道議会質疑 予算特別委員会(7月11日)
(道議会 2023-11-10付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼黒田栄継委員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼倉本博史教育長

▼山本純史学校教育監

▼伊藤伸一生徒指導・学校安全担当局長

▼相川芳久ICT教育推進局長

▼今村隆之健康・体育課長

▼髙橋宏明学力向上推進課長兼ICT教育推進課長

▼大槻直広生徒指導・学校安全課長

◆感染症対策

Q黒田委員 新型コロナウイルス感染症の5類移行によって、現在、学校での感染症対策はどのように講じられているのか伺う。

A今村健康・体育課長 学校での感染症対策について。5月8日からの新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、国の衛生管理マニュアルが改定され、従来のように、感染症対策を一律に講じるのではなく、時々の感染状況に応じて対策を講じていくことが重要と示された。各学校では、現在、平時の対策として、家庭との連携による児童生徒の健康状態の把握、適切な換気の確保、手洗い等の手指衛生やせきエチケットの指導などが引き続き行われている。

 なお、地域や学校において感染が流行する場合などには、活動場面に応じて、近距離、対面、大声での発声や会話を控える、児童生徒間に触れ合わない程度の身体的距離を確保するなどの感染症対策を一時的に講じながら、授業や部活動、各種行事等の学校教育活動を継続し、児童生徒等の学びを保障していくこととしている。

Q黒田委員 今後、地域や学校で感染が流行する場合、必要な対策を講ずることとなるが、感染流行期に入ったかどうかをそれぞれの学校単独で判断するのは難しいと思われる。道教委としてどのように対応していくのか伺う。

A今村健康・体育課長 感染流行時の考え方について。国の衛生管理マニュアルでは、各学校において時々の感染状況に応じた対策を適切に講じるため、学校の設置者が衛生主管部局と連携して地域の感染状況を把握することが重要とされている。

 このため、道教委では、道保健福祉部と連携し、地域において流行期と判断できる情報を得た場合には、速やかに該当の市町村教委および学校に対して通知することを想定しており、引き続き、関係部局と緊密に連携するとともに、臨時休業の実施状況を把握しながら必要な対応を行っていく。

Q黒田委員 いわゆる平常時の学校運営に円滑に移行できているのか、移行後の学校の状況について伺う。

A今村健康・体育課長 5類移行後の学校の状況について。道教委では、マスクの着用を含めた学校の感染症対策の状況等について、学校訪問等の機会を活用しながら実態の把握に努めてきた。その結果、現在、多くの学校において、基本的な感染症対策を行いながら教育活動を行っている、運動会や修学旅行などの学校行事を円滑に実施している、児童生徒のマスクの着用率が徐々に低くなってきているなどの状況が見られる一方、児童生徒がマスクを外すことに恥ずかしさを感じているケースもあることから、教員側が、マスクの着脱は自由であるという雰囲気づくりに努めているという状況もあり、道教委としては、引き続き、各学校の実情を把握しながら、必要な指導助言に努めていく。

Q黒田委員 今後の学校行事の在り方について、道教委としてはどのように認識しているのか伺う。

A山本学校教育監 学校行事などの在り方について。学校教育は、学校ならではの児童生徒同士の関わり合いや教師と児童生徒との関わり合いなどを基盤として実施されるものであり、児童生徒が多様な他者と交わる活動や多様な体験活動を通じて、人間関係の形成や社会性の育成など、自己実現に向けた機会を確保することが必要である。

 このため、道教委としては、単にコロナ禍以前の姿に戻るのではなく、それぞれの教育的意義をあらためて捉え直した上で、児童生徒の資質・能力の育成に真に必要な活動を中心にその在り方を検討するとともに、GIGAスクール構想のもとで生み出されてきた多様な教育実践の工夫を取り入れることによって、言わば新しい学びの在り方へと進化を図っていくことが重要であると認識している。

Q黒田委員 今後も、情報化社会の進展を踏まえ、さらなる進化を図っていくことが必要と考える。道教委としては、教育環境におけるデジタル化をどのように進めていくのか伺う。

