配慮・冷静な対応・柔軟性・高い意欲)を自らで高める」ことを改革の目標に掲げ、戦略の柱として①当別の歴史を学ぶ総合的な探究学習②「主体的・対話的で深い学び」の授業実現と職業観キャリア育成③生徒主体の探究学習の推進④スウェーデン高校生とのICT交流⑤働き方改革とCSの導入―の5点を位置付けた。

 このうち①では、総合的な探究の時間のテーマの一つに当別の歴史を学ぶ時間を設定。当別町開拓の祖である岩出山伊達家が町を開いた功績を学ぶとともに、ICTを活用して自らの理解を小中学生などに伝え、開拓精神を自らに刻む教育活動に取り組む。

 ②では、校内研修・授業参観・人事面談などを活用して主体性授業の型(見通し・振り返り・自己評価)を徹底し、学びの質を高める授業改革を推進する。キャリア教育においては1年次に総合的な探究の時間を増単し、職業観キャリア育成プログラムを導入する予定だ。

 ③では、道教委の道CLASSプロジェクトの成果をもとに生徒主体の探究学習に取り組んでおり、普通科は「当別町の地域創生」、園芸デザイン科は「町内生産物の6次産業化」、家政科は「町内産品の高付加価値化」をテーマとするなど、各学科の強みを生かし様々な学習に取り組んでいる。

 ④では、町の姉妹都市であるスウェーデン・レクサンド市とのICT交流を計画。地元紹介を英語で行うなど交流を推進するほか、交換留学とホームステイの実施を計画している。

 ⑤では、現在の学校評議委員会と道CLASSプロジェクトのコンソーシアムをCSへと発展的に統合。保護者・地域住民の参画によって地域人材の確保と組織の精選を図る。また、ICTを利活用して教員の業務軽減と時間外勤務時間の縮小を図っていく。

 本年度はプロジェクトチームを組織して教育課程の検証や見直しを行っており、6年度からCSの導入を計画。過去から現在・未来へ向けた地域創生のかたちを目指し、町の歴史を学ぶ総合探究の学習や国際交流に着手するなど取組を本格化させる予定だ。

「生徒」主語で 学ぶ環境構築へ

 「先生が教えるのではなく、生徒が主語になって学ぶ状況をつくりたい」―。保格校長は、生徒自らが学びに向かい、楽しさと出合える教育が大切とし、教頭時代にかつて勤めた幌加内高校を振り返る。

 同校では、そばを題材として地学協働での学びを展開しており、販売実習会などの際に学校を会社化することで、生徒一人ひとりの責任感のかん養や、原価の大切さや利益を意識して授業に臨む姿勢につながったという。「自ら動いて学ぶことが、実感を伴う理解や楽しさにつながる。生徒自ら学ぶことができる環境を整備するとともに、社会貢献・地域創生を通して人間形成を実現できる高校を実現したい」。生徒を主語とする学びの展開に力を込める。

(道・道教委 2023-10-17付)

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