道教委 学力向上へ改善の方向性 端末 日常的に活用を ICT活用や小中連携など(道・道教委 2023-11-08付)
道教委の「5年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書」では、本道の状況を分析するとともに、「検証改善サイクルの確立」「授業改善」「小中連携の推進」「望ましい学習習慣の確立」の4つの視点に基づき、質問紙調査の状況と改善の方向性を示している。授業改善では、ICT機器を効果的に活用した取組を推進することや指導と評価の一体化を図る必要性を指摘。小中連携の推進では、同一中学校区内の小学校と中学校等において、客観的なデータ等に基づき、系統的な取組の充実を図る大切さを示している。
◆検証改善サイクル確立
▼質問紙調査の状況
PDCAサイクルの確立や組織的な取組に関する質問に「よくしている(よく行っている)」と回答した学校の割合は、小・中学校共に全国に比べて高い。
PDCAサイクルの確立や組織的な取組に関連する質問に「よくしている(よく行っている)」と回答した学校であっても、教科の平均正答率が全国を下回っている状況が見られる。
▼改善の方向性
全国学力・学習状況調査や各種調査結果を客観的な指標とし、エビデンスに基づいて検証改善サイクルの充実を図る取組を進めることが大切。
年複数回の検証改善の実施、取組スケジュールの明確化など、検証改善サイクルの実質化・迅速化を図ることが大切。
◆授業改善
▼質問紙調査の状況
主体的・対話的で深い学びに関する質問に「よくしている(よく行っている)」と回答した学校の割合は、小・中学校共に全国に比べて高く、このように回答した学校ほど、各教科の平均正答率が高い傾向が見られる。
自分の考えが伝わるように工夫して発表したり、各教科などで学んだことを生かしながら自分の考えをまとめる活動を行ったりしている児童生徒の割合は、小・中学校共に全国に比べて低い。
▼改善の方向性
ICT端末も効果的に活用しながら主体的・対話的で深い学びの視点による授業改善を進めることが大切。
学びを通して児童生徒一人ひとりに資質・能力が身に付いているかを把握し、指導方法を工夫改善するなど、指導と評価の一体化を図ることが大切。
◆小中連携の推進
▼質問紙調査の状況
小中連携に関する質問に「よくしている(よく行っている)」と回答した学校の割合は、小・中学校共に全国に比べて高い。
小中連携に関する質問に「よくしている(よく行っている)」と回答した学校であっても、教科の平均正答率が全国を下回っている状況が見られる。
▼改善の方向性
学校、家庭、地域で取組の成果や課題を共有し、方向性を確認しながら、連携した取組を進めることが大切。
同一中学校区内の小学校と中学校等において、客観的なデータ等に基づき、学習指導の改善を図るなど、系統的な取組の充実を図ることが大切。
◆望ましい学習習慣の確立
▼質問紙調査の状況
家で自分で計画を立てて勉強をしている児童生徒の割合は、小・中学校共に全国に比べて高く、このように回答した児童生徒ほど、各教科の平均正答率が高い傾向が見られる。
1日1時間以上勉強している児童生徒の割合は、小・中学校共に全国に比べて低い。
児童生徒にPC・タブレット等の端末を、毎日持ち帰って家庭で利用させている学校の割合は、小・中学校共に全国に比べて低い。
▼改善の方向性
児童生徒がICT端末を日常的に活用し、自分に合った方法や教材によって、計画的に勉強する習慣を身に付けさせる取組を進めることが大切。
地域の人材を活用して、児童生徒に放課後等の学習機会を提供するなど、地域全体での学習支援の充実を図ることが大切。
(道・道教委 2023-11-08付)
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