A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 教育環境のデジタル化について。GIGAスクール構想によって1人1台端末の整備が急速に進むなど、児童生徒の教育環境におけるデジタル化が大きく進展し、こうしたICT環境を積極的に活用して、コロナ禍以前の学校や教室とは大きく異なる姿で、デジタル技術の良さを生かした多様な教育活動が日々の実践の中で生み出されている。

 道教委では、全ての教員がICTを取り入れた授業改善によって、児童生徒に効果的な指導を行うことができるよう、道教委のICT活用ポータルサイトの情報を随時更新し、コロナ禍において蓄積された学習コンテンツや優れた事例の発信、効果的な活用につながる校内研修の実施などを促進するとともに、学校における働き方改革にも資するよう、教育環境のデジタル化をより一層進めていく。

Q黒田委員 これまでの新型コロナウイルス感染症への対応について、単にコロナ以前に戻すのではなく、オンライン学習等のプラスの点も評価しながら振り返り、今後の教育活動に生かしていくことが必要であると考える。今後の取組について教育長に伺う。

A倉本教育長 今後の取組について。3年余りにわたるコロナ禍によって、一斉臨時休業やクラスターによる臨時休業、運動会や修学旅行などの各種行事の延期や中止などによって子どもたちの教育活動にも大きな影響が生じた。

 一方で、休業期間中の学びの保障に向けて、国のGIGAスクール構想が前倒しされ、結果として、学校のICT環境の早期整備が実現し、オンライン学習の普及拡大などにつながったものと考えている。

 道教委としては、今後、この間における新型コロナウイルス感染症対策を振り返りつつ、どのような状況においても子どもたちの健康を守り、学びを継続することができるよう、知事部局と緊密に連携することはもとより、医師や大学教授などの有識者をはじめ、市町村教委や校長会、PTAなどと連携し、意見を伺いながら、今後起こり得る新興感染症等も含め、感染症対策への備えや学びの保障に向けた取組を進めていく。

P黒田委員 オンラインのメリットだけではなく、子どもたちが生きていく力を育てるためには、どうしても人とのつながりをしっかりと経験させていかなくてはいけない。

 様々な経験を子どもたちに与えていけるよう、オンラインのいいところ、弊害が出るところを分析した上で、オンラインだけではなく、体験型の授業等もしっかりと取り入れながら進んでいただきたい。

◆いじめ対応

Q黒田委員 道教委が実施しているいじめアンケート調査というものはどのようなものか、アンケートの対象や内容、実施方法について伺う。

A大槻生徒指導・学校安全課長 いじめアンケートについて。各学校のいじめ問題の実態把握やいじめの未然防止、早期発見、早期対応に向けた取組の充実を目的として、札幌市を除く公立学校の児童生徒を対象に、年2回、アンケート調査を実施しており、今回の調査は5年度の第1回で、対象児童生徒はおよそ29万人だった。

 アンケートの内容は、ことし4月から今日までに嫌な思いをしたことがあるか、友人が嫌な思いをしているのを見たり聞いたりしたことがあるかなどの5問の質問と2問の関連質問に加え、様々な悩みや困り事を訴えることができるよう自由記述欄を設けている。

 また、実施方法は、児童生徒が質問用紙に記入する方法とウェブ上のグーグルフォームに1人1台端末から入力する方法の2通りがあり、どの方法とするかは学校において選択することになっている。

Q黒田委員 道立学校2校でアンケートの回答内容を、一定期間当該校の在校生や保護者などが閲覧可能となっていた事案について、どのような経緯で発生したのか伺う。また、こうした事案が起きたことに対する道教委の受け止めについて、併せて伺う。

A伊藤生徒指導・学校安全担当局長 経緯等について。今回の事案が発生した2校のうち、1校は、学校が管理するグーグルフォームにおいて、管理者となっている特定の教員のみが有する編集権限を、保護者がアクセスできるよう誤って許可設定していたため、当該校の生徒および保護者であれば、他の生徒の回答内容を閲覧できる状態になっていた。

 他の1校は、道教委が管理するサンプルのグーグルフォームのアドレスを、生徒に対し、学校が管理するグーグルフォームの回答用アドレスとして誤って伝えていたため、他校を含む各学校の管理権限者であれば、生徒の回答内容を閲覧できる状態になっていた。

