道議会質疑予算特別委員会(7月10日)(道議会 2023-11-01付)
Q 質問QuestionA 答弁AnswerP 指摘Point outO 意見OpinionD 要望Demand
【質問者】
▼木下雅之委員(自民党・道民会議)
▼太田憲之委員(自民党・道民会議)
【答弁者】
▼三橋剛総合政策部長
▼加納孝之環境生活部長
▼笠井敦史総合政策部計画局長
▼髙見芳彦環境生活部スポーツ局長
▼佐々木敏総合政策部計画推進課長
▼松井直樹環境生活部スポーツ振興課長
◆スポーツ振興
Q木下委員 スポーツ推進計画の改定ポイントについて、少子・高齢化の進行や新型コロナウイルス感染症の影響など、スポーツを巡る環境の変化や前計画の検証結果などを踏まえ、今回、どのような点を重視しながら改定を行ったのか、主なポイントについて伺う。
A松井スポーツ振興課長 改定のポイントについて。第3期計画では、新型コロナウイルス感染症の影響によるスポーツ活動の制限や、少子・高齢化の進行などによる将来のスポーツ参画人口の減少への懸念など、スポーツを取り巻く環境や社会状況が大きく変化していく中にあって、スポーツの持つ力を最大限活用し、本道の潜在力を発揮しながら、将来にわたる持続可能な社会の実現に寄与することを目指している。
主な変更点としては、昨年制定された北海道スポーツ推進条例や国が策定した第3期基本計画を踏まえて、4つの方針、5つの柱で構成していた第2期計画を、昨今の社会情勢の変化に応じて、参画人口の拡大やスポーツによる地域活性化、選手の国際競争力の向上などを基本方針とした5つの体系として整理し、昨年7月に設立した北海道スポーツみらい会議と連携しながら、オール北海道で推進することとしたところ。
Q木下委員 目標について、前回からどのように見直しをしているのか伺う。
A松井スポーツ振興課長 計画の目標について。スポーツをする、見る、支える、知るといった多様な関わりを通じて、誰もが日常的にスポーツに親しみ、楽しむことができる環境づくりを進めることが重要との認識のもと、今回の計画では、社会情勢の変化を踏まえ、新たな指標も加え、10の目標として整理したところ。
新たな指標としては、本道の成人した障がい者の週1回以上のスポーツ実施率の増加や、障がい者スポーツを体験したことのある者の割合の増加を加えている。
また、第2期計画の進捗を踏まえて、スポーツ環境の充実として、総合型地域スポーツクラブの設置を3年の96市町村から、計画最終年には道内全市町村とすること、スポーツを通じた地域活性化として、スポーツコミッション数を現状の19団体から34団体とすることなどを掲げている。
Q木下委員 北海道スポーツみらい会議では、これまでどのような取組が行われてきたのか伺う。
A松井スポーツ振興課長 北海道スポーツみらい会議の取組について。官民が連携し、協働するネットワーク組織として発足した北海道スポーツみらい会議では、これまで、ツイッターなどのSNSを活用して、道内のスポーツイベントや本道ゆかりの選手の活躍などの情報発信を行っているほか、昨年10月には、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もが楽しめる北海道みらい運動会を初めて開催した。
また、ことし2月には、小学生がトップアスリートと様々なスポーツを楽しむことができるイベントや、3月には、北見市と札幌市で、正しい知識でけがなくスポーツに親しむことができるよう、スポーツ医・科学セミナーを開催するなど、スポーツを通じた健康で豊かな生活の形成や魅力ある人づくり、地域づくりなどを推進するため、プロスポーツチームや大学、企業などと連携しながら、取組を行ってきたところ。
Q木下委員 ことしは、第3期計画の初年度として非常に大事な年である。
今定例会においてもスポーツ関係の予算が提案されているが、道の主な取組について、そのねらいやどのような効果を期待しての取組なのかとを伺う。
A髙見スポーツ局長 道の主な取組について。スポーツを通じた心身の健康の保持増進や地域特性を生かした魅力ある持続可能な社会の実現を目指し、多様な主体のスポーツへの参画を促進するため、パラ競技体験やセミナーの開催、プロスポーツ選手を講師とした子ども向けのスポーツ体験教室、総合型地域スポーツクラブの設立等を促進する取組などを実施するほか、本年度は新たに、子どもや障がい者、プロスポーツ選手が参加する交流イベントを開催することとしている。
これらの取組を着実に進めることで、障がい者スポーツの理解促進と支援の拡大、スポーツに参加する気運の醸成などによって、参画人口の拡大や地域活性化が期待されるところ。
Q木下委員 現在、道教委では、公立中学校等の部活動の地域移行に向け、取組を進めているが、その実現のためには、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団などの地域スポーツ団体の充実が不可欠となる。