 いじめアンケートは、自分の回答内容が他人に見られることがないという安心を前提として成り立っているものであって、道教委のマニュアルの記載内容にも改善すべき点があったことを含め、このような事案が発生したことを重く受け止めている。

Q黒田委員 道教委は、今回の事案を受けて、再発防止にどのように取り組んでいくのか伺う。

A伊藤生徒指導・学校安全担当局長 再発防止について。今回の事案はグーグルフォームを用いる方法において発生したことから、道教委としては、アンケートを1人1台端末から回答する方法について、学校での設定を確実に行うための設定マニュアルの見直し、管理職を含め複数名で設定を確認するチェックリストの整備、学校での運用上の相談に対応できる窓口の設置など、10月から開始する本年度2回目のアンケート実施に向けて対策を講じていく。

 また、このいじめアンケートは、実施要領上、原則、無記名としていることや、年2回実施することで児童生徒のSOSをキャッチしやすいよう工夫しているところであるが、こうした事案が発生したことから、今後は、全ての学校において児童生徒が安心してアンケートに回答できるよう、実施方法や回答内容の管理方法などを児童生徒や保護者に丁寧に説明するなど、アンケートの実施要領についても見直していく。

Q黒田委員 女子中学生に対するいじめの重大事態が発生した旭川市では、再発防止へ6月末、市独自のいじめ防止対策推進条例を制定した。道教委はどのようにこのことを受け止めているのか伺う。

A山本学校教育監 旭川市のいじめ防止対策推進条例について。旭川市においては、いじめ防止対策推進法に基づく対応を徹底し、これまでの対策を抜本的に改めるため、先般、新たに条例を制定し、市や市立学校、保護者の責務のほか、いじめを受けた児童生徒等の支援等や市長による勧告等について示されたものと承知している。

 道教委では、いじめ問題への対応については、教育委員会と首長部局が、いじめ防止対策推進法はもとより、学校教育法などの関係法令に基づいてそれぞれの役割と法令上の権限について認識を共有し、緊密な連携のもと、適切に対応することが重要と考えており、こうした考え方を踏まえて対策を講じていく必要があると受け止めている。

Q黒田委員 道と道教委では、いじめ問題の現状と課題を踏まえ、一層の危機感を持っていじめ問題に取り組むため、ことし3月、組織的対応の徹底やいじめ見逃しゼロなどを重点として、いじめ防止基本方針を改定した。

 いじめに対する認識の徹底はもとより、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの拡充や緊急支援チームの活用などが求められるが、道教委は、いじめ問題に対してどのように実効性のある取組を進めていくのか伺う。

A倉本教育長 いじめ問題への対応について。道教委では、ことし3月に道のいじめ防止基本方針を改定して、それに基づく行動計画として新たに、北海道いじめの防止等に向けた取組プランを策定した上で、各市町村教委や学校に周知したところであり、このプランをもとに、学校が早期から適切かつ組織的な対応ができるよう、昨年10月に周知したいじめ対応支援ツールを活用した、いじめ見逃しゼロの取組の徹底を指導助言していく。

 また、学校だけでは解決が困難な事案については、アウトリーチ型の支援として、指導主事と弁護士、臨床心理士などで構成する緊急支援チームを学校に派遣するなど、道教委として積極的に関わり、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に向けて実効性ある対策を進めていく。

◆送迎バスの安全確保

Q黒田委員 昨年、静岡県の認定こども園で、園児が通園バスに置き去りにされたことによって死亡する事故が発生したことを受け、国では、ことし4月から施設の設置者に安全装置の設置を義務付けた上で、1年間の経過措置を導入している。

 国の調査によると、ことし6月末時点で、全国の送迎バスを運行している幼稚園や保育所、認定こども園、特別支援学校などで安全装置を設置済みの施設、事業所は、完了予定を含めて約55%で、道内でも約50%にとどまっている。

 道内の公立幼稚園、特別支援学校での送迎バスへの安全装置設置状況はどのようになっているのか伺う。

A大槻生徒指導・学校安全課長 安全装置の装備状況について。国では、送迎用バスに対する安全装置の装備状況について、各公立幼稚園および特別支援学校等におけることし5月15日時点の状況の調査、取りまとめを行っており、送迎バスを運行している公立幼稚園および幼稚園型認定こども園は9園、運行台数は15台で、そのうち、6月末までに安全装置を装備完了または装備完了予定と回答した園は4園、6台である。

 また、送迎バスを運行している道立特別支援学校は19校で、運行台数は68台であり、道教委では、6月末までに全校で装備完了予定と回答したところだが、現在、装備に向けて事業者等と調整中である。

Q黒田委員 設置の義務付け対象ではないが、公立小・中学校の送迎バスについても導入に向けた予算措置がされている。

 現在の設置状況について、併せて伺う。

A大槻生徒指導・学校安全課長 公立小・中学校の状況について。4年度に、道の「こどもの安心・安全対策緊急支援事業」を活用し、送迎用バスへの安全装置を装備した市町村は、ことし3月末時点で1町、運行台数は4台である。

 また、本年度、この事業の活用を予定している市町村数、バス台数は、45市町村、250台であり、本年度末までに安全装置が装備される予定である。

Q黒田委員 道内では、未設置の幼稚園や公立小・中学校も相当数見られるということだが、その要因について道教委としてはどのように考えているのか。

 また、特別支援学校については、6月末までの装備を予定していたものの、現在、未設置ということであるが、その理由についても伺う。

A大槻生徒指導・学校安全課長 安全装置の設置状況について。幼稚園については、未設置の市町村からは、送迎バスを毎日使用しているため、夏休みに取り付けを予定している、安全装置の納品に時間を要しているなどといった理由であると聞いている。

 また、小・中学校については、装備が義務化されていないことから、各市町村において検討段階にあるものと考えている。

 特別支援学校については、道教委において事業者と契約を行うこととなるが、各学校では送迎バスを毎日使用していることから、装置の取り付けを行う事業者との調整に時間を要しており、夏期休業中には取り付けを終える予定としている。

Q黒田委員 今後、送迎バスの安全装置の早期の導入が図られるよう、どのように取り組んでいくのか伺う。

A山本学校教育監 安全装置の導入に向けた取組について。道教委では、安全装置の早期の導入に向け、市町村教委に対し、道のこどもの安心・安全対策緊急支援事業の追加募集を行っているところ。

 また、特別支援学校については、可能な限り早期に装備できるよう、契約締結に向けて事業者との調整を進めていく。

 安全装置が装備されるまでの間においては、運転席に子どもの見落とし防止チェックシートの備付けや、車体後方に子どもの所在確認を行ったことを記録する書面を備えるなどの代替措置を徹底し、子どもの安全確保の対策に万全を期すよう指導助言していく。

◆情報化推進計画

Q黒田委員 仮称・北海道学校教育情報化推進計画は、学校教育の情報化の推進に関する法律に基づいて文部科学大臣が定める学校教育情報化推進計画を基本に、本道における学校教育の情報化推進に関する施策について定めるものである。本道の子どもたちがICT環境を最大限に活用して、学習指導要領が求める情報活用能力の育成や主体的、対話的で深い学びを実現させる上で大変重要なものであると考える。

 道教委は、今後の学校教育の情報化推進の方向性を示す本計画をどのような考え方で策定するのか伺う。

A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 策定の考え方について。元年6月施行の学校教育の情報化の推進に関する法律では、国が別に示す学校教育情報化推進計画を基本に、都道府県で計画を定めることが努力規定として盛り込まれており、昨年12月に国の計画が示された。

 これを受け、本道における学校教育の情報化に関する施策を推進し、子どもたちの個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、主体的・対話的で深い学びの実現を図るため、計画を策定することとした。

Q黒田委員 計画素案には、国の計画を基本に、具体的な指標やその目標値が設定されている。

 計画を推進する上で目標を明示することは重要だと考える、この指標や目標値はどのような考え方で設定したのか伺う。

A髙橋学力向上推進課長兼ICT教育推進課長 指標等の考え方について。計画素案では、ICTを活用して自分に合った学習ができる高校生の割合、1人1台端末を活用した授業がほぼ毎日行われた学校の割合、ICTを活用した校務効率化に取り組む学校の割合など、14の指標を設け、それぞれに目標値を設定している。