道としても、しっかりと連携を図っていく必要があるものと考える。その対応について伺う。
A髙見スポーツ局長 スポーツに親しむ環境の充実について。ことし3月に策定した第3期北海道スポーツ推進計画では、公立中学校等の運動部活動の地域移行に向け、地域自らが運営する総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団など、地域スポーツ団体の充実に努めることとしている。
道としては、引き続き、道教委をはじめ、市町村や教育機関、スポーツ関係団体などと連携し、情報の把握に努めるとともに、本道の広域性に十分留意しながら、児童生徒はもとより、誰もが道内各地でスポーツに親しむことができる環境づくりに取り組んでいく。
Q木下委員 今後の本道のスポーツ振興にどのように取り組んでいくのか伺う。
A加納環境生活部長 今後のスポーツ振興について。道ではことし3月、国のスポーツ基本法や議員提案で制定された北海道スポーツ推進条例の理念を踏まえて、スポーツを通じて将来にわたる持続可能な社会の実現を目指す姿とした第3期計画を策定したところ。
道としては、条例で定める理念の実現に向けまして、する、見る、支える、知るといった多様な関わりから生まれるスポーツの持つ力を最大限活用し、豊かな自然環境を背景として、世界で活躍する多くの選手を輩出する北海道の潜在力を発揮しながら、北海道スポーツみらい会議と連携して、生涯にわたって、誰もが、それぞれの体力や年齢、性別、障がいの有無にかかわらず、スポーツに親しむことができる環境づくりにオール北海道で一層取り組んでいく。
◆新たな総合計画
Q太田委員 道はこれまで、総合計画策定においても、道民からの意見聴取など、様々な検討プロセスを経て策定したことと承知している。
今回の策定に当たっては、どのようなプロセスで検討を進めていくのか伺う。
A佐々木計画推進課長 今後の検討の進め方について。道では、条例に基づき、総合計画の策定と推進に関する知事の附属機関として、有識者などで構成する北海道総合開発委員会を設置し、これまで、総合計画の策定に当たっては、委員会に諮問し、審議を経て取りまとめた計画案を知事に答申いただき、道議会での議論などを経て、道として決定しているところ。
このたびの計画の策定に当たっても、同様の手順を踏むこととし、検討の過程の中で、道民や市町村の方々から幅広く意見を聞きながら議論を進め、節目ごとに素案、原案を順次取りまとめ、それを示し、各段階で道議会での議論やパブリックコメントも実施しながら、最終的な案を取りまとめていくよう進めていく。
Q太田委員 幅広く意見を聴取するという観点からは、働いている世代や高齢者だけではなく、これからの北海道の未来を担っていく若い世代の意見を取り入れることが特に重要と考える。
知事は、道政執行方針の中で、地域の発展こそが、北海道の発展につながる、そして、地域の声が未来に進むための力になると述べた。
地域の実情をしっかりと把握し、総合計画の策定を進める必要があると考えるが、道民や市町村の意見聴取を具体的にどのように進めていくのか、所見を伺う。
A佐々木計画推進課長 道民の意見聴取について。道では、新たな計画の検討に当たって、本道の将来に関する意向などを把握するため、道民や企業、団体等にアンケート調査を実施するほか、本道の将来を担う若い世代の意見を把握するため、新たに、各地域の高校や大学を訪問し意見を伺うことも検討している。
また、市町村から地域の実情について意見を丁寧に伺うとともに、振興局と連携をし、各地域において、経済、産業、医療、福祉、子育てなどの分野の団体、企業や、地域づくりを担っている方々から意見を伺う考えであり、こうした取組によって、様々な世代や地域、職種から幅広く道民の声を把握して、計画の検討を進めていく。
Q太田委員 総合計画に記載する基本事項や特定分野別計画との関係など、今後策定する新たな総合計画の枠組みについて、道はどのように考えているのか伺う。
A佐々木計画推進課長 計画の枠組みについて。新たな計画では、これまでの計画の構成も参考にしながら、将来を展望した計画の目指す姿を掲げ、その実現に向け、政策分野ごとに現状と課題を踏まえた目標を設定し、その方向を示すとともに、地域ごとにそれぞれの特性や課題を踏まえた地域づくりに関する基本的な考え方などを示すといった2つの観点で、中長期的に政策の方向性を示していくことを基本に検討しているところ。
また、総合計画の推進に関しては、行政基本条例および地域振興条例に基づき、総合計画とは別に策定する特定分野別計画や地域計画と一体的に推進していくことで、実効性を確保していく。
Q太田委員 新たな総合計画における計画期間の具体的な考え方について伺う。