 都道府県の計画は、法律上、国の学校教育情報化推進計画を基本として策定するとされていることから、国の計画で設定された指標と同様のものを用い、目標値は本道の状況を踏まえて設定したほか、ことし3月に策定した北海道教育推進計画の学校教育の情報化に関する指標も全て取り入れるとし、目標を設定した。

Q黒田委員 素案では、北海道が重点的に推進する方針として、小学校から高校までの12年間を見通した児童生徒の学習の基盤となる資質・能力の育成が掲げられている。

 学習指導要領でも、ICTを活用して情報活用能力を育成することが求められているが、児童生徒の資質・能力の育成のため、道教委としてはどのような考え方で、どのように取り組んでいくのか。

 ICTの活用に当たっては、情報化社会の危険性と対処法など、情報モラルについても子ども自身と保護者が正しく理解することが必要である。このことについてもどのように取り組んでいくのか、併せて伺う。

A相川ICT教育推進局長 児童生徒の資質・能力の育成について。教科指導等でICTを適切に活用し、学習への興味・関心を高めることや、障がいのある子どもなどの特性に合わせた支援を行うなどして、ICTをこれまでの実践と組み合せて有効に活用しながら教育の質を向上させることが必要である。

 このため、各学校種段階において身に付けさせるべき情報活用能力の一覧を各学校に示し、効果的なICTの活用を指導計画に位置付けるよう促すとともに、小・中、中・高の学校種間で円滑な接続を図り、小学校から高校までの12年間を見通した情報活用能力の育成を図るとしている。

 また、情報化社会の危険性とその対処法など、情報技術等の特性の理解に基づく情報モラルを子どもたち自身と保護者などが正しく認識し、子どもたちにICT端末の適切な扱い方や使用のルールを指導するとともに、保護者等とも共通理解を図る必要があることから、児童生徒や保護者等を対象とした情報モラルに関する指導資料の作成、周知や、国のe―ネットキャラバンの活用を促進するなどして、情報モラル教育の充実を図っていく。

Q黒田委員 教員のICT活用指導力の向上については素案の中でも位置付けられているが、今後、道教委ではどのような目標を設定し、その達成に向けてどのような取組を行っていくのか伺う。

A相川ICT教育推進局長 教員のICT活用指導力の向上について。学習指導要領が求める主体的・対話的で深い学びの実現に向け、教科等の指導で効果的にICTを活用することができるよう、教員のICT活用指導力の向上が求められている。

 本道のICTを活用して指導することができる教員の割合は、3年度時点で、全国上位10県の平均を100%とした場合、91・1%であるため、9年度までに100%とすることを目標値として設定した。

 道教委として、目標の達成に向け、各種研究会や学校訪問等の指導助言の充実や教員のニーズに応じたICT活用研修の実施、校内研修等で活用できる動画資料の提供などの取組を推進し、教員のICT活用指導力の向上を図っていく。

Q黒田委員 6月の文教委員会では、道立学校のICT支援員は配置できていない状況であり、支援の在り方を検討するとの答弁があった。積極的に検討を進め、速やかに改善すべきだと考える。

 ICT支援員配置に向け、道教委はどのように対応していくのか伺う。

A山本学校教育監 ICT支援員について。各学校でICTを活用しながら児童生徒の学びの質を高める授業を行うためには、ICT活用や管理などの日常的なサポートを担うICT支援員の効果的な活用を通じ、教員の負担軽減を図る必要がある。

 一方、道立学校では、本道の広域性を踏まえ、ヘルプデスクを設置して支援を行うとともに、道教委職員が直接学校に出向いて問題解決を図っている。

 各学校からは、ICT活用に関する専門的スキルを有する人材の配置について要望があることから、道教委では、今後も、国に対し、ICT支援員の配置に関する財政措置のさらなる充実について、全国都道府県教育委員会連合会とも連携して強く要望するとともに、学校訪問等を通じて、ICT活用の現状や課題等を確認した上で、ICTの技能や知見を有する外部人材による道立学校への支援について検討していく。

(道議会 2023-11-10付)

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