A佐々木計画推進課長 計画の期間について。総合計画は、長期的な展望に立って道の政策の基本的な方向を総合的に示すといった行政基本条例における位置付けや、国の次期北海道総合開発計画の計画期間なども考慮し、概ね10年間を期間とし、計画の検討を進めていく。
Q太田委員 計画の実効性を確保していくためには、適切な推進管理が求められる。道は、点検評価といった推進管理をどのように行っていく考えなのか、また、社会経済情勢が著しく変化する中で、10年という長期にわたる今後の情勢変化にどのように対応していく考えなのか伺う。
A佐々木計画推進課長 計画の推進管理について。総合計画に掲げる政策については、その実効性を確保するため、政策評価条例に基づき、毎年度の政策評価を通じ、指標の進捗状況を把握するとともに、その時々の社会経済情勢も踏まえた必要な対応について、毎年度開催する総合開発委員会での意見を踏まえ、点検評価に反映しており、新たな計画においてもこうした手法を基本として考えていくところである。
また、計画期間が長期にわたることから、中期的な点検評価を実施することとし、そのための必要な評価指標を検討していく。
Q太田委員 本道を取り巻く社会経済情勢の変化や課題に対応し、政策を目標に向かって進めていくために、どういった点を特に重視していくのか。
A笠井計画局長 計画策定に当たっての検討方向について。道としては、新計画の政策面においては、北海道を取り巻く環境が大きく変化する中、持続的な発展を目指して、エネルギーやデジタル、食、観光など、北海道のポテンシャルや優位性を生かした政策の視点とともに、人口減少問題や頻発・激甚化する自然災害をはじめ、直面する様々な課題への対応に向けた政策の視点といった双方の視点で、政策の方向性などを検討することが重要と考えている。
道としては、こうした考えのもと、長期的な展望に立って、新たな計画の検討を進めていく。
Q太田委員 ラピダス社による次世代半導体の製造拠点が私の地元の千歳市に進出することが呼び水となり、今後、札幌圏を中心としたエリアで企業の立地や新たな雇用創出が期待されているところ。
一方で、こうしたエリア以外の地域では、人口減少に歯止めがかからず、地域の暮らしや経済が大変厳しい状況となっていると伺っている。
今後、さらに地域間格差が拡大していくことも懸念される中で、新たな計画の中では、地域に関する政策展開をどのように位置付けて、地域の姿をどのように描いていくのか、考えを伺う。
A笠井計画局長 地域に関する政策の考え方について。道としては、新計画の策定に向けては、本道の優位性や直面する課題を踏まえた政策に加えて、それぞれの地域における特性や固有の課題を踏まえた政策について、方向性を検討していく視点が重要と認識している。
道においては、これまでも、長期的な視点に立った地域の振興を図るため、六つの連携地域ごとの「地域づくりの方向」と14の振興局所管地域の「重点的な施策の方向」を示し、振興局が中心となって、具体的な取組を推進してきたところ。
新たな計画の策定に当たっても、こうした考え方などを踏まえ、市町村をはじめ、地域の意見も十分に伺いながら、それぞれの地域の目指す姿とその実現に向けた施策の方向を道民に分かりやすくしっかりと示すことができるよう、検討を進めていく。
Q太田委員 物価の高騰や人口減少が道民生活や地域経済に大きな影響を及ぼし、国際情勢や経済環境も先行きが不透明な状況が続く中、こうした状況であるからこそ、これからの道による政策の基本的な方向を総合計画という形で示していくことは、大変意義のあることと考える。
道は、今後どのような基本的姿勢で総合計画を策定し、いつからスタートさせていく考えなのか伺う。
A三橋総合政策部長 計画策定に当たっての考え方について。エネルギー問題や食料、経済の安全保障など、社会経済情勢の大きな変化に的確に対応していくためには、新たな計画において、概ね10年後の本道の将来を見据えた目指す姿や政策の目標を分かりやすく示し、道民と共有することが重要と認識している。
また、新計画における政策の方向性を検討する際には、ゼロカーボンをはじめ、社会経済の変化で生じる新たな需要への対応の視点、人口減少などで直面する重要課題に向き合う視点、さらには、道内各地域の特徴や固有の課題を踏まえた地域の視点などが重要となっている。
道としては、こうした考え方を基本に、幅広い世代の地域住民や市町村から丁寧に意見を伺いながら、道内各地域の特性や課題なども十分意識し、具体的な政策の方向性などについて検討を進め、北海道総合開発委員会の審議を踏まえた上で、計画の素案を年内に取りまとめ、道民や道議会に示すことができるよう進めていく。
(道議会 2023-11-01付)
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